ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No1399 E・”エル・テリブレ”・モラレスvs”ベビーフェース・アサシン”マルコ・A・バレラ Ⅲ

2009年05月31日 07時25分13秒 | ボクシング
(WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ)

 1勝1敗を受けたメキシコの英雄同士による3度目の対決は、王者モラレスに3位バレラが挑むという構図、紛れも無い好カードだ。

 初回バレラがジワリとプレスを仕掛けていけば、スロースターターのモラレスは挑戦者が入ってくる所にアッパーを合わせるが、バレラは構わず強気に入っていく。2Rモラレスは長いリーチを活かして中間距離でパンチを打ち下ろす。3Rバレラも負けじと打ち返していくが、ナチュラルなモラレスの前にパンチが効かない様な表情を浮かべる。

 4R距離の長いモラレスの右ストレートが伸びるが、バレラはそれに対してコンビネーションが欲しい所だ。5Rモラレスがフットワークを使い出し、打ち合うよりもボックスすれば、バレラはその動きに手数が少なくなる。6Rバレラはモラレスが入って来る所へショートでコンパクトなコンビを合わせ、王者を防戦へと追いやる。

 7R打ち合うと危険と察したモラレスは、再び動いてヒット&アウェイを駆使しバレラの動きを警戒する。8Rモラレスの右フックがクリーンヒットさせリードするが、バレラも打たせておいてその隙を狙っている、しかし王者の右はナックルの返り(捻り)が効いている。9Rモラレスは明らかに右のタイミングを掴んだ様で、バレラも左を返すもののリードを許す。

 10Rバレラは左フックで詰めていくパワーが増して行く。11Rお互い勝負と出たが、至近距離で激しく打ち合うと、バレラに疲れが見られモラレスの手数が勝る。12Rバレラの足が引っ掛かった所にモラレスがパンチを送るが、大きくバランスを崩した挑戦者は何とか態勢を立て直し、逆に手数を出しながら押し込んでいき、残り10秒でもラッシュを仕掛けていく二人に観客が盛り上がる中試合終了のゴング。

 私の採点は引分け、オフィシャルも2-0の僅差という接近したポイントながらも、バレラを支持し新王者に就くと共に、ライバル対決に白黒決着を突けた結果となりました。
 シーソーゲームのナイスファイトでしたね。

No1398 ”明石のマタドール”佐竹政一(明石)vs金正範(韓国)

2009年05月30日 07時17分17秒 | ボクシング
(OPBF東洋太平洋S・ライト級タイトルマッチ)
 世界を見据えていた佐竹10度目の防衛戦は、最強の挑戦者を迎えての指名試合。

 初回防衛戦となると1年半振りの佐竹へ、アグレッシブな金が得意のプレスをかけると、王者はカウンターの左のタイミングを測るが挑戦者の振りの大きさに危険なパワーを感じてしまい、終盤金の右で見切りを誤った佐竹が前のめりに崩れる様にダウンを喫す。

 2Rダメージの残る佐竹へ金は荒々しい右でプレッシャーをかけ、ガードの低い王者へ強烈な右を伸ばすとピンチに陥れる、そして中盤佐竹の右フックや左アッパーが決まるものの、挑戦者の右アッパーが顔面を擦り上げる様に決まると王者が後方へダウン、何とか立ち上がろうとするものの意識に身体がついていかずにカウントアウト。

 カルロス・マウサ戦で惜しい星を落としていた佐竹は、金の勢いに100%のモチベーションを発揮する間も無く敗れ去ってしまいました。

No1397 林田直也(ハラダ)vs株丹”カブ”千秋(エディタウンゼント)

2009年05月29日 06時49分54秒 | ボクシング
(フェザー級4回戦)
 これまたデビュー戦同士の一戦も、両者数戦のアマ歴あり、多少攻防に期待がもてるか。

 初回立ち上がりからファイター株丹がプレスをかければ、林田も長い左右ストレートで応戦し激しい動きを繰り広げるが、林田の右ストレート一発で一瞬株丹の腰が落ちる。無我夢中の初回を終えた2R、相変わらず激しい打ち合いの中、株丹が距離を詰めてのレヴァーブローを叩き、林田のフットワークを止め様とする。

