一花屋の、ふえりこ女将のオススメにより初訪問した、寺田本家。
皆様にもその、「降りてゆく生き方」のモデルとしてすっかり有名になった
日本が誇る話題の酒蔵の模様をお知らせしたいと思います。
(ちなみに、映画は特にオススメしませぬ。苦笑。
寺田さんが書いた「醗酵道」を読んだり、
寺田本家を直接訪問することをオススメします)
●酒蔵に付き物の、長~いエントツ。
●こちらは、酒の命である水をたたえる井戸。
すぐ裏に鎮守の森があるおかげで、
昔からおいしい水が手に入るそうです。
●まずはみんなで記念撮影。
大人に混じって5歳の姫君も参加。
鎌倉から、朝の通勤ラッシュにまみれての長~い電車旅
&駅からの徒歩、よくがんばったね~。
●この蔵の中が広い部屋になっていて、見学者はまずここに通されます。
今日の見学者の数は30~40人で、何と海外から来日の寺田ファンも!
見学は、たっぷりの試飲付きで、無料です。
●本日の蔵ガイドは、代々続く女系家族の寺田家に
新しく婿入りした、若ダンナさん。
●「~しちゃう」 というお義父さまの口癖がすっかり移っていて、
ほほえましゅうございました。
●大まかな流れの説明のあと、いよいよ蔵めぐりスタート。
これは、といだ米を蒸す最初の段階で使う、巨大な蒸し器だそう。
寺田本家のお酒の原料は、すべて無農薬米。
一般の日本酒はアルコールや添加物を足したりもするそうですが、
ここのは添加物ゼロ。菌を安らかにイキイキ醗酵させる環境をつくり、
自然の働きに任せ、生きたお酒を造っています。
●無菌状態にしたりせず、誰でもウエルカムして、
蔵の中を案内してくれる寺田本家。
この蔵の中には、雑菌も味方につけちゃうくらい懐の深い、
年季の入ったいろんな菌がイキイキと生きているのです。
向こうには神棚が。23代目当主、寺田啓佐(けいすけ)さんは、
先日ラジオで、「菌は神様なんです」 と語っていました。
●抗菌・除菌ばやりの今の日本で、正反対の取り組みをして、
生命力みなぎるズバ抜けた美酒を造っている寺田本家。
「排除して閉じる」 のではなく、「受け容れて開く」 ことで、
たくましく深まってゆく醗酵のしくみ。
それはまさに、現代の様々な問題を解決する上での、
道しるべのような気がします。
●寺田本家名物、「歌う酒母づくり」。
ハリとツヤのある民謡歌手級の歌声青年の誘導で、
みんなで声を合わせて歌う昔言葉の歌詞は、
感謝と賞賛が歌い込まれた、日本版 “よろこびの歌”。
言霊と音を通して 「しあわせエネルギー」 が“お酒の元”に染み込み、
「慶びの酒」に熟成されてゆくのでしょう。
●ちなみに、この作業は 「山卸(やまおろし)」 と言われ、
昔は、歌わないまでも、蔵人たちの手で
この作業をするのが常だったものの、
今ではこの作業を廃除した作り方も当たり前になっていて、
「山卸」を廃して仕込んだ酒のことを 「山廃仕込」 と言うそうな。
「山廃仕込」=特別イイ のかと思っていたら、
なんとその逆だったのね~!びっくりトリビア~!
●さて、この分厚い扉の向こうは、麹を作る部屋。
デリケートな作業場なはずのここにも、
みんなフツーに入れちゃうんですね~
●一面白木の、キレ~イな壁、床、台。
麹づくりは温度がキメテとのことで、
冷え切った外とは打って変わってポカポカあったか。
い~い香りが染みこんでいるお部屋で、
説明を聴きつつも、思わずウトウト。
●この白木の台の上で昼寝したら、
気持ちよくって、さぞかし熟睡できるだろうな~
きっと麹も、おんなじ気持ちなのかもしれませんね。
●美味しいお酒をつくってくれる大もとである稲麹菌は、
なんとなんと、こんな黒ずんだカビなんですって…!
このミラクル発酵システム、
最初はいったい、どうやって発見されたのでしょう…?!
●若ダンナさんいはく、「偶然だと思います」。
偶然てやっぱり、神のなせるワザなのね~!
●いよいよ、麹からお酒になるまでの醗酵現場見学。
ハシゴを登って、蔵の上部へ到着です。
●ズラリと並んだ巨大な樽の内側は、こんな感じ。
何とも優しい、い~い香りが漂っています。
●耳を澄ますと、プクプク、ピチパチ、
かわいい醗酵サウンドが♪
お酒が生きてる証ですね!
