旅するはらっぱ~日々旅日記

from HP 「旅するはらっぱ」


各地の各智を旅する、

はらみづほの旅日記です。

●ちゃいはな後の旅 ② 「自然」 について

2011年10月29日 | さっぽろ旅
①のつづきを綴ります。



●ちゃいはな に戻った夜、ダイちゃんは久々の私と、
キッチンでしばしゆっくり語り合う時間を持ってくれました。

いろんな話をしましたが、
そのうちの1つを、皆さんにもお伝えします。

それは、私の心に引っかかっていた心配事についてでした。

一回りくらい年下のいとこの結婚式で親戚が集まった食事の席で、
私が未婚であることを勝手に哀れむ空気が
おじちゃんや おばちゃんたちの間に満ち、

「みづほの相手になりそうなオトコは披露宴会場にいなかったか」

とか、

「Kくん(結婚したいとこ)に誰か紹介してもらったらいい」

などと一方的に言われ、
私は自分の自由や個性を尊重されていないと感じ、
悪気のない肉親たちの勝手な同情にガックリ来てしまったのですが

(私は今じゅうぶん幸せなので、結婚願望は特にないのです)、

そのときハタと、
ちゃいはなの大家さん(おじさん)にご挨拶した時

「いい年した独身女がこんなとこに転がり込んで、何しようってんだ?」

と言わんばかりの いぶかしげな目で見られたことを思い出し、

「独身オンナの私が ちゃいはなにいることで、
 ダイちゃんファミリーが ご近所や親戚から
 変な目で見られてるんじゃなかろうか……」

「来年もここで2学期のレッスンを受けていいのだろうか……?」

「やっぱり未婚オンナが田舎で暮らすのは
 ムリなんじゃなかろうか……?」


……と、ネガティヴシンキングがムクムクとふくらんで、
心が重~くなり、それ以来なんだかモンモンとしていたのです。

最初はダイちゃんにこのモンモンを打ち明ける気など
毛頭なかったのですが、
“この1ヶ月のできごと” を話しているうちに、
ノドに詰まった餅をズルズルズル~っと吐き出すかのように、
思わず激白していたのでした(笑)。

思えば私の心の中にはずっと、
“田舎では、常識的でないヨソモノはつまはじきにされる”
というような印象があって、
田舎に住みたいけれど偏見がコワイ、
という気持ちがあったのです。


するとダイちゃんは なかば呆れ顔でこう言いました。

「そんなの全然気にしなくていいよ!
 そりゃー親戚パワーにヤラレたんだな~(笑)

 大家さんは最初はオレにもすごくそっけなくて冷たかったんだ。
 田舎の人は、そんなもんだって。

 ただぶっきらぼうなだけで、
 別にみづほのことどうのこうの思ったりしてないって。

 オレたちだってここに住み始めた頃は変人だと思われてたし、
 ここで7年やってきて、ちっかの学校行事とかで
 地元の人たちと交流するようになってきて、
 やっと少しずつわかってもらえるようになってきたんだ。

 それに、周りにどう思われようといいじゃん。
 
 俺たちがやろうとしてることの方が、もっとずっと大事でしょ。


 世界中で悲惨な現実を見てきたからこそ、
 この世の中に自給自足の素晴らしさを発信するために
 このプロジェクトを始めたんだから。

 それに比べたら、近所の目なんてどうでもいいよ。

 パレスチナとか フクシマの現実を見て、
 どうにかしなきゃって思ったから始めたんでしょ。


 俺たちが思ってることをここでどんどんやって発信していけば、
 だんだん人も集まってくるだろうし、近所にもわかるときが来る。

 ケイコだって子育てが一息ついたら店に戻ってくるし、
 ケイコがやりたいって言ってるヨガ教室とかもやれば、
 俺たちのプロジェクトのスタッフが増えることにもなる。

 近所の目なんか気にしてるヒマないよ。
 もっと大事なことしてるんだから、どんどんやろう!」


ダイちゃんのキッパリとした明るい口調に
体の力が スーッ と抜けていき、
いつのまにか涙がこみ上げていました。

そうだった!
本質を見失ってた!


