ボクシング・テレビ&ビデオ観戦記

VTR整理の為DVDへダビングついでにブログを設定し記録保存します。

No268 ”ベビーフェース・アサシン”ジョニー・タピアvsヘラルド・マルティネス

2005年10月31日 06時59分23秒 | ボクシング
(WBO世界S・フライ級タイトルマッチ)
 悪童タピアの相手はバンタム級より1階級チャンスを求めてウエイトを下げてきたマルティネス、ただこのクラスでは大柄なタピアと比べると挑戦者のサイズは未だ小さいのだが。さて試合は序盤よりY・サムディオ並みの接近戦を挑むマルティネスに対し中間距離から得意の1・2~派手な左ボディを放つタピアの攻勢が5Rまで続く。6R手数ではマルティネスもヒット数はタピアという展開が続くが、王者はマルティネスにわざと手を出させて、その打ち終わりにパンチを集める巧さがある。
 7Rマルティネスの命中率は悪いものの健気に前進すると左フック~右ストレートでタピアを後退させる。8R・9Rと各々激しい打ち合いがあったがボディを交えたタピアの攻撃が勝る、しかし両選手共本当に良く手が出る。
 10R前に出るマルティネスにタピアのパンチがカウンターのタイミングで当たりだすと、得意の攻めながら手を挙げ観客に鼓舞・アピールするパフォーマンス、更に左フックもカウンターとなりフィニッシュが近い予感も。11Rタピアは出だしから連打を被せるとマルティネスが後退、更にコンビネーションの最後は左フックでマルティネスがガックリと腰を落とすダウン、よく立ち上がるも右目からの出血とダメージをみたレフェリーが試合ストップ。
 我慢比べの熱戦は首の異常に固い王者のKO勝ちとなりました。

No267 ”ダブルM”マイケル・モーラーvs”ビッグ”ジョージ・フォアマン

2005年10月30日 15時56分38秒 | ボクシング
(WBA・IBF世界ヘヴィー級タイトルマッチ)
 35戦全勝L・ヘヴィー級に次いで2階級制覇を果しヘヴィー級初のサウスポー王者の初防衛戦は、10年のブランクからカムバックし再度王座載冠を目指すフォアマンが相手、しかしE・ホリフィールド、T・モリソンに敗れ最後のチャレンジと目されていた。またトレーナーも新鋭T・アトラス(モーラー)vsヴェテランA・ダンディ(フォアマン)の新旧対決とボクサー同様注目の的でありました。
 初回両者が対峙するといくらヘヴィー級とはいえ純粋でナチュラルなフォアマンに比べL・ヘヴィー級上がりのモーラーでは2~3階級位体格の違いが見られる、サウスポー・スタイルから右ジャブをポンポン飛ばし調子の良さそうなモーラーに対しフォアマンはサウスポー相手にやり難さが感じられる。2Rモーラーが左回りをして手数では勝るが左に慣れたフォアマンは基本に忠実に左回りをし右ストレートを放ってタイミングよくヒットさせる。3R両者の距離が縮まってきてモーラーのショートが当たる確率が高くなってきた、フォアマンの1・2も当たるが中に入られる機会も多くなってきた。
 4Rモーラーはフォアマンのストレートの射程距離より中へ入りそのダメージから逃れてショートレンジで勝負すると、フォアマンはどんどん中へ入られるとパンチの斬れも鈍ってきた。5Rモーラーは体を右に沈めてジャブを打つ為アッパー気味に伸びる様になりフォアマンのガードを縫って蛇の様に絡み付く、対するフォアマンはウエイトが250ポンドと軽いせいかパンチがヒットしてもダメージは感じさせない。6Rモーラーのパンチに比べるとフォアマンの右ストレートは左に流れてクロス気味に入る為ヒットすれば効果的だが外れるとモーラーの右・左が連打で当たる。
 7Rバランスを崩してきたのかモーラーのパンチでフォアマンが仰け反る場面が眼についてきて顔面も腫れ出してきた。8R劣勢を悟ったフォアマンが前に出てストレートをショートで連打するが、その隙を突いたモーラーの左ストレートで大きく後方にバランスを崩す、ラウンド終盤には激しい打ち合いがあるもイニシャティブは王者の方だ。9Rフォアマンはよりクラウティングに構え勝負に出るが、スピードで劣る為その打ち終わりをモーラーに狙われる。
 10Rフォアマンは右ストレート~左フックの逆1・2を狙うとズムを崩されたモーラー、そこに今度は正統派1・2を2発!最後の右ストレートを直撃されると王者は後方へ崩れ落ちる様にダウン、カウント10でも立ち上がれず試合終了。
 フォアマンが20年振りの王座復帰を果し新たな伝説を作り上げましたが、ジリ貧の挑戦者が勝てたのはリズムを崩させる布石となった逆1・2、其れを考案・実行させたのがA・ダンディならば正に策士の作戦がピッタリとはまった結果となりました。