●見学者一同、ここで樽からすくいたての
醗酵途中の生酒を味見させてもらえることに!
できたてホヤホヤのこの酒の、何ともおいしかったこと!!!
ほんのり甘酸っぱく、シュワッと優しい爽やかなコク。
ついついグビグビいっちゃいます。
●鎌倉でオーガニックのお弁当屋さんを始めたという、
舌の肥えたる田耕作(たごさく)くんも、至福の表情。
オイオイ、それ、何杯目?!(笑)
●一通りの見学を終えて入口に戻ると、
蔵人たちが声と動きを揃えて、冷水で大量の米とぎ作業中。
●その修練されたムダのない動きは、
美しい武術の型のようでもあり、禊(みそぎ)のようでもあり……
●同じ目的に向かって一丸となってイキイキと働くその姿は、
無言の喜びと清々しい緊張感に満ちていて、
何だかとっても美しく、神々しく、まぶしくて…
●私は急に心の中が熱っつくなって、
言葉にならない想いが急にウワーッとふくらんで、
目から涙があふれてしまいました。
●各地から偶然ここで出逢い、共に働くことになった、
同じ目的に向かって進む、心が結ばれた仲間たち。
こんなクソ寒い田舎町で、
手も、頬も、冷たい空気と水でまっ赤に染めながら、
毎日同じ作業をして、その中からきっと、
毎日違う発見をして、
喜んだり、落ち込んだり、
悔しがったり、満たされたりしながら、
同じ作業を繰り返す中でふと、
見えない何かや 遠くの誰かとのつながりを感じ、
自分の可能性を確かめるような瞬間を得たりもしつつ、
彼らは日々、みんなで、手探りで、
一つの夢をカタチにしようとしているんじゃないかな……
勝手にそんな気持ちが込み上げてきて、一人、
気持ちよく洗い上げられたこのザルの景色を見ながら、
心の中が、ホントに一気にぷくぷくムクムク醗酵しちゃって、
涙が止まらない私でした。
●見学後は、最初の蔵部屋に戻って、試飲大会!
左は甘酒。右は生酒。
どちらも爽やかで、まろやかで、軽やかな、優しいコク。
スルスル体に入っていっちゃう。いや~ウマイッ!!!
●知ってる同士も、知らない同士も、
み~んなニコニコ、上機嫌!
●鎌倉イベントもバッチリ手伝ってくれた、
一花屋スタッフのノアは、
回りが早くて、すでにヨイヨイ気分(笑)。
●なんと、この日は特別に、獅子舞も登場!
●かぶりつきで見物し、しっかり頭を噛んでもらいました。
よっしゃ~、これで今年も安泰だ~!
●でも5才の姫は、ほほえましくてオトナたちが
嬉しくなっちゃうくらい、獅子舞を怖がって大騒ぎ!
●一花屋ファミリーのひとり、大地の歌声を持つ
ピカレの歌も飛び出して…
各地から集まった人々は、醗酵パワーで一つに溶け合ったのでした。
●試飲三昧のヨイヨイタイムの後は、ひとしきりお買物タイム。
みんなが心から納得して、心から欲しいと思ったものを、
作者からダイレクトに買えるなんて、ほんと、秀逸のシステムです。
●買物していて遅くなった私たちを、
若ダンナが駅まで車で送ってくださることに。
途中、行きたかった神崎神社にも寄ってもらえて、
なんじゃもんじゃの木も見ることができました。
この神社は、何でもUFOが来るスポットなんだそうな。
う~ん、なるほど、さもありなん…!?
●こちら、帰りの電車内。
みんなお疲れモードなのに、酔っ払いノアは絶好調!(笑)
それぞれ全く違うキャラクターの友たちの顔を眺めながら、
ガタンゴトンと揺れる電車のリズムに身を任せつつ、
私は体内で静かにプクプク歌っている醗酵サウンドを、
聴くともなく聴いていました。
仕事の不振と自らの病を通して
「腐敗」と「醗酵」の違いに気づき、
「たのし気、うれし気、ありがた気」 こそが
いのちを生かす醗酵道、という想いに至ったという、
23代目当主、寺田啓佐(けいすけ)さん。
彼らが守ってきた、何世紀もの歴史が染みこむ多種多様な菌を、
今日一日、胸いっぱい呼吸し、飲ませてもらった私たち。
ほんとうはこの世自体が、あの蔵みたいに、
生きた玉手箱なのかもしれないな……
地球も、寺田さんの蔵も、
目の前にいるみんなも、体内の細胞たちも、
みんながマトリョーシカみたいに
入れ子になって呼吸する絵を思い浮かべている一粒の私と、
それぞれの世界を持ついろんな一粒たちを乗せて、
電車は、顕微鏡の中を動く菌のように、
銀河の夜の中を走ってゆくのでした。
皆様にもその、「降りてゆく生き方」のモデルとしてすっかり有名になった
日本が誇る話題の酒蔵の模様をお知らせしたいと思います。
(ちなみに、映画は特にオススメしませぬ。苦笑。
寺田さんが書いた「醗酵道」を読んだり、
寺田本家を直接訪問することをオススメします)
●酒蔵に付き物の、長~いエントツ。
●こちらは、酒の命である水をたたえる井戸。
すぐ裏に鎮守の森があるおかげで、
昔からおいしい水が手に入るそうです。
●まずはみんなで記念撮影。
大人に混じって5歳の姫君も参加。
鎌倉から、朝の通勤ラッシュにまみれての長~い電車旅
&駅からの徒歩、よくがんばったね~。
●この蔵の中が広い部屋になっていて、見学者はまずここに通されます。
今日の見学者の数は30~40人で、何と海外から来日の寺田ファンも!
