(WBA世界S・ライト級タイトルマッチ)
アマ時代T・ハーンズにも勝ったプライアーが、4階級制覇を目指すアルゲリョを迎えて行った好カード。
初回プライアーが荒鷲の如くワイルドに攻め出ると、アルゲリョも王者の防御の穴をついて左右ストレートを突き刺す、ボクサーとしての質は比べるべくも無いが其れを補って余りある王者のパワーを感じる。2Rプライアーのラッシュでアルゲリョはロープに詰まるが、ニヒルなコールマン髭の挑戦者は冷静にショートのカウンターを返していく。3Rガードの低いプライアーとキチッと顔面をガードするアルゲリョ、両者の防御技術も比べるべくも無いが挑戦者のチョッピング・ライトを貰ってもタフな王者は平気で反撃する。
4Rプライアーのジャブ~逆1・2がアルゲリョのガードをぶち抜きロープへ後退させるが、挑戦者も1・2を打ち返すと王者は一瞬後退する。5R決して速いとは言えないが、アルゲリョの探り針の様なジャブから上体を揺さぶるプライアーに右のカウンターを合わせる。6R戦法を変える様なフットワークからジャブを飛ばすプライアーは、その動きについて行けないアルゲリョの隙を突いて右の強打をぶち込む。
7R意外なプライアーのアウトボックスに戸惑うアルゲリョに右を叩きつけるが、挑戦者も次第にその動きを読み右ストレートを伸ばすと王者がバランスを崩す。8Rプライアー折角右をヒットさせても身体が流れる為後続打が出ず、徐々にペースはアルゲリョへと傾き出す。9Rプライアーのフットワークは止まって来て、近距離でのパンチの交換は常に追い詰めるアルゲリョの右が単発で数発ヒットも、王者も1・2・3のコンビを返すクロスファイト。
10Rプライアーがフェイントを交えたコンビネーション・ブローを放つ。11Rアルゲリョの右がカウンターとなってクリーンヒット、その後の右も貰うプライアーは何とかゴングに逃れるがコーナーを間違える程のダメージが、しかしここでコーナーへ引き戻すセコンドがマウスピースを抜くと同時にプライアーの口に何か入れたのを俺は見たぞ!12R1分間のインターヴァルで動きを取り戻したプライアーは、再びコンビを放つがそこにアルゲリョは右を合わ一進一退の攻防、しかし此処に来てもフォームを崩さぬアルゲリョに改めて感服する。
13Rプライアーの飽くなきラッシュにも感服するものがあり、アルゲリョの右の直撃を貰いつつもアウトボクシングでペースを取り挑戦者にダメージを蓄積させる。14R逆1・2でチャンスを掴みコントロールするプライアーは、更にコンビネーションで決定機を掴んで炎のラッシュを浴びせ、アルゲリョが反撃出来なくなる姿を見てレフェリーが試合をストップ。
と同時にキャンバスに沈み行く挑戦者の姿に巨星堕つの印象を植え付けさせられた、歴史的一戦でしたね。
(追伸)
小堀が世界王者になったその日に亡くなられた張飛選手、故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。合掌