No266 熊谷直子vsレジーナ・ハルミック

2005年10月30日 12時31分46秒 | ボクシング
(女子キックボクシング世界タイトルマッチ)
 女子キックボクシング黎明期の名選手熊谷が行った世界タイトルマッチ、今となっては正式な認定団体名やウエイトは解らないがレフェリーがサミー中村氏ゆえ全日本キックの興行で行われたと推測される。
 初回からムエタイ・スタイルに精通しているサウスポーの熊谷がパンチ主体のハルミック相手に左ミドルから左ストレートをボディに繋げるとハルミック脆くもダウン、戦意喪失気味の挑戦者は9で立ち上がったもののそのままカウント・アウト。物足りないながらも見事KO防衛を果した熊谷でした。

No265 葛西裕一(帝拳)vsラモン・グスマン(ベネズエラ)

2005年10月29日 16時18分38秒 | ボクシング
(ラテンアメリカS・バンタム級王座決定戦)
 W・バスクェスに敗れ捲土重来を期して南米へ武者修行に出かけた葛西(世界5位)がベネズエラでの地域タイトル挑戦のチャンスとなった一戦は地元の世界ランカー(6位)グスマンが相手、スマートな葛西に比べると小柄で強打のファイターのグスマンは狭いリングにいってる眼が気合とチャンスを感じさせる。
 初回じりじり迫るグスマンに足とスピーディな左で対抗する葛西、手数は少ないながら終盤力強いカウンターの右フックでグスマンがグラつかせる。2R葛西は距離感良く戦っていたもののグスマンの左フックがカウンターが起点となり嵐の連打を葛西に合わせる、一発のパンチは確かに力強いものを感じさせる。3R葛西がリズミカルな1・2・3・4でグスマンに迫りカウンターの右も良かったが、グスマンも強烈な右カウンターで一瞬ロープ際でグラつかせる。
 4Rパワーの差を悟ったのかグスマンは自信を持って出てきたが、弱点のボディへの連打が効いてたじろぐ、敵地で強気に出る葛西の積極性に二重マル。5Rグスマン開始ゴングと共に出鼻から猛攻を立てて出られると葛西はG・フォアマンバリにクロス・ガードで防御する、この打ち合いで顔面が腫れてきた葛西だが手数を出し応戦するとスタミナ・ロスしたグスマンにコンパクトな連打でグロッギーにさせる。6R体力の在るラウンド前半に手数を出して攻め出るグスマンはカウンターの右ストレートをヒットさせると葛西の両目が腫れてきてドクター・チェックとなりそのまま試合終了。
 無念の葛西はOPBFに次いで地域タイトル制覇はなりませんでしたが、世界戦を含めて今までの中でも良いデキではなかったでしょうか?しかし日本では腫れが酷くなっても出血がなければそれが卵大になっても止められる事は少ないですが、よっぽど中南米の方がストップのタイミング全般に速い様なきがします。

No264 フェリックス・”ティト”トリニダードvsルイス・ラモン・”ヨリボーイ”カンパス

2005年10月26日 22時36分14秒 | ボクシング
(IBF世界ウエルター級タイトルマッチ)
 チャンピオンは23戦全勝の天才ボクサー、対するチャレンジャーも56戦全勝で1位のパンチャーかつファイター。
 初回カンパスが前に出るとトリニダードが距離をとってストレートを突き刺す、がカンパスは構わず中に入ってゆく、カンパスがボディから顔面へハンマー・パンチを放てばトリニダードもしなやかな風を切る様な左フックと、お互い自慢のブローを放つ。2Rトリニダードが左をダブル・トリプルと放つが、委細構わず前に出るカンパスの圧力は凄いものがあり接近してショートの左がアッパー気味にヒットすればトリニダード早くもダウン、本当にコンパクトな一撃だ。
 3R、より積極的に出てくるカンパスに対しトリニダードは上下にパンチを散らしていたが2度のローブローで減点1、しかしこれが契機となって失点を挽回すべく手数が出るようになった王者は接近しての左右フックや距離をとっての右ストレートがカンパスのガードを縫ってヒットする、何がきっかけでペースが変わるか判らないものだ。4Rトリニダード逆1・2でタフなカンパスがグラつき動きが鈍くなった所に鞭の様なパンチがヒットし、ロープ際での連打から最後は首が捻じ切れんばかりの左フックが決まると賺さずレフェリーは試合ストップ。
 短いながらもKOキング同士のスリリングなナイス・ファイトでした。

