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[non no / TRIPLANE] 傑作!これまでの彼ららしさ、新しいスケール感、北海道への強い思い

2015年03月31日 | ミスチル・レミオロメン好きにオススメ
TRIPLANEの6thフルアルバム『non no』のレビューです。
このバンドは大好きで、これまでいくつもアルバムレビューしてきたのですが、今作も素晴らしい出来だったので、ご紹介します。

non no (CD+DVD)
クリエーター情報なし
tearbridge

ちなみに、過去のレビューはコチラ。どのアルバムもオススメなので、併せてご覧ください。
[ココロ晴れたら / TRIPLANE] ミスチル好きに超オススメ!
[君に咲くうた / TRIPLANE] 珠玉の名曲が詰まった3rd
[リバーシブル / TRIPLANE] 過去最高の高度で飛行中!
[V / TRIPLANE] TRIPLANE版アトミックハート?吹っ切れた生身のトライプレイン
[Design / TRIPLANE] バンド感を一層強く押し出して、ネクストステージへ突き抜ける

本作は、2004年のメジャーデビューから10周年を経過し、11年目に突入した彼らのアニバーサリー的な作品となっています。まだ一般的に知名度が高いわけではないですが、2000年代前半デビュー組が次々と失速していく中で、ここまで活動を継続できていることは本当にすごいと思います。しかも彼らの軸は全くブレないまま、新たなチャレンジや、自分たちのやりたいこともしっかりやっているというところが毎回感心させられます。

前作『Design』で見せた攻めるTRIPLANEは「let us」「ゲルニカ」「HUTCH」で感じられます。言葉によるグルーヴ感が、これまでより増している感じがします。初期の頃はゆったりめのリズムが多く、エバーグリーン性が高く、ホッとする雰囲気の曲調が多かった彼らですが、近年はリズムの刻みがかなり細かくなってきたので、モダンさ/緊張感を感じる曲も増えてきました。特にメンバーたちも「HUTCH」は苦労したそうなので、そのあたりを感じながら聴くと面白いと思います。

これまでの彼ららしさという点では、「柊」「Jelly」「アングル」あたりでしょうか。特に「アングル」は「イチバンボシ」を彷彿させる超強力ナンバーだと思います。

特筆すべきは、トップを飾る「羽根」かと。これまでアルバムトップの曲はわかりやすい曲が多かったのですが、今回はちょっと一筋縄でいかない感じがしました。イントロの美しい雰囲気と、Aメロでグルーヴ感のあるロックサウンドの落差にまず驚くのと、サビの終わりの見えない広がり感、そして1番サビ終わりから2番へとつなぐ間奏のロック感と、1曲の中で目まぐるしく変わる曲展開がクセになります。特にスラップを多用した複雑なベースラインと、ボーカルのリズムがシンクロしている部分は必聴かと。

インターリュードを挟んだラスト2曲「EZO」「ノンノ」が、本作のハイライトなんでしょうね。ユーカラ、ウタリ、ノンノといったアイヌ語が登場彼らの出身地、北海道への望郷感に、彼らのこれまでの旅路と、これからの決意を重ね合わせたような詞世界が印象的で、ジワジワと感動が襲ってきます。

●TRIPLANE / ノンノ


アルバムとしては11曲とこじんまりとしていますが、聴けば聴くほど、それぞれの曲が代用の効かない存在感を放っています。R-1で優勝した、じゅんいちダビッドソンの言葉を借りると「メンバー全員の個人の能力、いわゆる、個を高める」ことができているアルバムだと思います(笑)
そういう意味で、彼らの傑作だなと個人的には感じています。
下記で全曲を試聴できるようなので、ぜひ聴いてみてください。

●TRIPLANE / 「nonno」アルバムトレーラー



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