ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「ハート・ロッカー」

2010-03-08 04:17:02 | Weblog
                               「ハート・ロッカー」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・キャスリン・ビグロー                     公式サイト
脚本・マーク・ボール

この記事を今急いで書いております。

ただ今、3月8日の午前4時過ぎであります・・。
7日の最終上映を観てきました。「ハート・ロッカー」噂に違わずハードボイルドでした!!

アカデミー賞の授賞式が約5時間後にせまっております!

まるで自分が戦場にいるかのような緊迫感と、観ていて胸のあたりが焼けるような緊張感の連続・・!圧巻です!

あらすじ的には、2004年夏。イラク、バグダッド郊外で爆弾処理をしていたマット・トンプソン軍曹(ガイ・ピアース)率いるチームは、トンプソン軍曹の爆死という悲劇に直面した・・。

亡くなった軍曹の替わりにやってきたのが、ウィリアム二等軍曹(ジェレミー・レナー)であった。

このウィリアムが規則を守らない勝手なスタンド・プレーをする奴でしてな、同僚のJ.T.サンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)やオーウェン技術兵(ブライアン・ジェラティ)の言うことを聞かないんですな。
しかし爆弾処理に関しては、ウィリアムはすご腕なのですな・・。

映画はこのチームの爆弾処理に明け暮れる日常を、坦々と描きます。
観ているこっちまで、息苦しくなるような毎日です・・。

この作品の凄いところは、徹底したリアリティだと私は思います。
脚本のマーク・ボールはこの脚本を書くために、実際の戦場の爆弾処理班と同行したそうですな。

またこの作品の映像が、ハンディ・カメラを多用しているせいか、どことなく、ドキュメンタリー・タッチなのですな。
このカメラ・ワークが観ている者に“これ、本物じゃねぇの・・?”という錯覚すら与えるのです。

私はどちらかというと、時事に疎い(TVを見ないもので・・m(__)m)俗物なので、確固たる信念なり意見などは、もっていない人間なのですが・・。
この映画はアメリカ軍側から見たイラクの現状を描いており、アメリカ兵は“味方”、現地人の内テロや攻撃をしてくる人間を“敵”と、形式上はそのように描いてはいますが・・。
それは“爆弾処理班”の兵士を描く上での必然で、監督は“アメリカがいつも正義”というような思いは毛頭ないと、私はこの映画を観て感じました。

ただ、あのような灼熱の地で、毎日命をすり減らしながら爆弾処理を行っている兵士たちに、畏敬の念を表したかったのではないでしょうか・・。

ラスト近くで、アメリカに戻ったウィリアムが奥さんと子供と一緒にスパーマーケットで買い物しているシーン・・「シリアルを買っておいて」と頼まれたウィリアムが、棚一面に積み上げられている膨大な数のシリアルの箱を前にして、茫然と立ちすくんでいる姿が印象的でした。“末期的な資本主義大国、アメリカ”を、ウィリアムはそこに見たのではないかという気がします・・。

最後に、私がアカデミー会員だったら・・「ハート・ロッカー」に1票です(^^♪


ひきばっち的満足度★★★★☆

追記。アカデミー賞、作品賞、監督賞を含む6部門受賞、おめでとうございます。