旅するはらっぱ~日々旅日記

from HP 「旅するはらっぱ」


各地の各智を旅する、

はらみづほの旅日記です。

●ちゃいはな後の旅 ② 「自然」 について

2011年10月29日 | さっぽろ旅
①のつづきを綴ります。



●ちゃいはな に戻った夜、ダイちゃんは久々の私と、
キッチンでしばしゆっくり語り合う時間を持ってくれました。

いろんな話をしましたが、
そのうちの1つを、皆さんにもお伝えします。

それは、私の心に引っかかっていた心配事についてでした。

一回りくらい年下のいとこの結婚式で親戚が集まった食事の席で、
私が未婚であることを勝手に哀れむ空気が
おじちゃんや おばちゃんたちの間に満ち、

「みづほの相手になりそうなオトコは披露宴会場にいなかったか」

とか、

「Kくん(結婚したいとこ)に誰か紹介してもらったらいい」

などと一方的に言われ、
私は自分の自由や個性を尊重されていないと感じ、
悪気のない肉親たちの勝手な同情にガックリ来てしまったのですが

(私は今じゅうぶん幸せなので、結婚願望は特にないのです)、

そのときハタと、
ちゃいはなの大家さん(おじさん)にご挨拶した時

「いい年した独身女がこんなとこに転がり込んで、何しようってんだ?」

と言わんばかりの いぶかしげな目で見られたことを思い出し、

「独身オンナの私が ちゃいはなにいることで、
 ダイちゃんファミリーが ご近所や親戚から
 変な目で見られてるんじゃなかろうか……」

「来年もここで2学期のレッスンを受けていいのだろうか……?」

「やっぱり未婚オンナが田舎で暮らすのは
 ムリなんじゃなかろうか……?」


……と、ネガティヴシンキングがムクムクとふくらんで、
心が重~くなり、それ以来なんだかモンモンとしていたのです。

最初はダイちゃんにこのモンモンを打ち明ける気など
毛頭なかったのですが、
“この1ヶ月のできごと” を話しているうちに、
ノドに詰まった餅をズルズルズル~っと吐き出すかのように、
思わず激白していたのでした(笑)。

思えば私の心の中にはずっと、
“田舎では、常識的でないヨソモノはつまはじきにされる”
というような印象があって、
田舎に住みたいけれど偏見がコワイ、
という気持ちがあったのです。


するとダイちゃんは なかば呆れ顔でこう言いました。

「そんなの全然気にしなくていいよ!
 そりゃー親戚パワーにヤラレたんだな~(笑)

 大家さんは最初はオレにもすごくそっけなくて冷たかったんだ。
 田舎の人は、そんなもんだって。

 ただぶっきらぼうなだけで、
 別にみづほのことどうのこうの思ったりしてないって。

 オレたちだってここに住み始めた頃は変人だと思われてたし、
 ここで7年やってきて、ちっかの学校行事とかで
 地元の人たちと交流するようになってきて、
 やっと少しずつわかってもらえるようになってきたんだ。

 それに、周りにどう思われようといいじゃん。
 
 俺たちがやろうとしてることの方が、もっとずっと大事でしょ。


 世界中で悲惨な現実を見てきたからこそ、
 この世の中に自給自足の素晴らしさを発信するために
 このプロジェクトを始めたんだから。

 それに比べたら、近所の目なんてどうでもいいよ。

 パレスチナとか フクシマの現実を見て、
 どうにかしなきゃって思ったから始めたんでしょ。


 俺たちが思ってることをここでどんどんやって発信していけば、
 だんだん人も集まってくるだろうし、近所にもわかるときが来る。

 ケイコだって子育てが一息ついたら店に戻ってくるし、
 ケイコがやりたいって言ってるヨガ教室とかもやれば、
 俺たちのプロジェクトのスタッフが増えることにもなる。

 近所の目なんか気にしてるヒマないよ。
 もっと大事なことしてるんだから、どんどんやろう!」


ダイちゃんのキッパリとした明るい口調に
体の力が スーッ と抜けていき、
いつのまにか涙がこみ上げていました。

そうだった!
本質を見失ってた!


自分のちっぽけなグルグルにとらわれて、
何のためにやってるのかがスッ飛んじゃってた!


泣きながら恥ずかしくなったけど、
心の中に太陽が戻ってきたのを感じました。

あー 大丈夫なんだ って。
ワタシ、一人じゃないんだなー って。

と同時に、

無意識のうちに、
独身でいることに引け目を感じていた自分にも気づきました。

もうあんまり怖いものなんてなくなったと思ってたのに、
実際私にはまだまだ、他人の目を気にしてしまう
ちっぽけで弱っちいとこも残ってるんだな~ って(笑)。

そんな自分にちょっとビックリしたけれど、
それでいいんだな、って思えた。


ありのままの私でいいんだな
、って。

そう思えた自分が嬉しかった。
昔はちっぽけでカッコ悪い自分を肯定することができなくて、

こんなこと思っちゃダメだ、とか、
もっとがんばらなくちゃ、とか、
いつもいつも自分に “ねばならない” のカセをはめ、
“ありのままの自分” ではなく、“理想の自分” を生きようとしてた。

でも今は、全然そう思ってない。

このまんまの自分でいいんだな~
私がダメな分は、ちゃんと周りの人々が
助けて支えてくれるんだな~って、
あけっぴろげて、自然の流れにホヨ~ンと自分を預けてられてる。

私、新しくなったんだな~ って感じて、
目の前にいるダイちゃんに、今まで出逢ってきた人々に、
そして、いつも私を大きな安らぎで包んでくれている自然界に、
ありがとう って、心から思いました。

思えば私は今までずっと、そうやっていろんな人やモノゴトに
助けられ、支えられ、未知の自分を気づかされ、
今日まで生きて来たんだと思います。

ほんとうに、感謝(涙)。

みんなが “ねばならない” から解放されて、
自分と 相手と 自然のめぐり合わせを信頼し、
日々訪れる一期一会に ありのままの自分を開くことができる世の中
を、
きっと 「平和」 と呼ぶのでしょう。

お天気や、月の満ち欠けや、季節のめぐりに暮らしの基本を預け、
自然の采配に生かされている自分を毎日感じる
自然の中での生活
こそが、
それを一番ダイレクトに体得する方法な気がするけれど、

これからは、この夏ちゃいはなで自然を体感した私自身が
「自然の分身としての自分」 となって、
どんな日常の中にも、「自然」 を発揮していこう
 と思います。



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