「ミャンマーで少数民族と国軍が交戦」という記事を読んで、インドシナ地域各地の少数民族のことを思い出した。
ミャンマーについては不勉強で、詳しいことは殆ど知りません。
●タイ
タイへ行った時、タイ・ミャンマー・ラオスの国境地帯、いわゆるゴールデントライアングルと呼ばれる地域のメコン川の観光船に乗った。「おー、これが3国を分けている川か」
3国の中ではタイが最も発展しており、ラオス側では子供と水牛が川で遊んでいて、ミャンマー側ではカジノの建設がすすんでいたが、民家のトイレは川にはり出した小屋だった。
ラオスとの国境ゲートがある小さな町に行った時、赤ちゃんを抱いた若い女性が物乞いをしてきたのだけれど、彼女が肩からかけていたバッグが、私の持っているものと同じだったのでビックリ。
それは母が雲南省でお土産に買ってきてくれたバッグと同じだったのです。
それではじめて、頭の中で地図がつながった感じがしました。
タイの別の国境近くの町では、文化大革命の時に中国から逃れてきた中国人が集落をつくっていました。
タイでは少数民族の村が観光資源になっていて、ちょっと違和感がありました。
バンコクから同行したタイ人のガイドは、チェンマイ出身で、「自分はタイ人だとは思っていない。私はチェンマイ人だ」と言いました。
●ベトナム
ベトナムにも少数民族がいます。ベトナムでは国境地帯へ行かなかったのですが、ベトナム人が言うには、国境線は自分たちが引いたものではない。インドシナ半島を占領した西洋人が勝手に引いたんだ・・・と。
●中国・雲南省
ここは少数民族が大半を占める省です。
中国では独自の言語と文化を持つ民族のことを「少数民族」と定義しているそうです。
雲南で実感したのは、川の偉大さです。雲南省の北部を流れる金沙江は長江の上流にあたり、この川を通じて長江流域との交易が盛んだったことが、雲南省が中国であることに大きく影響しているということです。
雲南省からベトナム側へ流れていく川もありますが、そこには経済的に大きい交易が少なかったのでしょう。雲南と南部の交易に関しては「茶馬街道」という陸路の方が有名です。
茶馬街道の研究は日本で進んでいて、日本には優れた研究書も沢山あると聞いたので、日本でその手の本を探しましたが、案外見つからず、まだ読めていません。
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独自の言語や文化を持つ人たちが、その文化を守れないのは悲しいこと。
共生できるうまいやり方を互いに見つけ出さないと・・・。とは思うものの、今は何もなすすべのない自分です。
これらに関してこれまで読んだ本は、ユダヤ人に関する本は10冊位。『ダライラマ自伝』『イシ-最後の北米インディアン』。
野中広務&辛淑玉共著『差別と日本人』は先週読んだ。
小説では今更ながら島崎藤村『破戒』を今年。姜尚中『在日』も最近。
どれも読むべき本だと思う。8月には古代ギリシャやオスマントルコについても読んだけど、いつも、どこでも民族問題は付きまとう。国家というものがある以上、民族問題は存在するのかな?悲しい。
ロマ、いわゆるジプシーの歴史とか、ユダヤ問題、アボリジニ、最近では朝鮮半島と日本の関係の本を沢山読んだし。
独自の言語や文化を大切にすることは認められるべきことと思います。文化はだいたい地勢に根ざして合理的にできている場合が多いように思います。だから民族移動がおこって住む土地が変われば必要に応じて文化も変わる。
問題は言語です。言語はコミュニケーションにかかわってくるので、勢力の強い方に同化せざるを得なくなる。
同化をこばむと、有利な職業に就けなくなり、結果として貧しい生活に甘んじることになり、差別も生じる。
でも自民族の言語を使いたいに決まってる。
ユダヤの場合は少し傾向がちがいますが・・。