見学は、たっぷりの試飲付きで、無料です。
●本日の蔵ガイドは、代々続く女系家族の寺田家に
新しく婿入りした、若ダンナさん。
●「~しちゃう」 というお義父さまの口癖がすっかり移っていて、
ほほえましゅうございました。
●大まかな流れの説明のあと、いよいよ蔵めぐりスタート。
これは、といだ米を蒸す最初の段階で使う、巨大な蒸し器だそう。
寺田本家のお酒の原料は、すべて無農薬米。
一般の日本酒はアルコールや添加物を足したりもするそうですが、
ここのは添加物ゼロ。菌を安らかにイキイキ醗酵させる環境をつくり、
自然の働きに任せ、生きたお酒を造っています。
●無菌状態にしたりせず、誰でもウエルカムして、
蔵の中を案内してくれる寺田本家。
この蔵の中には、雑菌も味方につけちゃうくらい懐の深い、
年季の入ったいろんな菌がイキイキと生きているのです。
向こうには神棚が。23代目当主、寺田啓佐(けいすけ)さんは、
先日ラジオで、「菌は神様なんです」 と語っていました。
●抗菌・除菌ばやりの今の日本で、正反対の取り組みをして、
生命力みなぎるズバ抜けた美酒を造っている寺田本家。
「排除して閉じる」 のではなく、「受け容れて開く」 ことで、
たくましく深まってゆく醗酵のしくみ。
それはまさに、現代の様々な問題を解決する上での、
道しるべのような気がします。
●寺田本家名物、「歌う酒母づくり」。
ハリとツヤのある民謡歌手級の歌声青年の誘導で、
みんなで声を合わせて歌う昔言葉の歌詞は、
感謝と賞賛が歌い込まれた、日本版 “よろこびの歌”。
言霊と音を通して 「しあわせエネルギー」 が“お酒の元”に染み込み、
「慶びの酒」に熟成されてゆくのでしょう。
●ちなみに、この作業は 「山卸(やまおろし)」 と言われ、
昔は、歌わないまでも、蔵人たちの手で
この作業をするのが常だったものの、
今ではこの作業を廃除した作り方も当たり前になっていて、
「山卸」を廃して仕込んだ酒のことを 「山廃仕込」 と言うそうな。
「山廃仕込」=特別イイ のかと思っていたら、
なんとその逆だったのね~!びっくりトリビア~!
●さて、この分厚い扉の向こうは、麹を作る部屋。
デリケートな作業場なはずのここにも、
みんなフツーに入れちゃうんですね~
●一面白木の、キレ~イな壁、床、台。
麹づくりは温度がキメテとのことで、
冷え切った外とは打って変わってポカポカあったか。
い~い香りが染みこんでいるお部屋で、
説明を聴きつつも、思わずウトウト。
●この白木の台の上で昼寝したら、
気持ちよくって、さぞかし熟睡できるだろうな~
きっと麹も、おんなじ気持ちなのかもしれませんね。
●美味しいお酒をつくってくれる大もとである稲麹菌は、
なんとなんと、こんな黒ずんだカビなんですって…!
このミラクル発酵システム、
最初はいったい、どうやって発見されたのでしょう…?!
●若ダンナさんいはく、「偶然だと思います」。
偶然てやっぱり、神のなせるワザなのね~!
●いよいよ、麹からお酒になるまでの醗酵現場見学。
ハシゴを登って、蔵の上部へ到着です。
●ズラリと並んだ巨大な樽の内側は、こんな感じ。
何とも優しい、い~い香りが漂っています。
●耳を澄ますと、プクプク、ピチパチ、
かわいい醗酵サウンドが♪
お酒が生きてる証ですね!
●見学者一同、ここで樽からすくいたての
醗酵途中の生酒を味見させてもらえることに!
