経済と心の部屋

多田アソシエイツ 多田総合会計事務所

♪対個人サービスの時代へ☆家事代行業

2011年12月25日 | 経済


ポインセチア ☆ 花言葉 ☆ 祝福する

テレビはわが家では映りませんが、新聞紙上では、TVドラマ「家政婦のミタ」が大人気の様子です。現実の世の中でも、家事代行サービスが爆発的な勢いで伸びるのではないかと各シンクタンクは予想しています。現在560億円の清掃専門サービスの市場は3360億円に、総合型の家事代行サービス市場は290億円から1720億円へと成長が予想されています。40歳代までの女性のうち、6割が家事代行サービスを使ってみたいと考えているようです。背景には、家事代行サービスを、仕事と家庭の両立を実現するための選択肢のひとつとして考えていることがあります。企業は法人契約を結んで、従業員の福利厚生サービスにしたいとの動きも見受けられます。ビックカメラは「家事玄人(カジクラウド)」という商品を扱っていますが、12,000円程度で7種類の用途があります。例えば「お掃除セレクトパック」。この箱の中に、申し込みチケットが入っています。自分で使うほか、贈答用にも用います。値段設定によっては、一気に市場が爆発的に拡大するかもしれない成長産業だと感じています。

♪「セレクトショップ」成長の理由

2011年12月14日 | 経済


アネモネ ☆ 花言葉 ☆ あなたを愛します。

アパレル業界が、長期縮小傾向を続ける中で、高いファッション性を掲げた「セレクトショップ」がじわじわと勢力を伸ばしてます。単なるインポートショップとは違い、オリジナル品も多数販売しているのが特徴で、その比率は60%近いショップもあります。セレクトショップとは、バイヤーの目利きによって世界中から仕入れたクオリティの高いブランド品と、オリジナル品を組み合わせて販売する店舗のことをいいます。価格は中価格帯といわれ、百貨店ほど高くなく、とはいえユニクロのようなSPA(製造小売)よりは高く設定しています。そのため、比較的景気の影響を受けにくい業態といわれています。業界最大手のユナイテッドアローズの成長と歩みを共にするように成長した業種です。いまや業界大手の5社で2000億円を超える市場にまで成長しました。利益の源泉はオリジナル品にあります。セレクトショップの業態では一般に、仕入れ品の原価率は50~70%であるのに対して、オリジナル品は30%程度です。好調の要因はその価格にもあります。ファッション性の高いものを割安に販売している理由は、大手アパレルが賃料が高い百貨店で販売しているのに対して、セレクトショップは路面店やショッピングセンターなどが中心です。このため、同じ原価のものを平均30%程度安く販売できます。いまでは30代を中心とした層にとってセレクトショップはすでに主要な選択肢となっています。この時代にあって、顧客の心を揺さぶっている理由は、まだまだ多くありそうです。

♪相手の気持ちを読み取る

2011年12月06日 | 経済


プリムラ ☆ 花言葉 ☆ 美の秘密、青春

不況になればなるほど、ユーザーは買い控えをするようになります。そうなると、これまで売れていたものが売れなくなり、営業成績は右肩下がりになっていきます。
そこで、何とか買ってもらおうと、ユーザーのところに電話をかけまくったり、何度も何度も通ったりする営業マンがいます。
しかし、そういう営業マンは、購入予定がないといっているユーザーの目には仕事熱心とは映らず、単にしつこい人ということになってしまうのです。
ビジネスには、相手の気持ちを読み、心証をよくする技術も必要で、そういうときには「売る」ことより、次の機会が来るまで、これまでの信頼関係を保つことに徹して、「何でも相談に応じますよ」というアプローチに切り替えることです。
武士道の心を伝える「葉隠」にも、「すべて人の不仕合せの時別けて立入り、見舞い、付届け仕るべきなり」と、そのような言葉が書かれています。
--人の不幸せのときこそ、とくに親身になって見舞ったり、必要なものを届けたりするべきだ--

♪富士フィルムの化粧品

2011年11月26日 | 経済


エーデルワイス ☆ 花言葉 ☆ 大切な思い出、純粋

富士フィルムの化粧品事業が好調です。同社の化粧品ブランド「アスタリスト」の専門店は、内外の高級ブランドがひしめく銀座に、今年9月に初めて店を構えて勝負を挑んでいます。「アスタリスト」は2007年の発売開始ですが、今では売上が15倍に伸びています。成功の理由は、40~50歳代の女性を中心に老化防止効果のあるスキンケア商品に絞ったことです。もともと、富士フィルムが化粧品に挑んだ理由は、デジタルカメラの普及で写真フィルムが売れなくなったことに起因します。フィルムの売上は実に10年前の1割に激減してしまいました。そして化粧品の躍進のカギは、写真フィルムで培った技術です。写真フィルムと皮膚の成分はどちらもコラーゲンです。写真の色あせを防ぐ技術は、老化やシミの原因になる活性酸素を抑える技術に活かせます。成分を肌になじませるため、粒子をナノサイズにして乳化させる技術も持っていました。これらの技術をつぎ込んだ新商品は、化粧品業界に新しい風を吹き込みました。国内の化粧品市場は2兆1800億円ですが、数年は横ばい状態です。富士フィルムの他に、大塚ホールディングス(ブランド名:インナーシングル)、サントリーホールディングス(エファージュ)、アサヒグループホールディングス(マレイアンナ)、ロート製薬「肌研(ハダラボ)」、味の素、ヤクルト本社、昭和電工、ニチレイ等の大手異業種が参入しています。医薬品のような長期の臨床試験の必要がなく、それほど大きな設備投資も不要ですから、大手が参入しやすい業種となっています。競争原理の中で、価格面も含めて、買う人が喜ぶ新しい価値の追求という企業活動の原点が、化粧品業界でも問われているのです。

♪ラノベ市場争奪

2011年11月24日 | 経済


えんどう ☆ 花言葉 ☆ 永遠の楽しみ、約束

成長を続ける若者小説「ライトノベル」の市場に、出版大手の講談社が12月から新規参入します。「ジャンプ」で知られる集英社とともに、強みの「マンガ」と連動し、シェアの過半を占める角川グループホールディングスに挑みます。
ライトノベルとは、若い世代向けに書かれた娯楽小説の名称です。主に文庫で出版されます。内容は多岐にわたり、部活動や生徒会といった学校生活を描く作品や魔法が登場するファンタジー、SF的な設定の作品もあります。5月に発売されました人気シリーズ「涼宮ハルヒ」の最新刊は、初版が前後編合わせて100万部を超えました。ライトノベル(ラノベ)はめざましい成長を遂げています。2009年の文庫全体の販売額は1332億円。このうち、ラノベは301億円と約2割にのぼっています。文庫全体の販売額が減少を続ける中、2004年から13.6%も伸びているのです。市場を狙い、講談社は12月、講談社ラノベを創刊します。特徴は「少年マガジン」などマンガを担当する部署に編集部を設けています。ラノベ市場は海外にも広がっています。近年、台湾や中国で「軽小説」として浸透しているのです。角川グループホールディングスは今年、中国人作家が登場する雑誌「天漫軽小説」を創刊しました。作家の「逆輸入」や「輸出」も視野に入れている様子です。ラノベ市場の争奪が始まっているのです。