自分のちっぽけなグルグルにとらわれて、
何のためにやってるのかがスッ飛んじゃってた!


泣きながら恥ずかしくなったけど、
心の中に太陽が戻ってきたのを感じました。

あー 大丈夫なんだ って。
ワタシ、一人じゃないんだなー って。

と同時に、

無意識のうちに、
独身でいることに引け目を感じていた自分にも気づきました。

もうあんまり怖いものなんてなくなったと思ってたのに、
実際私にはまだまだ、他人の目を気にしてしまう
ちっぽけで弱っちいとこも残ってるんだな~ って(笑)。

そんな自分にちょっとビックリしたけれど、
それでいいんだな、って思えた。


ありのままの私でいいんだな
、って。

そう思えた自分が嬉しかった。
昔はちっぽけでカッコ悪い自分を肯定することができなくて、

こんなこと思っちゃダメだ、とか、
もっとがんばらなくちゃ、とか、
いつもいつも自分に “ねばならない” のカセをはめ、
“ありのままの自分” ではなく、“理想の自分” を生きようとしてた。

でも今は、全然そう思ってない。

このまんまの自分でいいんだな~
私がダメな分は、ちゃんと周りの人々が
助けて支えてくれるんだな~って、
あけっぴろげて、自然の流れにホヨ~ンと自分を預けてられてる。

私、新しくなったんだな~ って感じて、
目の前にいるダイちゃんに、今まで出逢ってきた人々に、
そして、いつも私を大きな安らぎで包んでくれている自然界に、
ありがとう って、心から思いました。

思えば私は今までずっと、そうやっていろんな人やモノゴトに
助けられ、支えられ、未知の自分を気づかされ、
今日まで生きて来たんだと思います。

ほんとうに、感謝(涙)。

みんなが “ねばならない” から解放されて、
自分と 相手と 自然のめぐり合わせを信頼し、
日々訪れる一期一会に ありのままの自分を開くことができる世の中
を、
きっと 「平和」 と呼ぶのでしょう。

お天気や、月の満ち欠けや、季節のめぐりに暮らしの基本を預け、
自然の采配に生かされている自分を毎日感じる
自然の中での生活
こそが、
それを一番ダイレクトに体得する方法な気がするけれど、

これからは、この夏ちゃいはなで自然を体感した私自身が
「自然の分身としての自分」 となって、
どんな日常の中にも、「自然」 を発揮していこう
 と思います。



●ちゃいはな後の旅 ① 廃材ハウス・メッセージ

2011年10月28日 | さっぽろ旅
長らくごぶさた、失礼しました。

ちゃいはな後、
札幌~富良野~下川町~東京~埼玉~洞爺湖……と、
仕事と用事でめまぐるしく動きつつ、
心身ともに書くモードになれず、
しばし自分との対話の日々を過ごしていました。

仕事、旧友との再会、いとこの結婚式、親戚との交流、帰省……

訪れては過ぎてゆく様々な場面を体験しながら、
その体験に応じて湧き上がってくる自分の気持ちと、
静かに向き合っていました。


そんな中で、以前から決めておいた、
ちゃいはなに荷物を取りに行く日がやってきました。

自給自足レッスンを始めるために運んだ荷物の
5分の1くらいの量でしたが、札幌での冬ごもりに必要な物を、
ダイちゃんの車で運んでもらう約束をしていたのです。


●約1ヶ月ぶりの ちゃいはなは、すっかり晩秋モード










ガラガラガラ……と懐かしい引き戸を開けると、
薪ストーブのいい匂いが 「お帰り」 と迎えてくれました。



「廃材ハウス、けっこう進んでるから楽しみにしてて」

というダイちゃんからのメールにワクワクしていた私。

廃材ハウスへの道には、
まるで ちゃいはなガーデンの精霊たちが
この日のために演出してくれていたかのように、
もみじの絨毯 が敷かれていました。





“もみじの小路” を抜けると、
向こうに、以前とは見違える姿の 廃材ハウスが……!