No263 勇利アルバチャコフ(協栄)vsウーゴ・ラファエル・ソト(亜)

2005年10月25日 22時50分57秒 | ボクシング
(WBC世界フライ級タイトルマッチ)
 磐石な防衛を行ってきた勇利が南米の強豪を迎えた一戦、40戦以上戦って負けたのは1度だけ、世界王者経験者のS・ラシアルやC・サラサールといった同国の強豪にも勝ってきて南米王者でもあり指名挑戦者ゆえ勇利も初めて迎える南米の選手相手に苦戦を予想された。
 初回勇利の固い右ストレートを避ける為か、ソトは小刻みに上体を揺らす。2R勇利がプレッシャーをかけて常に前に出て、ソトを右に左に動かしてコントロールしボディから右ストレートへと繋げる。3R勇利のプレッシャーに対しソトは手数と動きで対抗するがフックが中心の挑戦者に比べると王者はストレート中心の為ロープに詰めてボディをめり込ませる様に放つ。
 4Rソトは下がりながらも今まで以上に手数を出しペースを取り戻そうとする、でも感心する位上半身が良くウーゴ(動)く。5Rソトの手数に対し勇利は動きを止めるべく丁寧に腹を叩いている。6Rソトのスリップダウンを契機に攻め出た勇利に対し挑戦者の右カウンターがヒット、しかし構わず出た王者の抉る様な左右ボディを繰り出すがソトも左フックや左ストレートの3連発を顔面に持っていくし1・2も伸びる、両者のアグレッシブさが好勝負を展開したラウンドだった。
 7Rソトのボディから顔面の連打にディフェンスを余儀なくされる勇利だが王者も挑戦者をロープに詰める、しかしソトはウィービングやダッキングを駆使し勇利のパンチを避ける、只足が動かないのはボディが効き始めているせいか?8R明らかにボディを嫌がるソトをラウンド全般を通じ終始攻めた勇利に終盤しこたま打たれた挑戦者に対し最後は左ボディが決めてとなってロープに腰掛ける様にダウン、両グローブをキャンバスに着いたまま立ち上がる事が出来ずに見事勇利がKO防衛を果しました。
 南米の強豪を迎えるには、冬場の現地から夏場の日本に招聘しボディを攻めて叩きのめす勝利の方程式を忠実に実行した結果が実りました、逆をやられたら嫌だけどね。

No262 ケネディ・”ザ・キング”・マッキニーvsウェルカム・”スティール”・ヌシタ

2005年10月23日 21時15分11秒 | ボクシング
(IBF世界S・バンタム級タイトルマッチ)
 前戦の決着ラウンドが”ラウンド・オブ・ディ・イヤー”に選ばれた両者の再戦ゆえ激闘が期待された戦いは立場を変えて王者がソウル五輪金で27戦負けなしのアグレッシブなボクサー・ファイターのマッキニー、対する挑戦者はフットワークとパンチがスピーディなボクサータイプのヌシタ。
 初回マッキニーを中心にヌシタがサークリングしながらチャンスを伺うが両者ともスピーディで第一戦を彷彿させる。2Rヌシタは大振りの1・2、マッキニーはコンパクトな右で互角も、ヌシタが更に飛び込んでの左フックやボディへの右・左・右でリード。3Rヌシタはスピードを活かした大きな1・2をヒット、マッキニーは前戦で苦戦した様にスピーディに動かれる相手は苦手な様だ。
 4Rマッキニーはヌシタの打ち終わりにパンチを合わせる作戦を取ると距離が縮まりパンチを交換しあう展開、こうなるとマッキニーのものに。5Rヌシタの肩越しの右が効果的でバランスを崩しながらも手数の多いが、そこにマッキニーの右カウンターがヒット、しかしそこに切れ味鋭いヌシタの右が逆にカウンターとなり王者ダウン。6R回復力の速いマッキニーはインターバルでリフレッシュしたのか逆にこのラウンドを支配する、ヌシタはこの回もっと攻めたかった所だ。
7Rはジャブの突き合いに終始しヌシタの左眼もかなり腫れてきたが、プレッシャーをかけていたのはマッキニーだった。8Rヌシタがダックして放ったカウンターの左フックがヒットしてスタートする、未だ足が衰えていない様だったがマッキニーが強引にコーナーに詰めて集中打を浴びせると段々と追い詰められて出られなくなる場面も。9Rヌシタの生命線であるフットワークに頼れなくなるとマッキニーのパンチの餌食になって挑戦者はジリ貧となっていった。結局ヌシタはダウンを奪ったもののマッキニーのパワーに押され王座を奪い返す事は叶いませんでした。

