ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No536 メルヴィン・ポール(米)vsヘクター・”マッチョ”・カマチョ(米)

2006年08月31日 07時07分51秒 | ボクシング
(S・フェザー級10回戦)
 古豪サトを敗ったカマチョが再び全勝対決に挑む、カマチョが17戦無敗なら対するポールも15戦無敗の右ファイターで陽気なカマチョに対し不敵な面構えのポール故楽しみなカードだ。
 初回このクラスにしては小柄な両者の対決はカマチョがジャブでリズムをとればポールはジリジリと前進、カマチョのジャブを掻い潜るポールの左へのダックが不気味だが手数が少ない。2Rポールはジグザグに追い詰めるが其れを上回るフットワークを披露するカマチョ。3Rカマチョは相手との距離を一定に取り続けそれでもポールが入ってくれば高速1・2を放つパターン。
 4R前半に比べればカマチョはロープに詰められてボディを打たれる場面が増えてきたが、そんな時でも上体のフェイントでピンチに陥る事は無い。5Rポールはローブローの注意を受けながらもカマチョのボディを意識的に叩けばカマチョは左を顔面に伸ばす。6R中盤に入っても両者のスピードは衰える気配は無いが、カマチョの1・2がカウンターとなりポールの腰が一瞬落ちこれまでで一番のダメージブローを浴びる。
 7Rポールはリスクのあるボディ攻撃からサウスポーに対する右ストレートを多用する作戦に切り替えるも一旦奪われたペースは変わりはしねえ。8Rポールの鋭いアタックもバックステップも軽やかにスピードで対抗のカマチョ。9Rはカマチョの1・2がポールを目潰しする様にフラッシュヒット。
 10Rポールは逆転を狙い必殺の右を狙うが最後までいなし続けたカマチョの大差判定勝ちで無敗対決を制しました。
 しかし流石本場アメリカ、ホープ対決を惜しげも無く実現させ本物へ成長させるシステムは見習わなければなりません。

No535 ジョニー・サト(比)vsヘクター・”マッチョ”・カマチョ(米)

2006年08月30日 07時00分08秒 | ボクシング
(S・フェザー級10回戦)
 全勝対決を圧勝したカマチョが次に迎えるのは本場米国で活躍する比国人サト、東洋の曲者と如何に戦うかがポイントだ。
 初回カマチョ先ずはジャブで様子見すれば、サトも思ったよりも速い動きでカマチョに対処する。2Rサトの動きに対しカマチョはより素早いフェイントで撹乱しようと試みる。3Rカマチョはスタンスを広くとり下から攻め様とするが、サトは打ち合いはお手の物で左フックが一発ヒットしポイントを奪う。
 4Rカマチョの1・2がカウンターとなってサトの顔が歪み打ち合いも佳境に入り、更に1・2から素早いアッパー・フック・ボディ・ストレートと眼にも止まらぬ連打を繋げるとタフなサトがゆっくりとダウン、両手を着いたまま立ち上がる事が出来ずに試合終了。
 好調なベテランを相手に自身自慢のスピードを活かし見事なKOでまた一つ連勝を伸ばしたカマチョでした。

No534 ルイ・”ゴールデン・ボーイ”・ルイvsヘクター・”マッチョ”・カマチョ

2006年08月29日 14時47分02秒 | ボクシング
(S・フェザー級10回戦)
 共に15戦全勝同士のサバイバル戦、ロイが21歳ならカマチョは20歳と生きの良いもの同士だ。
 初回ファイターのロイが積極的に出て来るがカマチョはジャブとスピードでいなす、特にロイが右を放って身体が流れた所に放つ1・2は鋭い。2R早々その1・2がクリーンヒットしロイは尻餅を着く様にダウン、こうスピードに違いがあると無敗のロイも単なる凡庸なファイターにしか見えず、カマチョの武器はジャブ~1・2しかないがスピードが伴う為これだけで十分だ。3Rカマチョの脚が冴えてきたのでロイは強引に接近しインファイトに活路を見出そうとするが引っ付いてもスルリと逃げられそれでもダメなら露骨なクリンチで対処するカマチョ。
 4Rカマチョは相手の後ろに廻り込むクリンチを多用するが、ロイにとっては厭味な戦術でいらつく所にカマチョの右アッパー~左ストレートのコンビがヒット。5Rロイ半ば強引にインファイトからフックを振るうがカマチョの1・2がシャープにヒットしダメージを重ねるだけ。6Rロイはボディを叩きたい所だがジャブ・フットワーク・フェイントを駆使するカマチョの前に触る事すら難しい。
 7Rそれでもロイは果敢にプレッシャーをかけるがダメージを重ねた相手の一瞬の隙を突いたカマチョが速射砲を浴びせ手が出なくなった所に最後は右フックを見舞うとレフェリーのストップとダウンが同時になり試合終了。
 無敗対決を制したカマチョのスタイルは新しい時代が到来したことを実感させられる内容でした。