うわ~! 窓も付いてる! 壁もできてる!


ひゃ~! 近所の廃屋からもらってきた窓が、
こんなにカッコよく生き返ってる! 

この板のつけ方、富良野の「アムプリン」で見た
ミノムシハウスの外壁に似てる!
これなら雨も雪も入り込まないね!

この板材は、瀬田名に住んでるダイちゃんのお父さん
地元の廃屋からもらってきてくれたんだそうな。
ありがたいなぁ……!


ナルホド~ 古畳を断熱に使ったのね~!
畳以外の部分は、廃材ダンボールで断熱するんだよね。
(うまく行くかわからないけど、やってみるのです)

夏いっしょに洞爺湖で洗ったビニールシートが、
屋根だけじゃなく、ちゃんと壁にも生かされてる~!

柱の文字は、夏に 「暦のワークショップ」 をやったとき
みんなが書いてくれたメッセージ。懐かしいなぁ……!


参加してくれた東北のお母さんたち、どうしてるかなぁ……


窓付けるの、すごく大変だったー!
 廃材だから、窓と窓枠が合わなくてさー!
 左手で窓枠持って、右手でゲンノウ(トンカチ)持って、
 口にクギくわえて、あークギ落っことしちゃったー!ってなったら、
 また窓枠とか全部置いてクギ取りに行って……」


……と苦労話をしてくれながらも、どこか楽し気なダイちゃん(笑)。

いや~ でも、一人でここまで作ったなんてスゴすぎる!

窓枠押さえ係としてだけでも、
私がいてあげられれば だいぶラクチンだったろうに……
独りでやらせちゃって、すまなかったなぁ……

だけどそんなだったとは思いもよらんくらい
ピシッと付いてて、すごいなぁ~!!!

私が札幌に戻ったあとも、一人で着々と進めてくれてたんだなぁ……

屋根と半分の壁が付いただけなのに、
なんかここ、すでにあったかい。

ほとんど全部廃材で、こんな家が作れちゃうなんて……

模索しつつも楽しみながら作ってる気配がそこここに感じられて、
一度打ち捨てられてたモノたちが各所でしっかり活かされてて、
なんか、材たちが喜んでる感じがする。

家って、これでいいんだなぁ……

新品の材じゃなくっても、
本業の大工さんじゃなくっても、
ヤル気と、ある程度の経験や技術と、
創意工夫のチカラと、人々とのつながり
 があれば、
夢って、実現するんだね!

きっかけは私の提案だったけど、これはまぎれもなく、
ダイちゃんの技と心が注ぎ込まれた、ダイちゃんの手仕事

私の夢とダイちゃんの技と心が融合した、“暮らせるART作品” だね。

昔、フランスの田舎で シュヴァルさんが
地元の石を集めて 「シュヴァルの理想宮」 を作ったように、
ダイちゃんが地元の廃材を集めて作ってくれている
「私たちの理想宮」 の一例なんだ。

この廃材ハウスは私にとって、

捨てられ、殺されかかっていたモノたちが、
息を吹き返し、個々の性質を発揮し、互いに組み合わさりながら、
それぞれのいのちを 共に輝かせる場


なんだな……と、
作り途中の風景を見渡しながら、しみじみと思いました。

そして、いずれ この空間に
ひととき住まわせてもらうことになるであろう私の仕事は、

この廃材ハウスと、
それを包み込む自然の営みが教えてくれることを、
日々感じ取り、言葉にして伝え広めていくこと


なんだな……と。




来年、この家のルックスがどのようにステキに変化してゆくか、
みなさんどうぞ、お楽しみに♪


(ちゃいはな後の旅 ② につづく……)




●自給自足レッスン 25 「心の言葉」

2011年10月12日 | さっぽろ旅
長らくごぶさた、ごめんなさい……!