 3R頭をつけた細かな打ち合いとなり林田はリーチを活かせないものの、カウンターの右フックで一瞬株丹が効いてしまう。4Rもお互い初勝利に向けてボディを中心に良く手を出し合うが、決定打を与える事が出来ずに勝負は判定へ。

 一発は林田、手数で株丹という一戦だったが、私もオフィシャルもドローと採点し、デビュー戦同士は引分となりました。

 (追伸)
 夏の終わりの8月29日、中広大吾の防衛戦が広島で行われる事が決定、挑戦者は本田秀伸、玄人好みの技術戦が予想できますね。

No1396 辻彬宏(江坂)vs立山浩隆(ヨシヤマ)

2009年05月27日 13時19分29秒 | ボクシング
(S・バンタム級4回戦)
 デビュー戦同士の一戦、これ以上の説明が思い浮かばない中ゴング!

 初回デビュー戦らしく荒々しく激しい打ち合い、お互いのパンチがゴツゴツと当たる文字通りの殴り合いだが、コーナーからの「頭振れ」の指示に落ち着いた立山が、フェイントを駆使しペースを奪うが、度重なるオープンブローで早くも減点1。2Rマウスピースを付け忘れる程興奮した立山は、左ボディで辻の動きを止めるが、辻もガードの甘くなった立山に左フックを合わせ、更に連打で打たれっ放しとなり辻の勢いが勝る。

 3Rフックを打った後身体を横へ向けガードの甘くなった立山だが、打たれながらも左右のボディフックで辻の動きが止まる。4R行き成り辻がラッシュを敢行し不意をつかれた立山、その後は立山のボディ・辻の荒々しいショートストレートという展開の中勝負は判定へ。

 私の採点は減点もあり辻、オフィシャルも3-0のユナニマウスで同じく辻を支持しデビュー戦同士の一戦に白黒をつけましたが、惜しい星を落とした立山もディフェンスを磨けば伸びシロありと見ました。

 (追伸)
 敵地タイで2-1の判定で惜しくも世界奪取ならずの久高寛之(仲里ATSUMI)、次回はぜひ日本で三度目の正直を実現して欲しいものです。

No1395 田井敬之(泉北)vs吉村厚志(グリーンツダ)

2009年05月26日 06時45分52秒 | ボクシング
(フェザー級4回戦)
 3戦全勝全KOの田井と、2勝4敗と負けが勝ちの倍ある吉村との一戦。

 初回スリムな両者が序盤よりクウィクな動きで頭をつけてショートレンジでの打ち合い、全KOの田井に臆する事無くサウスポーの特性を活かしながら吉村がカウンターをヒットさせる。2R早くもエンジン全開の田井が上下へ連打を浴びせると、吉村も正面から綺麗な左ストレートを伸ばすが、惜しむらくは両者良く手は出るものの、同じリズム故パンチに強弱をつけたい所だ。

 3R二人の息子に応援されてプレスをかけてきた田井だが、サウスポーが苦手なのか吉村のコンビネーションを貰い全KOの片鱗を見せつける事が出来ない、只吉村もボディへパンチを打ち分けなきゃ。4R全勝のプライドで前へ出る田井に、冷静にカウンターの左ストレートを合わせる吉村、両者共最後迄手数が減る事無くゴング迄打ち合い試合終了。

 私は有効打で上回った吉村と見たが、オフィシャルは引分と裁定。
 全勝相手に意地を見せた吉村は無念のドローでしたが、田井は強打を活かす為にも、前足を相手の外側に出す工夫が欲しかったですね。

 (追伸)
 さあ、今日は東京とタイでのダブル世界フライ級戦、西岡に続いて久高も海外KOで王座奪取となってくれ! 