No533 ”ジャンバ”J・B・メンディ(仏)vsS・”リル・バッドバッド”ジョンストン(米)

2006年08月28日 07時00分32秒 | ボクシング
(WBA世界ライト級タイトルマッチ)
 33歳の王者メンディが迎える指名試合且つ初防衛戦は20戦全勝で元アマの名選手ジョンストンが相手、日本的にもこの日の勝者が坂本博之(角海老宝石)と対戦予定もあり注目の一戦でもある。
 初回11cmの身長差ながらジョンストンは軽快な動きとステップインで難なくジャブを当てる、メンディはアドヴァンテージを活かし切れず後退を余儀なくされる。2Rメンディのジャブが少ない為動きの軟らかいジョンストンの手数が増えてきた。3Rジョンストンの動きに合わせてメンディも上体を小刻みに動かしてきたが、ジョンストンはこの回からボディも加えて上下の打ち分けを行う様になってきた。
 4Rメンディの打ち下ろしの左やクロスを繰り出し、ジャブが少ない分左に勝機を賭けてきた。5R両者の距離が詰まる中ジョンストンの右目がカットとなり王者より減点1、其の分メンディの強烈な左でポイントを取り戻す。6R両者傷を作って慎重な戦いの中メンディの左アッパー~右フックが鋭くヒット。
 7Rジョンストンが接近してきた所にメンディの鋭い右フックからインファイトでの左アッパーが抉る、これが続くと小柄な挑戦者は苦しくなるがそれでもジョンストンのカウンターの左フックで王者がグラつく。8R接近戦は厳しいとみたジョンストンは再び小刻みな動きと踏み込み鋭い右ストレートでメンディのパンチを空振りさせる。9Rメンディもペースを変えるべく体格差を利したストレートを多用し長い距離からプレッシャーをかける。
 10Rメンディのパンチは顔面中心なので小柄なジョンストンがダックを多用すると命中率が悪くなる、只常にプレッシャーを掛けるのはメンディだ。11Rジョンストンが細かいパンチを繰り出す中、メンディの強い左ストレートがヒットするも疲れでディフェンシブなうえ打たれた後のバランスが悪く見映えが悪くなる。最終ラウンドとなり激しい打ち合いも、ジョンストンが右でボディを叩いてから返すオーヴァー・ハンド・レフトでリードした所で試合終了。
 勝負は微妙な判定となり私の採点では1ポイント差、オフィシャルも2-1のスプリットでジョンストン僅差の判定を拾い新王者誕生となりました。
 敵地仏国での挑戦ながら僅差の判定を捥ぎ取ったのはジョンストンの実力と共に其れを支持した公正なジャッジの普段の努力の賜物です。

No532 ジョン・サム・セパタ(パプア・ニューギニア)vsボング・アルロス(比)

2006年08月27日 10時01分06秒 | ボクシング
(バンタム級10回戦)
 これは珍しいパプア・ニューギニアの選手が登場、バルセロナ五輪代表からプロ入りしオセアニア地区で戦い此処まで2戦全勝全KOとキャリアは少ないものの南太平洋ランク1位と興味のそそられるセパタ、相手は比国9位サウスポーのファイターだけに先ずはお手並み拝見。
 初回一発狙いのアルロスに対し、セパタの返す右ストレートの威力はあるもののフォームはこれが五輪選手?と言いたくなるバランスの悪さ。
 4Rアルロスの大きなパンチが襲ってくるのでセパタは如何しても手数が少なくパンチも大きくなり、更にアルロスのワイルドなボディを浴びるとセパタは防戦一方になる。
 6Rセパタ自慢の右も腰の切れに乏しくジャブも少ない為アルロスの前進を許し、その内アルロスの左フックがセパタの後頭部を巻き込む様にヒットし前のめりに倒れた所にアルロスの右フックが当たり大の字にダウン、反則パンチ2連発もレフェリーはお咎め無でカウントを進めセパタはTKOとなり試合終了。
 結末には気の毒な面もあったがセパタのレヴェルの低さに招聘したワタナベジムも本格的に売り出そうとはせず2度と日本のリングに上がる事はありませんでした。
 パプア・ニューギニアといえば嘗てエウセビオ・ペドロサ(パナマ)に挑戦したジョニー・アバという選手がいましたがこの日のセパタも含めて豪州やニュー・ジーランド以外のオセアニアの選手の活動を知りたいものです、どなたか詳しい方は是非報告お願いします。