札幌に戻ってから、
洞爺湖ライフの10倍速で毎日が過ぎている私です。

バタバタと過ごしつつも、
ちゃいはなの日々を毎日愛しく思い出しています。

秋も深まってきて、写真のころとは、
景色もだいぶ変わったかなぁ……







ちゃいはな一家も、廃材ハウスも、畑のみんなも、
鶏夫妻も、トリちゃんも、みんな元気かなぁ……























秋はことさら催し(私の場合、仕事も催しの一種なので)
が多いため、毎日いろんな人に会い、
イロイロなことが心と頭を移ろっていきますが、
やはり書こうと思っていたことを一つずつ、
地道にアップしていくことにします(笑)。

●私がちゃいはなを離れる少し前、
言葉が不得意と言っていたダイちゃんが、

「原稿書いたわ」

と言って、以下の文章を手渡してくれました。

友人が関わるミニコミ紙のインタビューを一緒に受けたことや、
言葉の仕事をしている私の影響もあるのかな、と感じ、
ビックリして、とても嬉しかった。

彼の文章はシンプルで、必要なことだけが簡潔に書かれていて、
本人そっくりだと感じました(笑)

「ブログに載せていいよ」

と言われていたのに、すっかり遅くなってしまってゴメンね…!

前置きはこのくらいにして、
彼の文章を、そのまま皆さんに届けます。

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

≪つれづれに語る原瑞穂のプロジェクト≫ 
ちゃいはなDAI

★日本の蛇口

先日、頼まれて水道の蛇口を直した。

クイッと上や下にすると水量調節、
右や左にひねると温度の調節までできてしまう
最近よくあるあの便利なタイプ。

分解して調べてみるとわずか1MMくらいの亀裂を発見。
そこから水漏れがしている。

構造も部品もとても複雑で、ちょっと壊れただけでもう全てダメ。
それだけで部品全部取り替えで2万円也。
わずか1MMの亀裂のために2万円。もったいない。

そのお金を得るためにあくせく仕事。

それよりもちょっとだけ不便だけど、
古いのを使えば格段に安いし、直すのも簡単でずっと使える。

便利=お金かかる=あくせく仕事、というよりも、
ちょっと不便=お金がかからない=自由な時間がある、
という方がいいのではないだろうか?

生きるために働いてるはずが、
働くために生きてはいないだろうか?


今の世の中は、
こんなことがすっかりわからなくなってるような気がする。

一方、こないだ行った貧しいインドの田舎では、
何もない質素な暮らしだけど、
ゆっくりしていて気持ちに余裕があり笑顔が多い。

物質的には貧しいけれど、心はとても豊かだ。



★旅のころ

僕は74年に北海道の田舎町で生まれ育った。

札幌の大学を出ても普通に働く気などなれず、
つまらない日本の世の中を捨てて旅に出ることにした。

持っている物を全て売り払い、アパートも引き払い、
住所も電話も全部捨てた。

どうしても捨てられない写真と、ちょっとの着替え、パスポート、
お金の入ったバックパックを背負って、片道の航空券を買って日本を出た。

世界を見たかったし、
どこかいい所があればずっとそこに住むつもりで旅立った。

平凡で退屈な人生よりも、
貧乏でも波乱万丈でわくわくしながら生きたかった。

いろんな国でいろんなことをしながら、
結局、世界一周日本各地を5年くらい転々と渡り歩いた。

銃を向けられたり、乗る予定だった列車がテロで爆破されたり、
人種差別で仕事をクビになったり、いろんな目にあいながらも、
その土地の暮らしや人々との出会いを楽しんだ。

その反面、途上国で出会う圧倒的に辛く苦しい状況で
生活している人達を見ると、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

