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経済と心の部屋

多田アソシエイツ 多田総合会計事務所

♪年金の「マクロ経済スライド」について

2011年11月02日 | 経済


<背高泡立草> せいたかあわだちそう ☆ 花言葉 ☆ 生命力、元気

最近、年金のスライドという言葉を聞くことが多くなってきました。政府が年金の支給額を、物価や年齢ごとの人口構成など、社会の変化に合わせて調整する仕組みです。例えば、物価が上がっても年金額が変わらなければ生活は苦しくなります。逆に物価が下がると、年金の実質的な価値は高まります。そのままですと、世の中の実態に合わなくなるので、毎年、物価の上下に合わせて翌年度の年金額を増やしたり、減らしたりすることを「物価スライド」といいます。一方で「マクロ経済スライス」とは、物価が上がると、物価スライドで年金も同じ率で増えますが、この増え幅から「0.9%分」を差し引いた額を実際の支給額とします。物価上昇率が0.9%以下の場合は支給額を据え置きます。物価が下がった場合には「マクロ」は実行せず、物価が動いた分だけ支給額を下げる仕組みです。
10年前に、物価が下がったのですが、年金受給者への影響を心配して物価スライドを適用しませんでした。このため、現在は想定よりも2.5%高く支給されていることになります。解決すべき矛盾が年金制度には多くあるように感じています。

♪新高齢者住宅の不安

2011年11月01日 | 経済


ペンタス ☆ 花言葉 ☆ 誠実 瑞々しい 清い お祝い

住み慣れた地域で、安心して老後を過ごす。------そのような狙いを込めて、新しい賃貸住宅の制度が始まりました。この制度に伴って、これまでの高齢者専用賃貸住宅制度は廃止されました。新制度を「サービス付き高齢者向け住宅」といいます。該当するマンションを建てたり改築する際に、今年度は325億円の補助金を国がつけます。税制や融資の優遇措置も設けています。旧制度との最大の違いは、日中にスタッフを常駐させ、少なくとも安否確認をして、生活相談にのるという「サービス」提供を義務づけたことです。42万人いる特別養護老人ホーム待機者の中で、要介護度が低いお年寄りの入居を想定して発足したものです。しかし、新制度の住宅は、そこに住めば介護が受けられる徳養などの施設とは違っています。介護は事業者と個別に契約しますので、現実には外付けの介護となります。寝たきりになっても、ずっと過ごせるようにするには、在宅介護の充実が不可欠です。人材の確保が難しい夜間を含め、施設と遜色ない安心感を訪問介護で実現するのは容易ではありません。現状で対応できるのは、一部の事業者に限られてしまいます。民間資本を活用しつつ、安心して暮らせる住宅と、施設に依存しない介護サービスを整備することは間違ってはいないと思います。しかし、私は個人的には、民間資本は補助金なしで運営できてこそ、事業として成立すると考えますので、制度絡みの助成金ビジネスはいずれ破綻するような気がします。国の財政赤字はこうした蓄積から生まれてきますので、民間資本は営利企業として、国家や制度から脱却すべきであると思います。依存型社会のつけは将来に大きく禍根を残していきます。

♪反応(REACT)と対応(RESPOND)

2011年10月22日 | 経済


<萩> はぎ ☆ 花言葉 ☆ 柔らかな心、誠実

自立した大人には、REACT(言われたことにそのまま反応)するのではなく、RESPOND(言われたことに左右されず、自分をしっかり持ちながらその場に適した対応)する行動が求められます。
「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣く。」
このような、共生の生き方こそが、社会においては最も大切な考え方だと私は考えます。
喜ぶ人に対して共に喜ぶだけが人間の反応ではありません。
「自分ばかり喜んで・・・」と、ねたみや怒りが湧くことがあります。
泣く人に対しても、共に泣いてあげられるだけが反応ではありません。
「いつまで泣いているの!」と怒ったり、瞬間的になだめたり、一緒に悲しむうちに、様々な反応が出てきます。

------その人の位置と同じところに立ち、その人と同じ視線で見る。
そこから「対応(RESPOND)」という本当の解決策が見えてきます。

------厳しい経済環境の中にあっても、共に喜ぶこと、リジョイス(REJOICE)を求める会計事務所でありたいと、いつも心に思っています。

♪社会病理の中で、同業者から羨望されるレイクと群がる卑しき法律家たち

2011年10月15日 | 経済


<薔薇> ばら(白)☆ 花言葉 ☆ 秘密、約束を守る

中堅消費者金融レイクが10月から、新生銀行傘下で金融事業を始めています。消費者金融業界では、改正貸金業法の施行で、総量規制などの“足かせ”をはめられた状態で事業を行わなければなりません。総量規制とは、年収の3分の1を超える貸付の禁止を意味しています。つまり大手金融業者で借金し、債務残高が年収の3分の1を超えると、追加の借金はどこの消費者金融でも法律で禁止されるという制度です。広告規制や収入のない専業主婦に対する貸し付け規制もあります。これに対して、レイクは新生銀行グループの新生フィナンシャルが運営し、改正貸金業法下で事業を行っていました。それが10月1日からは、銀行業法下での事業展開になりますから、規制の対象外となったのです。同業他社に対して、はるかに競争条件が有利になります。銀行業法下で当分レイクの攻勢が続きそうです。貸金業法は、多重債務者を増やさないために改正されました。しかし規制が強過ぎて、返済能力がある人に対しても貸せなくなったと指摘する声もあります。消費者金融各社は規制強化による足かせが重く、また過払い金返還もあり虫の息の業界になってしまいました。かつては株価が相当高く、私は株を買うのを躊躇した記憶があります。その後の過払い金を巡っては、制度に群がる寄生虫のような一部の法律家の姿を多く見てしまいました。債務者も法律家も、金に群がる卑しい生き方を改め、真に人間らしい生活を送るべきであると切に思います。お金をはじめ、依存型社会そのものが狂った社会病理です。・・・その病理を餌食にする一部の法律家の姿にも浅ましさを感じるのです。
お金に群がる寄生虫ではなく、もっと高潔な生き方を法律家の皆さんには望みます。

♪ふれあいは水割りの味

2011年10月08日 | 経済


<見せばや> ☆ 花言葉 ☆ 静穏を愛する、上品な別れ。

無縁社会に生きる人びとの絆をつなぐ・・・それがスナック。スナックはユニークな店舗形態です。フランスだとカフェ、イギリスならパブ、アメリカならバー。インテリアや、置いてある酒もどの店でも大差がありません。スナックは外から店の中が見えないことが多いので、入りにくく感じますが、その理由は「家」だからです。家族団らんの場所だから、外からは見えなくしています。家賃、光熱費、カラオケのリース料と酒の仕入れ代金だけあれば何とかなりますから、参入がしやすい業種です。食材にしましても、生ものをそんなに仕入れる必要はありません。3回も行けば常連になります。いわばもう一つの「家」が増えてくるのです。自分の家では妻も愚痴を聞いてくれないけれど、こっちの「家」では聞いてくれます。会社では上司と部下の板挟みになっていても、こっちでは仕事に関係のない話で盛り上がります。社会的な肩書きを捨てられる場所として、行きつけのスナックを2、3件軒もっていると、心の健康に大変良いそうです。そいう居場所のようです。ママさんからは、家族に言えない悩みや悪口を、「誰にも言わないよりここで言った方がいいよ」と勧められます。ここが家庭の足りない所を補って、その結果家族が上手くいくのです。スナックは今、日本の地域社会のコミュニティーを担っているようです。
私はそういう「家」が不要なものですから、自分の意思で行ったことがないのです。・・・