できたてホヤホヤのこの酒の、何ともおいしかったこと!!!
ほんのり甘酸っぱく、シュワッと優しい爽やかなコク。
ついついグビグビいっちゃいます。
●鎌倉でオーガニックのお弁当屋さんを始めたという、
舌の肥えたる田耕作(たごさく)くんも、至福の表情。
オイオイ、それ、何杯目?!(笑)
●一通りの見学を終えて入口に戻ると、
蔵人たちが声と動きを揃えて、冷水で大量の米とぎ作業中。
●その修練されたムダのない動きは、
美しい武術の型のようでもあり、禊(みそぎ)のようでもあり……
●同じ目的に向かって一丸となってイキイキと働くその姿は、
無言の喜びと清々しい緊張感に満ちていて、
何だかとっても美しく、神々しく、まぶしくて…
●私は急に心の中が熱っつくなって、
言葉にならない想いが急にウワーッとふくらんで、
目から涙があふれてしまいました。
●各地から偶然ここで出逢い、共に働くことになった、
同じ目的に向かって進む、心が結ばれた仲間たち。
こんなクソ寒い田舎町で、
手も、頬も、冷たい空気と水でまっ赤に染めながら、
毎日同じ作業をして、その中からきっと、
毎日違う発見をして、
喜んだり、落ち込んだり、
悔しがったり、満たされたりしながら、
同じ作業を繰り返す中でふと、
見えない何かや 遠くの誰かとのつながりを感じ、
自分の可能性を確かめるような瞬間を得たりもしつつ、
彼らは日々、みんなで、手探りで、
一つの夢をカタチにしようとしているんじゃないかな……
勝手にそんな気持ちが込み上げてきて、一人、
気持ちよく洗い上げられたこのザルの景色を見ながら、
心の中が、ホントに一気にぷくぷくムクムク醗酵しちゃって、
涙が止まらない私でした。
●見学後は、最初の蔵部屋に戻って、試飲大会!
左は甘酒。右は生酒。
どちらも爽やかで、まろやかで、軽やかな、優しいコク。
スルスル体に入っていっちゃう。いや~ウマイッ!!!
●知ってる同士も、知らない同士も、
み~んなニコニコ、上機嫌!
●鎌倉イベントもバッチリ手伝ってくれた、
一花屋スタッフのノアは、
回りが早くて、すでにヨイヨイ気分(笑)。
●なんと、この日は特別に、獅子舞も登場!
●かぶりつきで見物し、しっかり頭を噛んでもらいました。
よっしゃ~、これで今年も安泰だ~!
●でも5才の姫は、ほほえましくてオトナたちが
嬉しくなっちゃうくらい、獅子舞を怖がって大騒ぎ!
●一花屋ファミリーのひとり、大地の歌声を持つ
ピカレの歌も飛び出して…
各地から集まった人々は、醗酵パワーで一つに溶け合ったのでした。
●試飲三昧のヨイヨイタイムの後は、ひとしきりお買物タイム。
みんなが心から納得して、心から欲しいと思ったものを、
作者からダイレクトに買えるなんて、ほんと、秀逸のシステムです。
●買物していて遅くなった私たちを、
若ダンナが駅まで車で送ってくださることに。
途中、行きたかった神崎神社にも寄ってもらえて、
なんじゃもんじゃの木も見ることができました。
この神社は、何でもUFOが来るスポットなんだそうな。
う~ん、なるほど、さもありなん…!?
●こちら、帰りの電車内。
みんなお疲れモードなのに、酔っ払いノアは絶好調!(笑)
それぞれ全く違うキャラクターの友たちの顔を眺めながら、
ガタンゴトンと揺れる電車のリズムに身を任せつつ、
私は体内で静かにプクプク歌っている醗酵サウンドを、
聴くともなく聴いていました。
仕事の不振と自らの病を通して
「腐敗」と「醗酵」の違いに気づき、
「たのし気、うれし気、ありがた気」 こそが
いのちを生かす醗酵道、という想いに至ったという、
23代目当主、寺田啓佐(けいすけ)さん。
彼らが守ってきた、何世紀もの歴史が染みこむ多種多様な菌を、
今日一日、胸いっぱい呼吸し、飲ませてもらった私たち。
ほんとうはこの世自体が、あの蔵みたいに、
生きた玉手箱なのかもしれないな……
地球も、寺田さんの蔵も、
目の前にいるみんなも、体内の細胞たちも、
みんながマトリョーシカみたいに
入れ子になって呼吸する絵を思い浮かべている一粒の私と、
それぞれの世界を持ついろんな一粒たちを乗せて、
電車は、顕微鏡の中を動く菌のように、
銀河の夜の中を走ってゆくのでした。