なぜなら、たまたま日本に生れたというだけで、
宝くじに当たったようなもので、
今まで日本で楽に生きてきたということが身にしみてわかったから。

そして最高に貧乏な旅を続けていくうちに、
すごく当たり前のシンプルなことに気づいた。

それは、
「人間が生きていくのに最低必要なものは、ちょっとの水と食べ物」
それだけあれば基本的に生きていける、ということ。

それくらい得ることなら簡単だ。
食べ物を買うお金を得るためにちょっとだけ働くか、
もしくは食べ物を自分で作るか。
それだけやればあとは自由に生きれる。

何年もローンのために働き続けるなんて虚しすぎる。



★ちゃいはなのこと

現在一時定住しているのは、子供ができたから。
自然が多くて、広大で、四季も楽しめるということで北海道へ来た。

どこかいい所を探して旅立ったのに、
まさかまた北海道に来ることになるとは夢にも思わなかった。

そして食べ物を自給できる畑がやりたかったので、
必然的に田舎に住むことにした。

洞爺には何のゆかりもない。

ただかたっぱしから北海道の田舎をドライブして
たまたま見つけた廃屋だったのが、今のちゃいはな。

今のようなカレー屋になったのもたまたまで、
食べ物屋なら食べるものに困らないからという理由でCAFEを始めて、
カレーが好きで作っているうちに、いつのまにかカレー屋になった。

建物を廃材で直して、テーブルや調理用具ももらったり拾ったり、
直したりリメイクしたものだ。新品を買う必要などまるでない。

日本でゴミとして捨てられているものは、
本当はゴミではなく実際は使えるものばかり。




★このプロジェクトについて


今回、このようなお金のかからない自然と共存した気持ちのいい暮らし
(comfortable life with nature without money)実験では
廃材で作る家、太陽光発電、循環農園、薪ストーブなど、
いろんなことをやっています。

ただモノを買って消費するよりも、
自分で作って使った方がはるかに気持ちいい。

そして、こんなに気持ちいい事実は、
みんなでシェアした方がいいにきまってる。

そう思っていた時に原瑞穂から声がかかり、
一緒にこのプロジェクトをスタートしました。

しゃべるのが面倒な僕の分までよくしゃべるみづほのおかげで、
わずか3か月でたくさん発信してくれて、
いろんな方面に広まったと思います。

今後はさらに、
お金のかからない自然と共存した気持ちのいい暮らしを追求して、
もっと広める事ができたらいいな、と思っています。

現代のような大量消費、使い捨て社会の裏側には、
それを補うための原発や、資源を取り合うための戦争があります。

このプロジェクトを通して、
少しでもエネルギーのかからない暮らし方が広まって、
ちょっとでも、原発も戦争もない世界になるきっかけになることを
願っています。

どんなにお金のかかった高級料理よりも、ピクニックで
よく歩いて疲れた後に食べるおにぎりの方がはるかにおいしい。


それは体が本当に欲しているから。
自分で手間をかけて作ったから。


そんなことは、実はもうみんな知っているはず。

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~


ダイちゃんは、私の友人が関わって、
3・11後に「原発を止めるためのアクション」として発刊された、
『おもやい』というフリーペーパーに、
毎回寄稿することにしたそうです。

(このメディアを立ち上げたのは、
 小さな子を持つご夫婦のようです)

「パソコンをしない人にも届くツール」として立ち上げたそうなので、
検索したけれど、今のところHPはないみたい。

私たちの廃材ハウスの記事が載った号は私も持っていますし、
ちゃいはな でも手に入るので、ご興味ある方は
ぜひお読みになってみてくださいね。

モノクロ印刷のシンプルなフリーペーパーですが、
どの記事も読み応えがあり、取材も紙面も丁寧で、
すんなり読める分量が読みやすく構成された、
ステキなメディアです。



●自給自足レッスン 24 ≪1学期終了式≫ ★更新しました~!

2011年10月03日 | ほっかいどう旅
光陰矢の如し!ごぶさたスミマセン……!(汗)
ちゃいはなでの自給自足レッスン終了式から、もう一週間!

