『医龍』 乃木坂太郎著(23巻続刊、小学館)
さて、先週、完結しました『医龍』
ドラマ化されてましたが、実は、ドラマは、一切見てません!!
つーか、見る必要があるのか??
この漫画の凄さは、ドラマでするにはかなり難しいと思うのですが。
『白い巨塔』より、性質が悪い人たちばかりだし。
最初の評判は悪くなかったみたいですけれど・・・。
でも、シリーズ化すればするほど、評価が下がっていくようで・・・何処も「相棒」のようにはいかんのですね。
そして、祝!!加藤、教授就任!!
これに尽きます。
『私はあの椅子(教授)にすわって、ここ(医局)を変えたいの!』
彼女の明確でかつ強い意思、そして明晰な頭脳、強かな工作。
加藤という女性を語るとき、何を言えばいいのか、と悩む部分もあるのですが・・・。
やっぱり、18巻に尽きる、と思います。
産婦人科の女医の妊娠。
教授の息子の妻の妊娠。
女性として『妊娠』というのは、仕事をしているとどうしても、難しい問題でもあるのです。
それはそれで、かなり変だと思うんだけれど・・・。
結婚して、子供が出来て、それを産み育てたい、というのは自然であるならば、それを『厄介』と思う、日本の制度はやっぱり歪があるとしかいいようがない。
仕事をやめて子供を生むか、それとも仕事のために子供を生むことを諦めるか、揺れ動く女医。
自分より何があっても子供を助けてくれ、という女性。
その両極端な女性たちを加藤は、全て救おうとする。
1人でも多くの人を救いたい。
薬で治せないのであれば、新しい術式を考えて少しでも治したい。
『そうでなければ、女を捨てた意味がない』
加藤の生き様に、思わず背筋が伸びる。
そして、加藤は、事故で肋骨が心臓にささった妊婦を助けるために、手術室に入る。
その女性は、嘗て加藤が付き合い結婚したいとまで考えた男性の、妻だった。
『あの人の子供を生みたいのね』
その言葉に、号泣しないでいられる女性がいるだろうか?(いや反語)
何度見ても、この二つのシーンは、涙なくしては読めません。
私は、加藤という女性がそれまで、ちょっとよくわからなかったんですね。
天才外科医浅田の前に、微妙にかすんでいたような感じで。
けれど、この姿を見たら、もう浅田はどーでもいいわ!となってしまいました・・・。
だって、浅田はある意味完璧すぎるからな。
突っ込みどころがない。
また、天才麻酔科医師・荒瀬。
そして、それ以上の才能をもちながらも、病に冒されたバウマン。
この二人の麻酔科医の苦悩、そしてそれからの復活。
医学というのは、多くの人々の命の犠牲と、様々な仕事を持つ人々の努力の上に成り立っているのだと、思います。
バウマンが荒瀬に
『君は後進を育てているのか?』
『早くからそれをしないと、いつまでも僕のように、愚かな天才を演じ続けなければならなくなる』
あぁ・・・痛い、胸が詰まる。
天才はいる。
けれど、その後進を育ててこそ、技術が生きる、多くの人たちが助かる。
バウマンの、悲痛な叫びが、また荒瀬を動かすのです。
この話はは、医局の権力闘争、歪み、全てを赤裸々に、描いています。
研修医の伊集院がその中で、揉まれ、扱かれ、揺れ動き、戸惑い、悩み・・・
それでも、何が患者さんにとって大切なことなのか、と考え、一歩一歩踏み出していく漫画でもあります。
医学漫画が結構あるのですが、この『医龍』は1人の医者にスポットを上げながら、他の医者の葛藤を描いた作品でもありました。
医学界の歪み、医師の不足。
今後多くのことが、患者になるであろう我々にかかわってきます。
変な医者も多いですが、大半の医者は、本当の患者のことを考えて、必死です。
世の中、患者様、と言いますけれど・・・正直、私は気持ちが悪い。
医者と患者は対等だとは思いませんから。
どー考えても、医者の方が知識があるし。
それを『消費』として考えているような気がしてならない。
対等ではないけれど、目指すところは一緒。
病気を治す、ということだけ。
だから、お医者様、患者様って気持ちが悪い。
医者と患者で、いいんじゃないか?
そのほうが、フラットに近づけるような、気もします。
医師を目指す方が、もしいらっしゃいましたら、是非『医龍』を読み、改めて医師とはなにか、と自身に問いかけてほしいです。
さて、先週、完結しました『医龍』
ドラマ化されてましたが、実は、ドラマは、一切見てません!!
