経済と心の部屋

多田アソシエイツ 多田総合会計事務所

名優と人生♪

2013年08月31日 | 日記



有名な歌舞伎役者が「名優の条件」として、「1声、2振り、3男」と言っています。声(発声・台詞まわし)は、振り(姿・演技)や男(顔・容姿)よりも大切だという意味なのだです。女優・男優に限らず、魅力的な俳優の特徴は、内面から鍛えられた知性と精神、そして肉体とがしっかり調和していることです。与えられた才能をただ持っているだけではなく、それを感謝しつつ、日々の生活の中で整え、鍛えていく時に、その才能が、内面からにじみ出てくる魅力となり、その人自身を満たします。それぞれが、与えられた人生の名優として、「人生」という脚本を与えられています。折々の状況において、時に、主役ではなく脇役だとしても、その時ならではの、折にかなったインパクトを与える生き方したいものです。何よりも、与えられた状況、人生に満足できる生き方をするためには、どんなことも感謝して生きることだと思います。その生き方を通して、内面が鍛えられ、整えられ、精錬された「人生」という舞台で、それぞれの魅力が輝き出るのだと思います。

企業倫理♪

2013年08月30日 | 日記



企業の目的は契約に基づいた利益追求ですが、企業倫理とは企業活動上で最重要かつ守るべき基準となる考え方のことです。守るべき基準としては、法令遵守はもちろん、自然環境や社会環境、人権保護といった道徳的観点から企業活動を規定し、組織として統率する考え方、仕組み、組織づくり、運用方法を含めた考え方が必要です。日本では企業倫理=法令遵守(コンプライアンス)と取られることもありますが、むしろ法令だけではカバーできない領域を規定することも重要です。自社自ら企業理念や行動指針などで自社としての倫理感、判断基準となる価値観を明確に定義することが必要であり、一方でステークホルダーとの信認関係での権利と義務を明確にすることも重要です。経営者は、1人の時間を作り、自ら行った意思決定を振り返ること、先人の思想や論語等の古典に触れること、そして自らの倫理観を従業員に伝えていくことが求められます。従業員や利害関係者に対して、自分の言葉で正しい倫理観を伝えていくことで、健全な社風や風通しの良い組織が形成されます。やっと週末になりました。

有意義な人生♪

2013年08月29日 | 日記



用いることを忘れて、集めることだけが、人生の目的になっていることがあります。たとえばお金、肩書き、資格などを集めて、自分の周りにあると何となく安心する人・・・。集めることは決して悪いことではありませんが、その動機が「自分の自信の無さ」をごまかすためであったとしたら残念です。それはきりのない世界だからです。水は停止していると、時間と共に腐りますが、動いていれば何年も腐りません。船に積んでいる水は何年でも飲料可能であるように、いつも、この時、この状況で自分にできることは何かを考えつつ、自分を存分に用いる時、人生は無尽蔵となります。人生を有意義に用いたいものです。

苦しみに出会ったときこそ♪

2013年08月28日 | 日記



「人間には喜びの感覚だけを運ぶ神経細胞はない―自然はそんなに気前よくない。喜びを経験するためには、痛みや感触、熱さや冷たさという感覚を伝える神経細胞を『借用する』のである」。・・・・苦しみを感じることなく、喜びだけ感じて生きることができたならなんと楽な人生でしょうか。現代は、苦しみを経験しないように生きることが、良いことであるかのような風潮があります。この風潮を「無痛文化」と言います。なるべく苦労を避けて楽な方に逃げたくなる誘惑に、現代人は常に駆られています。しかし、苦しみを避ければ避けるほど、喜びもまた反比例するかのように遠ざかっていくものです。しっかり人生の苦しみを味わって生きるとき、私たちは同時に人生を喜ぶ心の筋肉が培われるのです。苦しみをしっかりと味わうことができる人のみが、人生の真の喜びをしっかり味わうことができます。苦しみを避け、楽しみだけを追い求める生き方は結果的に、人生の真の喜びから自分自身を遠ざけていることになります。苦しみに出会ったときこそ、喜ぶ能力が培われる最高のチャンスです。

金は天下の回り物♪

2013年08月27日 | 日記



付加価値額を労働者数で割ったものが労働生産性です。つまり、労働生産性とは、労働者1人当たりのアウトプットのことです。労働生産性を上げるには、分子である付加価値額をブランド向上などの努力で増やすか、分母である労働者の数を機械化などで減らすという方法があります。前者は容易ではありませんから、結果的に、「生産性を向上させる」=「人員削減を進める」という単線的な考え方が広まってしまいました。付加価値額とは、企業の利益に加え、企業が事業で使ったコストの一部を足したものです。企業の利益が高まれば付加価値額は増えますが、最終的に収支がトントンでも、途中で「地元」に落ちる人件費や貸借料などのコストが多ければ、付加価値額は増えます。なぜ利益だけでなく、地元に落ちるコストも付加価値に算入するのかといえば、地域経済全体で見た時に大きなプラスになるからです。地域経済が元気になれば、結局巡り巡って自分の業績も伸びる。江戸時代の商売人は直感的にこのことがわかっていて「金は天下の回り物」と言いました。自分が使ったお金は誰かの儲けに回り、その儲けがお金として誰かに使われることで、自分の儲けに戻ってくる。これこそが、「経済感覚」なのです。江戸時代の日本人も、付加価値の定義を考えた西洋人と同じ経済感覚をもっていたようです。もちろん、付加価値は、顧客満足度の表れでもあります。