洞爺湖から帰札して、スローライフから一転、
すっかり札幌モードの私です(苦笑)。

さて、まずはともかく、終了式の模様からお伝えしますね。

●終了式と翌日の旅立ちの日は、まさに祝福の晴天!
おかげさまで、晴れオンナの私にふさわしい
“門出ウェザー”
となりました(笑)ありがたや~♪(感涙)


●しかも石狩と札幌から、こんなステキな音楽家のお二人、
 kibanaさん(アコーディオン)と、Kさん(ヴァイオリン)が参上!

 スライドトーク後に予定していたライブに向けて
 夕陽の中でリハーサルが始まり、
 いつもはアジア~な ちゃいはなが、
 たちまちヨーロッパの宮廷に早変わりです(笑)

 アコーディオンとヴァイオリンのコラボは、
 開店7年目の ちゃいはなでも お初とのこと。
 
 実は、このお二人は初対面!
 なのに息ピッタリで、ビックリ、ウットリです♪

●バタバタしちゃって写真が撮れず残念無念(涙)ですが、
 午後6時~のカレータイム間近になると、続々とお客様が。

 ちゃいはなのある壮瞥町から一番近い都会、伊達市にある
 ステキなカフェ「Mina*Hana」さんの宣伝力のおかげもあって、
 伊達、室蘭、島牧、札幌、石狩、由仁、洞爺……といろ~んなところから、
 今回のプロジェクトでお世話になった太陽光師匠のイオさんや、
 ずっと逢いたかったソーラーのらやファミリーをはじめ、
 懐かしい方々から初対面の方々までが集まってきてくださいました。

 ちゃいはなカレーのスペシャルプレートを召し上がりつつの
 自己紹介タイム後は、いよいよ私の『学習発表スライドトーク』

 「ソーラーのらや」のお父さん、テンちゃんの提案で、
 急きょ太陽光発電した電気を貯めておいたバッテリーを使って
 スライド映写をすることに。

 私も太陽光電池パネルから充電した電気を持ち歩けるように、
 ポータブルのバッテリー&省エネ型プロジェクター
 手に入れよう!と勉強になりました。テンちゃんに感謝!

●“徹子トーク”の私もビックリなほど、
 テンちゃんのトークはとどまるところを知らず(笑)、
 私のスライドトークからバトンタッチした彼のスライドトークも、
 絶好調の面白さ&ためになるお話がテンコ盛り!

 なんと、のらやさんファミリーは、わざと
 福島原発の近くの山を開拓し、自給自足生活をしていたとのこと。

 原発に頼らなくても豊かに楽しく暮らせる!
 ということを実践&発信するために毎日ジャンジャン自家発電し、
 夏は有り余る電気で氷を作って、
 冷房システムまで完備
していたそうです。

「どうしてそんな暮らしをするようになったんですか?」

 という質問に対する答えは、

 「昔から開墾と家作りが趣味で、
  福島の家は開墾4件目くらいだったんです」。


 実は奥さんのちあきさんはテンちゃんを上回るツワモノで、
 もともとは女だてらに一人で山奥の一軒家で暮らしていたのだそう!

 奥さんとの出会いは、
(確か東京での)自然エネルギー系のイベント会場で、

 自家発電の電気で行っているという触れ込みのライブが、
 実は秘密裏に電力会社からのバックアップ電力で
 行われているのを知ったテンちゃんが激怒し、
 公衆の面前でそれを指摘して大騒ぎになった後に声をかけられ、
 逆ナンされたんだそうな(笑)。

●スライドで見せてくれたテンちゃんファミリーの暮らしぶりは、
 私たちの自給自足レッスンの内容を上回る廃材ARTライフ

 人々が「不要」としたものに手間と工夫を吹き込んで再生し、
 家も、電気も、水道も、調理や洗濯システムも自作していた様子には、
 胸踊り、希望と刺激をいっぱいもらいました。

