旅するはらっぱ~日々旅日記

from HP 「旅するはらっぱ」


各地の各智を旅する、

はらみづほの旅日記です。

●自給自足レッスン 21 新“縁ネルギー”4 ~魅惑の肉体関係~

2011年09月15日 | ほっかいどう旅
しばしごぶさた、すみません…!

仕事と用事でちょっと札幌に行っていて、
昨日の夕方、洞爺湖に戻りました。

毎月1回1週間くらいずつ札幌に戻っていたのですが、
これが今期レッスン中ラストの札幌帰りでした。

●札幌に帰るたびに実感していたことは、
洞爺湖と札幌の水・空気・音の違い

今回は最も、水の違いを強烈に感じました。

国内でも塩素臭が少なく美味しいとされ、
ペットボトル販売までしている札幌の水道水ですが、
どうにもこうにも臭くて飲む気がしなかったのです。

札幌の我が家は町なかのマンションなので特にそうなのでしょうが、
これまでは、麦飯石を入れたボトルやヤカンから飲めば
ふつうに美味しく感じていたのに、
今回はそれでも臭みを感じて、ホトホト参りました……

洞爺湖の深水の井戸水をいただいている
ちゃいはなの生活がベースになっていたことで
自分の感覚がかなり敏感に(正常に)なったんだなぁ…!と実感。

うぅ~……もう都会生活には
戻れない体になってしまったのかもしれません…(笑)


●札幌で暮らしているときは全く気にならなかったのに、
7月~ツキイチで札幌に戻るたびに、
水がクサイ。空気がクサイ。車の音が、とにかくウルサイ。

札幌の街に着くと、
それまで開いていた全身の五感が、
パタパタパタ~といっせいに扉を閉め、

排気ガスを吸わないように、
自動的に呼吸が浅くなるような気がしました。

そんなふうに体の変化を意識したのは札幌に来て初めてだったので、
自分の全身がみるみるうちに都会仕様に自動フォーマットされて行くのを
ただ呆然と感じながら、人体の神秘を味わっていました。

洞爺湖生活で、きっと私は感覚が浄化され、
以前よりずっと敏感になったんだと思います。

というか、
きっと都会に暮らしているとヒトは自分を守るために自動的に、
無意識の「化学物質過“鈍”症」になるのでしょうね。

●7月に最初に帰札したときは、
その前日に、生まれて初めて2日間の断食をしました。

これは、トマト畑で作業をしつつも、
丸1日食べずにいたのでパワーが出なくて
ボーッとしている私(笑)。

断食慣れしているダイちゃんが

「断食の時はムリせずゆっくりした方がいい。
 ムリにしゃべらなくていいし、今日は店に出なくていいよ。
 体との対話を楽しんで」

と言ってくれたので、お言葉に甘えて湖へ。
(ちゃいはな前の道路を渡って草地を下ればすぐ湖です)

揺れる水面が目にやさしく、見渡せば心も遥か。い~い気持ち。
で、迷わず入水。水の中に入りたくてたまらなかったんです。

頭のてっぺんまで沐浴して、しばしゆっくりスイミング。

仰向けに水に浮かび空を見ると、
青空に細密なウロコ雲がどこまでも広がって……

太陽の光がウロコ雲を照らしている風景があまりに美しくて、
何だかこの世ではないところにもって行かれそうで、
ちょっと怖いくらいでした。

水から上がって、湖畔の天然砂利の上に仰向けに横になると、
日光で暖まっていた背中の砂利が心地よくて……
断食の眠さとあいまって、しばし熟睡(笑)。


●目が覚めると、今度は ちゃいはなに戻って庭に布を広げ、
ひとり、まったり、“耳澄ましピクニック”をしました。

森から、いろんな鳥たちのいろんな鳴き声が聞こえてきます。

こちら側で鳴き声がすると、しばらくしてから同じ種類の鳴き声が
遠くの方から応えるように届くのです。

別の音色の鳥が鳴くと、またそれと同じ音色の鳴き声が遠くから。

その中にカラスの声も混じっていて、
久しぶりに 「からす~なぜ鳴くの~♪」 の優しい歌を思い出しました。

最近はカラスというと悪者のイメージですが、
もともとは彼らも山にいて、のどかな 「呼べば応える」 を
繰り返していたんだな~って。

鳥たちの会話は、時折途切れながらも、
ずーっといつまでも続いていました。

ちゃいはなの裏の森には こんなにもいろんな鳥がいて、
離れたところにいる同じ種類の鳥たちは毎日
こんなふうに会話していたんだなぁ……と初めて気づきました。

耳が3Dになったみたい。
自分の感覚がものすごくクリアになっているのを感じました。


と同時に、目も自動的にブルーレイ化したように、
ふだんより細部までクッキリ見える気がしました(笑)。

「ミュータントメッセージ」という本の中で、
オーストラリアの先住民と砂漠を歩いて旅した作者が

「何日も空腹のまま歩き続けるうちに、
 目に入る岩の複雑な模様を見て、栄養を得るようになった」


というようなことが書いてあったのを、
実感とともに思い出しました。

そうか、栄養って、目からも耳からも摂ってるんだな……

ヒトは口からだけじゃなく、
目からも、耳からも、鼻からも、皮膚からも食べてるんだ!


