山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

八幡平 山スキー・ボード登山 その2『何でもえーねん!』

2009年03月23日 | スキー登山

3月22日

Dc032318 2日目は、三石山・大松倉山へ出かけた。天気予報は午前中曇り、午後から雪マーク。昨日が良かっただけになおさら空が恨めしく思えた。
今回もクラシカルなルート。松川温泉から登る。

最初の短い急登、そして前をふさぐようなやせ尾根へが続く、ここは
意地を棄てスキーをはずしザックを板につけ15分ほど登る。


左手に迫る岩手山を横目にスキーのクライミングサポートを立て急登を乗り切る。

Dc032332しばらく尾根伝いに登ると、オオシラビソのゆるやかで広大な斜面でる。
登るというより、歩くように三石山荘へと向かう。
左手後方には岩手山、前方からは大松倉山の斜面や三石山が樹間から見え隠れする、右手には源太ヶ岳が広がり八幡平のイメージ通りの景色が楽しめる。
薪ストーブのある三石山山荘着く頃から、空が変わり始め、急いで三石山山頂へ向かう。
頂上に着く頃には天気も回復雄大な展望が開けた。
昨日から、眺めていた広大な斜面を思いっきり滑るどこまでターンしても終わらない斜面にびっくり。
続いて、大松倉山へと登り返す。大松倉山の長く緩やかな斜面も思いのほか楽しめ、松川温泉へと下った。Dc032336_2
2月からはじまった、『ハイグレード山スキー・ボードツアー』
今回で一区切りとなった。
毎回、場面に応じた、バックカントリーツアーの知識、技術、判断方法などを伝えてきた。
でもそのことばかりにとらわれてしまうと山の楽しさを忘れ、本質=山に“魅かれた最初の動機”を見失うような気がする。
確かに最低限必要な知識、技量はなくてはならない、でも『何でもえーねん!山を楽しもや。』と夕べはそんな話で盛りあがった、ペンション・アルペジオでの夜でした。

(アルペジオ=分散和音。その名のとおり、ある和音を分散して出す事で、メロディーに合わせた細かい表現やコードで弾くのとは違った音の深みを出す事ができる。

偶然なのか、今回のツアー締めくくりにふさわしい場面が松川温泉への降り口に待っていた。それは、斜度40度のルンゼ。ロープを出すべきか迷うような場所だったかもしれない。でも今シーズン共に行動した“チーム・ビバーク”は何のためらいもなく、横滑りを自由に操り無難にクリアー。

充実した山スキー・ボード登山に皆さん自然と笑みがこぼれていた。

  深みのある山登り、“アルペジオな山登り”へと一歩近づいたようだ。



八幡平 山スキー・ボード登山 その1『アルペジオな山登り!』

2009年03月23日 | スキー登山

3月20~22日

今回は春の連休を利用して八幡平エリアの山を滑るプラン。

20日夜に山形を出発。同じ会の先輩が営む、岩手安比高原にあるペンション アルペジオをベースに八幡平 裏岩手の山を登ってきた。
車で北緯40度線を越える頃には、一段と冷え込み、雪もちらつきはじめる。
1日目の、八幡平・源太ヶ岳の山登りに期待を込めながら、安比高原へ到着。

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源太ヶ岳へは、最近は下倉スキー場からの入山者が多いらしいが、登山を意識して松川温泉からクラシカルな山スキールートを選んで登ることにした。

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この源太ヶ岳直下の東斜面は、過去2回雪崩の悲劇が起きている。滑ると気持ちのよい斜面だが、気を引き締め、途中からスキーをデポし慎重にピークへ向かう。

下の画像は、昨年の源太ヶ岳の雪崩の様子。

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途中で、下倉スキー場から登ってきた地元の山ボーダーグループと遭遇。

彼らは、本日のファーストトラックを目指していたのだろうか、我々の前を足早に通り過ぎ去っていった。

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我々はのんびり頂上を目指し、今シーズン滑った秋田駒ケ岳、森吉山などの山々を眺めたり、明日の三石山の斜面にワクワクながら下山を開始。

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シラビソやぶなの林間は期待通りの雪に満足しながら、山スキー・ボード登山を楽しみ“アルペジオ”な気分で宿へ向かった。

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春待つ 森吉山

2009年03月23日 | スキー登山

3月19~20日

八幡平方面へ山の下見に出かた帰り、森吉山をもう一度訪ねてみたいなと、
寄り道をしてきた。Dc032304
シールをつけながら、頭の隅では2週間前のパウダーの映像がよぎっていた。期待はしていないと思いつつ・・・・!

                      






前日の雨と数日続いた暖気で2週間前とはすっかり景色が一変。Dc032305_2
雪も2m近く融けて、6月頃から見ごろになる高山植物の宝庫『花の名山』への準備が始まっていた。