●福島原発事故により“被災者”となったテンちゃんファミリーは、
 放射能まみれになってしまった山の楽園生活を
 丸ごと手放さねばならず、
 
 今はバスを家にしながら全国を移動し、
 自然の恵みを活用した自家発電システムを、
 電気が足りずに大変だった東北はもちろん、
 日本各地で一生懸命広めています。

 小さな子ども2人を連れてバスで移動し続ける暮らしは、
 並大抵の根性じゃできないと思う。

 お目にかかる前、配慮の足りないノーテンキな私が思わず電話口で
 「私はキャンピングカーで旅するのが夢で……」と言ったら、
 「でも、俺たちは仕方なくそうしてるから……」
 と言葉に詰まったテンちゃん。

 美しい洞爺湖での暮らしが愛しい日常になり、
 手間と工夫と心を詰め込んだ廃材ハウスが出来上がりつつある今、

 彼らの、そして、家を手放さねばならなかった被災地の人々の想いが、
 やっと我がこととして理解できるようになってきた私です。

 別れ際、ギュッとハグして、

 「なんか面白いこと一緒にやろうな!」

 と言ってくれたテンちゃん。
 やろうね!また逢おうね!元気でね!

お別れ前に、新月空のもと、天ちゃん一家のバスハウスの前でパチリ。
私の左ヨコ、オレンジのつなぎが、テンちゃんです。

テンちゃんファミリーと、
洞爺湖に自給自足村を作ろうとしている「てんつくマン」
「メイク・ザ・ヘヴン」スタッフのカワイコちゃん
(名前ちゃんと覚えてなくてスマン!)を見送った後、
お泊り組で“第二部”のスタート。

画家のヒロコさんが持ってきてくれたスペシャルどぶろく、
「降りてゆく生き方」で、カンバーイ!

これは、映画「降りてゆく生き方」の上映会場のみで限定販売された、
木村秋則さん直伝の自然農法玄米を使って
寺田本家で仕込まれたナチュラル酒。

1本何千円もする高級品の差し入れを、
みんなでドキドキしながらいただきました。

さてその感想は……

・私  :「漬物の汁っぽい!」
・一同 : 爆笑&共感
・Kさん:「でもすごく自然な味だよね。ボクはけっこう好きですよ」

……というわけで、
・ちゃいはな畑の自然農キュウリ+ケイコちゃんの手前味噌
・ちゃいはな畑の自然農トマトスライス
渡辺豆腐店の揚げ+ちゃいはな青ジソ


……などの即席おつまみとともに、
気づけばKさんからいただいた美味しい赤ワインボトルともども、
たちまち空になっておりました(笑)

●そんな楽しい雰囲気の中、
なんと、師匠ダイちゃんから、1学期終了証書の贈呈が!


●きゃ~うれしい!


●これが、その表紙。



●これは、中面の評価表


●評価表のヨコには、こんなお言葉が。


●裏表紙には、こんなコメントまで!


●うれしいよ~!(感涙) 来年もヨロシクお願いします~!


●授与式の後は、アコーディオンとヴァイオリンのライブ!

いつもクラッシック音楽に触発されて絵を描いているという
画家のヒロコさんが、

「この音楽からのインスピレーションを自由に描いてみよう!」

と、一同に画材を配布してくれて、
木工作家のシュンちゃんとダイちゃんも、
ほろ酔いに任せて 「いいねいいね~!」 とばかりに、
想い想いのドローイングをスタート!

音楽のヴァイブレーションがあまりにも気持ちよくて、
踊ったり歌ったりしたくなっちゃった私は、
描くのをやめて心のままに、声と動きで音楽にコラボ。

客観的に見たらきっと
気が触れた怪しい集団にしか見えなかったでしょうが(笑)、
当事者の私たちにとっては間違いなく、
素晴ら式“ARTミッドナイト”でした

みんなで音楽したり絵を描いたりするのって、本当に楽しい!

