DUMMY FAKE ROLLERS

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[風のクロマ / レミオロメン] 苦悩の道からたどり着いた決意表明

2008年12月02日 | ミスチル・レミオロメン好きにオススメ
前作のレビューで、レミオの本当の旅はここから始まる、と書きましたが、あれから2年半弱、レミオの旅は長かった。
長い長いインターバルの後、産み落とされた本作を一聴した感想は、「力強くて美しい」でした。

『ether』から、小林武史の煌びやかなアレンジにより、作風に変化が見られ、前作『HORIZON』は彼ら最大のヒット「粉雪」を含みながらも、その内容については大きな論議を巻き起こしました。正直、私も前作のレビューで"物足りなかった"と書いたのですが、今作はかなり好感を持ちました。サウンド的には、別に昔に戻ったわけではないですが、聴いていると情景が浮かんでくるような彼らの持ち味が復活していると思います。思わず"どうしちゃったの!?"と言いたくなった「明日に架ける橋」のように、妙に浮き足立った曲はありません。ご安心下さい(^^;

風のクロマ (初回限定盤)(DVD付)

ビクターエンタテインメント

力強くて美しい、そして深い

個人的には「翼」「リズム」「透明」「青春の光」が好きです。
特に、1曲目の「翼」の歌詞が素晴らしいです。「行けばわかるさ」「行き止まりまで行けば戻ると進むは同じ」「失敗や成功に振り回されるときは、最初の一歩目の純粋を思い出して」など、言葉自体は平易で、ありきたりなものなのですが、その歌いっぷりは妙に客観的で、何かを悟った感じがしました。また、迷いや、苦悩をテーマにした曲なのに、軽快で爽やかな曲調であるのも、吹っ切れたことの証なんでしょう。「粉雪」のビッグヒットにより、その後「粉雪」の影に追われながら、「アイランド」以降、長い長い苦悩の道を歩んで、迷いから抜け出そうとする彼らの強い決意を感じて、聴いてて泣けてきました。
「翼」、ぜひ聴いてみて下さい!

●翼 / レミオロメン


また、「翼」「もっと遠くへ」の2つの大きな核がガッチリとこのアルバムを支えている気がします。既発曲が多いですが、割とアルバムの内容になじんでいて、あまり気になりませんでした。本作中、最も美しさを放っている「Wonderful & Beautiful」の位置も絶妙だなと思いました。

昔のギターロック然としていたレミオにはもう戻れないと思いますが、本作で"この道を進んでいくんだ!"という決意を我々に提示してきたのではないでしょうか。J-POPファンも、J-ROCKファンも、彼らからのこのメッセージ、受け取るべきだと思います。

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