No531 柳光和博(ワタナベ)vsナタール・バルセロナ(比)

2006年08月26日 09時38分36秒 | ボクシング
(フライ級10回戦)
 日本とフィリピンのランク2位且つサウスポー同士の一戦、特に柳光は次戦で日本タイトル挑戦も決まっておりスカッと勝利を飾りたい所だ。
 初回バルセロナの鋭い1・2で始まれば柳光はジャブで牽制するのみ。2Rもバルセロナは積極的な攻めを見せると柳光は距離をとろうとするが、思い切りの良い踏み込みを許してしまう場面も。3R柳光はスピードでは勝るもののジャブが少ないのでバルセロナの左ストレートを貰ってしまう、日本2位はサークリングしている間は怖くないが距離が縮まるとヒヤリとするが、それでも終盤切れ味良い右フックがヒットする。
 5Rバルセロナのワイルドさはやり難いものの段々柳光のスピードについていけなくなりシャープな左ストレートでバランスを崩す。8R未だアマ臭さの残る柳光はチャンスを掴んでもそこから畳み掛ける攻撃が出来ない為バルセロナに立ち直る余裕を与えてしまい、セコンドからは「どんどん前へ」の発破も。
 9R柳光やっと腰の入った左ストレートが打てる様になり、前半とは違ってジワジワとバルセロナを追うと比国人は手数が少なくなってきた。10R逆転を狙うバルセロナのワイルドな攻撃に、特にボディを打たれて柳光が下がるシーンがあったものの自身初の10回を戦い抜き試合終了。
 前半はバルセロナの攻撃に苦戦を強いられた柳光だったものの中盤以降スピードで勝り中差判定勝ち、これがプロ5戦目と考えれば初の10回戦を無難に戦ったとみるか次戦日本タイトル戦を控えた選手としては些か心許ないとみるかは「自由だあ~!」(以上犬井ヒロシ調でまとめてみました)。

No530 ケン・”ザ・コブラ”・シグラニ(米)vsアントニオ・リヴェラ(プ)

2006年08月24日 07時07分08秒 | ボクシング
(ウエルター級10回戦)
 18戦全勝のプロスペクト・シグラニが5階級下の元IBF世界フェザー級王者リヴェラを相手にキャリアに箔を付ける為と思われた一戦、ボクシング好きの俳優X氏がセンス溢れると称したリヴェラも最近は負けが込みホープの踏み台となるケースが目立つ故この予想も致し方無い。
 初回共に手数少なく様子見もロープに後退したシグラニが放った右カウンターでリヴェラ早くも腰を落とす、これで接近戦でのパンチの交換に踏み切ったリヴェラがジワジワとシグラニをロープへ追い込み放った左フック~右ショートで顔を跳ね上げながら脆くもダウン、立ち上がったものの虚ろなホープの眼を見たレフェリーが試合ストップ。
 誰がこんな結果を予想したであろう15年振りのKO勝ちで久し振りにスポットライトを浴びたリヴェラだが、これも「ザッツ・ボクシング!」
 

No529 寺地永(陽光アダチ)vsガース・カッション(豪)