もともと人間自体がART作品で、
誰もがみんなアーティスト。


本当は、この世は巨大な美術館で、
すべてのものがART作品。


それをあらためて思い出させてくれた、ステキな夜でした。


●翌朝、旅立ち前に、愛しの廃材ハウスをみんなで見学。


左から、画家のヒロコさん、ダイちゃん、
木工作家のシュンちゃん(彼は今週ステキな空間で展示会をします!)、
音楽家で編集者のKさん。

kibanaさんが帰ってしまったあとで残念!)

みなさん、本当にありがとうございました~!

●私のリクエストに応え、
 屋根のトタンを一部透明素材の天窓風にしてくれた師匠。

 
 これならロフトに長まりながら、
 朝も夜も空を感じることができます。ありがと~!!!


●ロフトから下を見下ろす、の図。

 最初はロフトができるなんて思ってもみなかった。
 来年の出来上がりが本当に楽しみです!


●いよいよ旅立ちのとき。
大好きな ちゃいはな とも、しばしお別れです。

元気でね、この家のみんな!
ありがとね、この土地のみんな!

●帰りはKさん車に便乗し、
洞爺湖周辺のとっておきスポットをめぐりつつ札幌へ。
(ありがとうございました~!)

こちらはカフェ「ゴーシュ」の窓辺。

この絶景を眺めつつ、丁寧に淹れられた
ここのコーヒーをいただくのが夢だったので、
夢が叶った~!の図です(笑)。

木の温もりが満ちたお店兼ご自宅の建物は、
自然の風景にマッチして、とってもステキ。

一つ一つがとっても丁寧で、
もてなされてる~と実感できるお店です。
オーガニックのフレンチブレンドも、
自家製パンのトーストも、大変おいしゅうございました。


●ゴーシュのすぐそばにある「gla gla」にチラリと立ち寄ってから、
新鮮な産直野菜や洞爺湖周辺の産物が買える「洞爺水の駅」
の隣にある「洞爺湖芸術館」へ。

こちらは、洞爺湖在住の版画家、石井(臼井)千晶さん。

娘さんの愛ちゃんの作品との「母子展」を開催中だったのですが、
彼女たちの作品は、母子ながらまるで違う作品が並び、
それぞれとても興味深いものでした。

千晶さんの版画は私にとって、
ちょっと怖くて、妙に懐かしくて、
対面していると遠い記憶を呼び覚まされて、
異次元に連れて行かれそうになる不思議な作品。

(千晶さんのバックに並んでいるのが千晶さんの版画です)

ダウン症と呼ばれる個性の持ち主、愛ちゃんの作品は、
ダウン症じゃない人とは明らかに違うものを見ている!という感じ。


私にとってはビックリするほど緻密で楽しくて
千晶さんとは全く違う雰囲気の作品ながら、
やはりこの世に生きつつも別世界とつながってるんだな~と、
ちょっとうらやましくなるような絵で、
ご本人も、そんな感じの女の子。

意識が開けば、この世にはきっと、
いろんな次元に旅できる回路があるのでしょうね。


●洞爺湖芸術館は、以前役場だった建物だそうで、
目の前に洞爺湖を見晴らす、
たくさんの窓が気持ちいい、ほんのりレトロな美術館。

洞爺湖は湖畔にも彫刻が並び、「彫刻の町」で売り出し中。
北海道で彫刻、と来れば、砂澤ビッキ

というわけで、ビッキさんのダイナミックナチュラルな作品もいっぱい!

こぢんまりとした美術館ですが、
静かに作品と向かい合うにはうってつけの穴場。

ビッキさんのアトリエを美術館にした、音威子府の
「エコミュージアムおさしまセンター・アトリエ3モア」
素晴らしかったけれど、ここもなかなか見ごたえがありました。


どんなものでも、一対一で向き合うと、
見えてくるもの、語りかけてくることがある。


来年はそんなテーマで、
洞爺湖で各自が自分だけの宝物を見つけるイベント
を企画してみたいな~と思っています。



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