No261 ファン・マルティン・”ラティゴ”・コッジ(亜)vsエデル・ゴンザレス(コロンビア) Ⅱ

2005年10月23日 11時51分01秒 | ボクシング
(WBA世界S・ライト級タイトルマッチ)
 稀に見る酷い地元裁定で終わった因縁の再戦はWBAの勧告で中立国(米国)での開催となった、当たり前田のクラッカーだっつうの。
 初回、第一戦で懲りたのかスタートは慎重な両選手だったが、コッジ得意の右手で頭を押さえて左アッパーを連発するとヒートアップするが、その中で放ったゴンザレス得意の右がカウンターとなって王者派手にダウン。2R夢よ再びの右狙いでジャブ等手数が少ないゴンザレスだったがダメージの完全に回復していないコッジは、その右にバランスを崩す場面も。
 3Rやっと動きに切れの戻ったコッジがラティゴな左アッパーでグラ付かせ得意の左連打から最後はアッパー気味の左ストレートでゴンザレスがダウン、その後もコンボからコッジのは珍しい右フックが決め手となって2度目のダウン、良く立ち上がるもフラつく挑戦者をみてレフェリー試合をストップ。
 前回の様なイカサマは無い物のダウンを奪い合うスリリングな展開を制したコッジですが、この頃は流石に打たれ脆さを隠せず今後の防衛戦に不安を残した一戦となりました。

No260 M・A・ゴンザレス(メキシコ)vs”ジャンパ”ジャン・バプティスト・メンディ(仏)

2005年10月22日 14時41分57秒 | ボクシング
(WBC世界ライト級タイトルマッチ)
 23歳で31戦全勝の王者に31歳ながらここ4年間無敗で2位のフランス人メンディが挑む一戦。
 初回サウスポーのスラリとした長身メンディが打ち下ろしの左を狙えばゴンザレスもサウスポーに対する左フックから右ストレートを合わせるが、メンディのプレッシャーが若干優る。2Rも序盤はメンディの長いリーチからの1・2がヒットしラッシュをかけるがゴンザレスも徐々に手数が増えてボディをめり込ませペースを掴み右フックが顔面にヒットするとメンディはロープに1回バウンドすて前からダイブする様な珍しい形のダウンを喫す。
 3Rペースアップのゴンザレスが前に出てボディを攻めるとメンディのフットワークが徐々に弱まり返すパンチも大振りでシャープさが無くなる。4Rメンディはセコンドに喚起されたのかジャブが出る様になりペースを取り戻すと終盤ゴンザレスをコーナーに詰めて連打し激しい打ち合いになると一転して王者がピンチに陥る。5Rゴンザレスはボディブローで立て直すとメンディはやはりボディが弱点なのか途端に動きが鈍くなり左右フックを顔面に受けるとダウン、立ち上がったメンディに左フックの連打を決めると今度は横倒しにダウンを決めレフェリーは試合ストップ。王者ゴンザレスが敵地で防衛となり連勝を伸ばしました。

No259 マイケル・”セカンド・トウ”・ナンvッスティーブ・”ライトニング”・リトル

2005年10月22日 10時09分25秒 | ボクシング
(WBA世界S・ミドル級タイトルマッチ)
近い将来でのナイジェル・ベン(英国)との統一戦に向けてロンドン子の前でいっちょ派手な花火を上げるべく行う肩慣らし的防衛戦は9位で小柄(リトル)な右ファイターのリトルが相手、挑戦者は15ヶ月振りの実戦で10cmの身長差も相まって予想は当然の事ながら左ボクサーの王者ナンが難(ナン)無く勝つだろうという声が多数を占めていた。ところが試合は初回から21勝13敗のリトルが42勝1敗のナンに行き成り接近戦を挑み引っ付いてのボディ連打から顔面への右フック・最後は返しの左フックでなんと王者からダウンを奪う、立ち上がった王者に追撃のラッシュをかけるリトルに対し突き放したいナンは中に入られ持て余しながらも何とかラウンド終了迄持ち堪える。結局稲妻(ライトニング)の様な一世一代の勝負を賭けたリトルの作戦が功を奏し最後までペースを奪えぬナンから見事王座を奪取しました。これだからボクシング観戦は止められない!