2006年08月23日 07時18分18秒 | ボクシング
(OPBF東洋・太平洋L・ヘヴィー級タイトルマッチ)
 1年振りの再戦、前回の決定戦で右手を骨折し後半ヨレヨレになりながらも王座に就いた寺地、その判定にクレームをつけたカッションとの因縁の対決だ。
 初回先ずはジャブの応酬、寺地がパワフルならカッションはガードを固めてコンパクトなフォームで放ち合う。2Rもジャブ中心ながらお互い右も徐々に繰り出すと、寺地の左ボディ~顔面への右ストレートが有効。3Rカッションはガードは高いものの其の分ウィービングに乏しい為寺地の右ストレートがヒットする。只寺地もガードはルーズな為非力ながらもカッションの右には要注意。
 4Rカッションもウィーブやダックを駆使し寺地のストレートを掻い潜りショートをヒット。5Rショート・パンチの交換の中寺地の長い右がクリーンヒット、両者の攻撃を比べると顔面オンリーのカッションに対し上下に打ち分ける寺地の方が後半縺れ込むとダメージを与えそうだ。
 6Rカッションを中心に時計回りにサークリングする寺地の右でカッションの左眼が腫れ出し、その右が再び強烈にヒットするとロープへ後退する挑戦者にチャンスとばかりに連打を浴びせると脆くも前のめりにダウン、その後も連打を浴びせ2度目のダウンを与えるも立ち上がった所でゴングに救われるカッション。
 7Rダメージの残るカッションに寺地は賺さず1・2でグラつかせ右手を廻し観客にアピールしながら防戦一方の挑戦者にカウンターの右~連打を浴びせダウン、良く立ち上がったカッションにショート連打を浴びせ再びダウンした所でレフェリーはノーカウントでストップ。
 前戦では使えなかった右の強打が決めてとなり見事なKO決着で初防衛を果した寺地でした、しかし軽いクラスなら世界の声も掛かるのでしょうが如何見ても即世界と行かない所が重量級の性なのですね。
 でも私自身はG・カッションの様なスタイルが理想なのです。

No528 新井久雄(陽光アダチ)vs小野淳一(新日本木村)

2006年08月22日 07時17分27秒 | ボクシング
(日本S・ライト級タイトルマッチ)
 共にアマキャリアがあり倒す力も持っている両者の指名試合、特に挑戦者小野は高校王者から全日本新人王を経て11戦無敗のキャリアを持って挑む為興味が持たれる所。
 初回開始15秒で新井行き成りの左ストレートで小野早くもダウンする波乱のスタート、只両足の揃った所へのパンチの為ダメージは無い。2R新井が本来の小気味良いスタイルを忘れ距離を詰めて左右のショートを放つが、こうなると小野の右強打も当たる距離ではある。3R小刻みに上体を動かし間断無くジャブを繰り出す新井に右の強烈なボディからアッパーを上に返しダメージを与える小野、その後も左フックを顔面にヒットさせる。
 5Rお互い得意なハードブローを当て合うクロスファイトだが打たれると後ろの下がる新井の見映えは悪いものの、王者の右ストレートで小野の顎が上がる。6R新井の左ストレートで小野は一瞬コーナーで棒立ちも生き返った小野は後半になると反撃。
 7R新井のカウンターの右フックが炸裂、一発一発は小野の方が強いもののパンチを当てるタイミングは王者が勝る、それでもプレッシャーを強めた小野の左フックで新井を後退さす。
 さて試合は最終回、開始早々から脚を止めて激しく打ち合うもスタミナに勝る小野が新井を押し込み左フックを打ち抜く、その後も手数で王者にプレッシャーを浴びせた所で試合終了。
 前半の劣勢を後半盛り返した小野の善戦で勝負は微妙な判定となったが、案の定2-1のスプリットで辛くも新井の防衛を支持しました。
 新井は4連続KOはならずも強豪相手にナイスファイトを演じ地元ファンに勝利をプレゼントしたのでありました。
 

No527 スズキ・カバト(新日本大阪)vs徳山昌守(金沢)

2006年08月21日 06時59分18秒 | ボクシング
(日本フライ級タイトルマッチ)
 大阪で行われた「トリプル・タイトルマッチ」興行の一つとして行われた一戦、前回は決定戦で行われ負傷判定でカバトが王座に就いた因縁の戦いだが世界4位のカバトに対し日本9位の徳山というランクに差のあるタイトルマッチだ。
 試合は前半ファイターのカバトに対し徳山のアウトボックスが冴えリードを奪う。
 迎えた7回も徳山がジャブで距離を測りカバトが入って来る所に右ストレートやアッパーを合わせる今と変わらぬ徳山チックな戦いだ。8Rしかしスタミナが無くなり前半程突き放せなくなった徳山はラフなカバトの戦いに巻き込まれ手数が少なくなってくる。
 9R踏み込み鋭いカバトの左ストレートで接近しクリンチの最中でもボディを叩くと徳山はジワジワと効いて来る、そこに飛び込む様カバトのワイルドな右がヒット。10R王者の老獪さに徳山のパンチもワイルドなフォームとなり、。お互い有効なヒットを奪えぬまま試合終了。
 前半徳山・後半カバトの試合展開同様判定も三者三様の引き分けとなりカバト辛くも初防衛成功と相成りました。
 しかし徳山の挑戦が決まったのは試合の一週間前というコンディションを考えれば挑戦者の善戦は立派なもので、この一戦を糧に世界の階段を昇っていくのでありました。