つーか、見る必要があるのか??
この漫画の凄さは、ドラマでするにはかなり難しいと思うのですが。
『白い巨塔』より、性質が悪い人たちばかりだし。
最初の評判は悪くなかったみたいですけれど・・・。
でも、シリーズ化すればするほど、評価が下がっていくようで・・・何処も「相棒」のようにはいかんのですね。
そして、祝!!加藤、教授就任!!
これに尽きます。
『私はあの椅子(教授)にすわって、ここ(医局)を変えたいの!』
彼女の明確でかつ強い意思、そして明晰な頭脳、強かな工作。
加藤という女性を語るとき、何を言えばいいのか、と悩む部分もあるのですが・・・。
やっぱり、18巻に尽きる、と思います。
産婦人科の女医の妊娠。
教授の息子の妻の妊娠。
女性として『妊娠』というのは、仕事をしているとどうしても、難しい問題でもあるのです。
それはそれで、かなり変だと思うんだけれど・・・。
結婚して、子供が出来て、それを産み育てたい、というのは自然であるならば、それを『厄介』と思う、日本の制度はやっぱり歪があるとしかいいようがない。
仕事をやめて子供を生むか、それとも仕事のために子供を生むことを諦めるか、揺れ動く女医。
自分より何があっても子供を助けてくれ、という女性。
その両極端な女性たちを加藤は、全て救おうとする。
1人でも多くの人を救いたい。
薬で治せないのであれば、新しい術式を考えて少しでも治したい。
『そうでなければ、女を捨てた意味がない』
加藤の生き様に、思わず背筋が伸びる。
そして、加藤は、事故で肋骨が心臓にささった妊婦を助けるために、手術室に入る。
その女性は、嘗て加藤が付き合い結婚したいとまで考えた男性の、妻だった。
『あの人の子供を生みたいのね』
その言葉に、号泣しないでいられる女性がいるだろうか?(いや反語)
何度見ても、この二つのシーンは、涙なくしては読めません。
私は、加藤という女性がそれまで、ちょっとよくわからなかったんですね。
天才外科医浅田の前に、微妙にかすんでいたような感じで。
けれど、この姿を見たら、もう浅田はどーでもいいわ!となってしまいました・・・。
だって、浅田はある意味完璧すぎるからな。
突っ込みどころがない。
また、天才麻酔科医師・荒瀬。
そして、それ以上の才能をもちながらも、病に冒されたバウマン。
この二人の麻酔科医の苦悩、そしてそれからの復活。
医学というのは、多くの人々の命の犠牲と、様々な仕事を持つ人々の努力の上に成り立っているのだと、思います。
バウマンが荒瀬に
『君は後進を育てているのか?』
『早くからそれをしないと、いつまでも僕のように、愚かな天才を演じ続けなければならなくなる』
あぁ・・・痛い、胸が詰まる。
天才はいる。
けれど、その後進を育ててこそ、技術が生きる、多くの人たちが助かる。
バウマンの、悲痛な叫びが、また荒瀬を動かすのです。
この話はは、医局の権力闘争、歪み、全てを赤裸々に、描いています。
研修医の伊集院がその中で、揉まれ、扱かれ、揺れ動き、戸惑い、悩み・・・
それでも、何が患者さんにとって大切なことなのか、と考え、一歩一歩踏み出していく漫画でもあります。
医学漫画が結構あるのですが、この『医龍』は1人の医者にスポットを上げながら、他の医者の葛藤を描いた作品でもありました。
医学界の歪み、医師の不足。
今後多くのことが、患者になるであろう我々にかかわってきます。
変な医者も多いですが、大半の医者は、本当の患者のことを考えて、必死です。
世の中、患者様、と言いますけれど・・・正直、私は気持ちが悪い。
医者と患者は対等だとは思いませんから。
どー考えても、医者の方が知識があるし。
それを『消費』として考えているような気がしてならない。
対等ではないけれど、目指すところは一緒。
病気を治す、ということだけ。
だから、お医者様、患者様って気持ちが悪い。
医者と患者で、いいんじゃないか?
そのほうが、フラットに近づけるような、気もします。
医師を目指す方が、もしいらっしゃいましたら、是非『医龍』を読み、改めて医師とはなにか、と自身に問いかけてほしいです。