No1394 小島康平(明石)vs福島智弘(白鷺)

2009年05月25日 06時50分02秒 | ボクシング
(ライト級4回戦)
 関西のルーキーファイトは、2勝3敗の小島と、1勝3敗の福島との戦い、早く勝ち星先行としたい者同士の一戦だ。

 初回22歳同士の一戦は、最初が肝心とばかりにワイルドに出て行く小島が、ロープ・コーナーへ福島を追い詰めるが、福島も連打を顔面・ボディへ放つ、2分過ぎより小島の再攻で福島の顔面は早くも赤らむ。2R小島の手数に押され、福島の息づかいが荒くなる、もっと走りこまなきゃ。

 3R序盤は手数を繰り出す福島だが、小島にボディを叩かれ出すと、時間の経過と共に失速していく。4Rジャブで距離をとりボックスを試みる福島だが、小島は前進し続けるものの手数が伴わないが、福島にも倒すだけのパンチ力が無く勝負は判定へ。

 私の採点は常に前に出た小島の2点差だったが、オフィシャルは1-0で有意差がつかず引き分けとなりました。

 (追伸)
 西岡海外KO防衛の偉業達成、徳山が韓国で曹を倒した右に匹敵する様な一発KOでしたね、早く帰ってWOWOW観ようっと。

No1393 マーク・”トゥ・シャープ”・ジョンソンvsイヴァン・”チョコ”・エルナンデス

2009年05月23日 18時01分41秒 | ボクシング
(WBO世界S・フライ級タイトルマッチ)
 2階級制覇のベテラン・ジョンソン(米)に、ランク10位ながらWBCスペイン語圏(ムンド・ヒスパノ)王者で19戦無敗21歳の新鋭エルナンデス(メキシコ)が挑む一戦。

 初回長身エルナンデスが端正なフォームから長く鋭い1・2で伸び伸びと積極的に手を出していき真直ぐな右ストレートでジョンソンのバランスを崩すが、王者は強かに左でボディを叩く。2Rキビキビした動きで教科書通りのエルナンデスは、サウスポー相手でも苦にする事無くパンチを繰り出していくと、ジョンソンはボディブローから顔面へアッパーを返し、下からの攻めで挑戦者のスピードを鈍らせる。3R斜に構えるディフェンスを披露するジョンソンに、左右ショートアッパーで上体を起こさせるエルナンデスは、気の強さを覗わせる。

 4Rダックするジョンソンに右ストレートを打ち下ろすエルナンデス、ボディを叩いても動きの止まらない挑戦者に流石の王者も戸惑い気味で、回転に勝るエルナンデスにジョンソンは根負けしている。6R意識してジャブをダブル・トリプルと放ち出してきたジョンソンだが、フリッカー気味な為エルナンデスの勢いは止まらない、しかし挑戦者が前がかりになった所へ王者の右フックがカウンターとなりグラつき、右スウィングを何発も叩きつける。

 7Rガードを固めながらプレスをかけてくるジョンソンだが、それでも正攻法のエルナンデスが放つ真正面からの右ストレートがジャストミートし王者は後方へダウン、挑戦者が我然勢いづく。8R左右ショートアッパーを連打で放つエルナンデスに、ジョンソンも勝負をかけて応戦し右フックを返す中、挑戦者のタメのあるボディを貰い続けた王者が仰向けにダウン、上を向いたままのジョンソンはそのまま10カウント。

 若武者エルナンデスがピンチはあったものの見事なKO劇で新王者となりましたが、彼のスタイルはこの度網膜剥離で引退した三谷将之氏が目指していたスタイルではなかったでしょか?

No1392 グレンコフィ・”グロー・ウォリアー”・ジョンソンvsロイ・ジョーンズJr

2009年05月22日 07時11分14秒 | ボクシング
(IBF世界L・ヘヴィー級タイトルマッチ)
苦労人王者ジョンソン(ジャマイカ)が迎える初防衛戦は、アントニオ・ターヴァーとの第2戦でミソをつけて再起戦を迎える2位ジョーンズ(米)が相手、主役はあくまでも挑戦者だよね。

 初回小さくウィーブしながら本調子では無いジョーンズに行き成りラッシュを仕掛けるジョンソン、ターヴァー戦を彷彿させる様にガード一辺倒となる挑戦者だが、2分経過したあたりから左ボディを返し始める。2Rもウィーブしながら詰めていくジョンソンだが、右のガードは常に頬の横に置きジョーンズの左に備える。3R中間距離で戦いたいジョーンズだが、しぶといジョンソンは常に前へ出てジョーンズをロープ・コーナーへ追いやる。

 4Rジョンソンは小刻みに上体を動かせ手数を出しガードを固めながら、ジョーンズの戦力を押さえつける。5R一回へヴィー級へ上げたジョーンズは、元に戻っていないのか身体が重くジョンソンの左を貰って一瞬腰を折る、しかしこれでやっと本気に火のついたジョーンズはスピーディなコンビを繰り広げる。6Rロープを背負う悪い癖と相まって劣勢となってきたジョーンズに、セコンドはもっとフットワークを使う様にアドヴァイス使わなきゃ。

 7Rフットワークと共に、この日のジョーンズはパンチ自体が少なく会場がざわめき出すが、ジョンソンは愚直に前へ出る。8Rジョンソンはプレスをかけるだけではなく、出入りのフットワークも繰り出してきて、カウンター狙いのジョーンズの不調を悟ったかの様に攻撃をしてきた。9Rズルズルとポイントを失い覇気の無いジョーンズに、ガードを固めたジョンソンが強烈なオーヴァーハンド・ライトをヒットさせると挑戦者がダウン、後頭部をしこたま強打したジョーンズは頭を持ち上げる事が出来ずにカウントアウト。

 初回の先制攻撃が功を奏したジョンソンが、嬉しい初防衛成功と相成りましたが、体重調整失敗で並みの動きとなったジョーンズの命運はここで尽きたと思ったファンも多かったのでは?

 (追伸)
 天野ミチヒロ著「放送禁止映像大全」を読みました。
 一つ一つの作品が3ページにまとめられ読みやすい内容となっています、題名がら類推される変な作品はありませんよ。

No1391 エデル・ジョフレ(ブラジル)vsファイティング原田(笹崎)

2009年05月21日 06時50分43秒 | ボクシング
(世界バンタム級タイトルマッチ)
 日本ボクシング史上の中でも、重要な位置を占めるであろうクラシカル・ファイト、王座獲得以来8連続KO防衛中で無敗の万能王者ジョフレに、元フライ級王者で1位の原田が挑む一戦、指名試合にも関わらず予想は圧倒的に王者有利な中、バンタム級では何かが起こる名古屋のリングにゴングが鳴らされる。

 初回早々より原田がラッシュを仕掛けるが、出入りが良く深追いしない戦い方でジョフレにアッパーを出させなければ、王者は思いの他フットワークが無く挑戦者の手数に攻勢を取られる。2R早くも左眼をカットした原田だが、委細構わずボディ・顔面へパンチを打ち分けるが、ジョフレは中盤右ストレートで一瞬挑戦者の腰を揺らす等スリリングな攻防を繰り広げる。3Rやっとジョフレがフットワークを前に出してくると、原田は無理をせず下がりワンテンポ間を置く、中間距離では尾じゃの切れ味鋭いフックやアッパーが怖い。

 4R原田は小刻みなステップから細かいジャブで出る中、スッと飛び込んで放った右アッパーがジョフレの顎を跳ね上げグロッギーになった所をロープに詰めて一方的に打ち分けると、意外なシーンに満場騒然。5Rベタ足のジョフレに比べて、爪先で軽快なフットワークを展開する原田だが、少しでも間を空けると王者は左ショートアッパーから左右のロングフックを浴びせて、挑戦者はゴング後帰る コーナーを間違える程のダメージを与える。6R中間距離でジョフレ、接近戦で原田という互角の展開が続く。

 7Rダブルで放つ原田のジャブがテンポを上げれば、ジョフレもロングの左右アッパーでお出迎えも、よく動く挑戦者を捕えるのに難渋すえう。8R再び原田が飛び込んで右アッパーから連打を浴びせれば、ジョフレも前に出てくる挑戦者を下からタメのある左右フックを放つ。9R原田はボディへの右ストレートでジョフレの動きを止め、更に顔面へ放ちクリーンヒットを奪い、ボディ攻撃が功を奏してきた様だ。

 10R勝負に出て来たジョフレが得意の左ロングアッパーを繰り出してきたが、原田もショートの1・2を返し王者にロングパンチを許さない、このラウンド後のインターヴァルからジョフレが椅子に座り出す。11Rの原田はフットワークは軽快も、手数は少なく様子見のラウンド。防衛戦で初めて迎える12R,ジョフレは右のロングフックを放つものの、若くリズミカルな原田を攻めあぐね身体を入れ替えられては連打を浴びる。

 13R相変わらずヒット&アウェイが好調な原田は、ジョフレが打った後にカウンターを合わせ、王者がジグザグに追ってもクリンチを駆使し巧みなディフェンス・テクニックを披露する。14Rジョフレは少しでも距離が出来ると虎視眈々と左アッパーを狙うが、この日の王者は後続打が出ず、後半右フックの連打から右アッパーで勝負を賭けるが、ダメージを与えられない。15Rになってもステップの止まらない原田の体力は素晴しく、ジョフレをロープに詰めてラッシュする中試合終了のゴング。

 私の採点は1点差、オフィシャルも2-1の僅差ながら、日本中のファンが注目する勝利者コールは青コーナーを指し、原田が大番狂わせで2階級制覇を達しました。

 ジョフレが後半コーナーに戻って椅子に座る際に、原田に背を向けて座る珍しいシーンを目撃しましたが、これも相手に自身の表情を悟られまいとする王者の矜持を感じました、疲れるだろうけどね。

No1390 柳明佑(韓国)レオ・ガメス(ベネズエラ)

2009年05月19日 06時50分01秒 | ボクシング
(WBA世界L・フライ級タイトルマッチ)
 33戦全勝の柳に、これまた20戦全勝で元M・マム級王者の1位ガメスが挑む指名試合、王者が迎える久し振りの強豪だ。

 初回共に短躯なサイズだが、ガメスが伸びるジャブで先制し、スロースターターの柳にプレスをかける。2R早くも前に出てきた柳の左フックがヒットすると、ガメスはバックステップするものの、挑戦者のジャブも相変わらずヒットする。3R柳の叩きつける様な右クロスがヒット、ガメスもジャブだけでは止められないと悟った様だ。

 4R柳はウィーブやダックを駆使し、ガメスのヒットポイントをずらしては左右フックでプレスをかける。5Rも柳の右クロスが軽くヒットすると、ガメスの距離を殺し更に左フックで仰け反らせる。6Rお互い手数の割にはクリーンヒットが少ないものの、柳はガメスをロープに詰めてボディで挑戦者の動きを止める。

7R前に出る柳のジャブが伸びる様になり、続く1・2でガメスをバックステップへと追いやる。8Rガメスの伸びるジャブをものともせず、柳は右クロスのタイミングを掴んだ様だ、只挑戦者も右アッパーから相打ち覚悟で距離を詰め、左右フックを叩きつける。9Rガメスのカウンターは怖いものの、柳は前に出る事によってそのタイミングを殺している。

10R柳はガメスのボディを叩き動きを止める作戦、ここにきてのボディ攻撃はキツイな。11Rお互い疲れからかクリーンヒットは少ないものの、常に前へ出る柳のペースで、終盤にきてナチュラルな王者が体力を利して差を拡げる。12Rガメスが左右へ良く動いて柳の打ち終りに左フックのカウンターを狙い最後の勝負に賭けてきたが、王者も呼応し激しく打ち合う中試合終了。

 私は6点差、オフィシャルも柳を支持し軽量級の全勝実力者対決は王者が制しました。

 こうやって改めて柳を戦い振りを振り返ると、決して無闇なラッシャーではなく、序盤はジックリと相手の戦力を分析し、中盤からボディで弱らせ、終盤”ソナギパンチ”で仕留めるという、鉄板な戦略を持った賢いファイターだと言う事が確認出来ました。