考えてみれば当たり前にも思えるけれど、
これは私にとって大きな発見でした。

体はボーッとしてるのに、
頭にはいろんな想いが廻ります。


●虫の多種多様さ、多さにも、あらためてビックリしました。
世の中にはこんなにたくさんの虫がいるんだなぁ…!って。

湖畔で寝ている間も、ひっきりなしにいろんな虫が
私の肌の上に止まったり這ったりしました。

見えないくらいちっちゃいのから、大きいのまで。
いろんな種類のハエやトンボや蝶やアブのように羽根つきの虫から、
羽根のない、ありんこのようなものまで、イロイロ。

くすぐったかったり、かゆかったり、気には障ったけれど、
それほどイヤだったりムカついたりしていない自分に驚きました。

まぁ、私の方が彼らのテリトリーに侵入してる
でっかいオジャマ虫なんだから、しゃーないか……という感じ(笑)

と同時に、皮膚の敏感さにも我ながら感動しました。
人間のセンサーというのは、驚異的に精密なんだなー!と。
だって、見えない違和感もちゃんと察知するんですから!


湖の中では小魚に皮膚をつっつかれたし、
見えないけれど、きっとプランクトンもいっぱい。

この世は本当に生き物だらけ。

人間は無数の生き物たちに囲まれ、彼らと一緒に生きてる
一種の生物に過ぎないんだなぁ~


と、自分の存在が、小さくなる薬を飲んだ不思議の国のアリスのように、
シューッとちっちゃくなっていくような感じがしました。

食べないだけで
こんなにいろんなミラクルが体験できちゃうなんて、
「断食」って、ディズニーもビックリのワンダーランドです(笑) 

●断食でもう一つ思ったことは、

「食べることに煩わされない」って、
なんてラクチンで、なんてツマラナイんだろう!


ということ。

人と会うときも、必ずと言っていいほど、
傍らには飲みものや食べものがある。

食べものや飲みものがあるとコミュニケーションが円滑になるし、
一人のときも、食べもののことを考えるだけで
楽しい気持ちになる。

人間にとって「食べる」ことは、
最も手軽なエンターテイメントなんだなぁ…!

だから、何かに夢中になっているときは
食べるのも忘れて打ち込んでしまうけれど、
食べる以外に楽しいことがないと、
必要以上に食べちゃうんだ……!


と、ひとり、心底、腑に落ちた私でした。


●ちゃいはな生活で見つけた肉体についてのもう一つの大発見は、
「満腹感について」です。

私はここに来てから、ほとんど間食をしなくなりました。

一食の量もこれまでより少な目で(私は都会では大食漢でした。笑)、
メニューも1~2品(ごはん+味噌汁とか)だし、内容も超シンプル。

何しろ、周りにお店もないし、運転もしないので、
ちゃいはなにあるもの をいただいているため
自ずとシンプルになるわけですが(笑)、

シンプルかつ、限られた食材しかないにも関わらず、
満足度がすごーく高いのです。

それはきっと、

庭に生えているハーブを摘んですぐお茶にしたり、

食事の直前に青ジソを摘んできて、お味噌汁に入れたり、
おかずやごはんを包んで食べたり、

畑から採ってきたトマトを洗ってすぐサラダにしたり、

元気な鶏ちゃんからもらった卵で卵かけごはんをしたり、

そんなトマトと卵を

ちゃいはなの奥さんのケイコちゃんが作った絶品味噌で

パパッと味噌汁にして、青ジソを散らしたり……

というように、

“生きた食材”を、ほとんど“生きたまま”いただいているから。

「そういうものは、普通の食材よりエネルギーが高いんだよ」

と、エコビレッジライフ体験塾生の、ユカさん。
このたび札幌でお会いしたときに私が

「こんなワンパターンかつ少量の食べもので、
 なぜこんなにも満足できるんだろう?」


と話したときに言ってくださった言葉なのですが、
そっか~!と謎が解けた気持ちになりました。

農薬にも化学物質にも本来の“味力”を阻まれることなく、
大地と雨と太陽エネルギーで、雑草にも負けずたくましく育った野菜や、
そんな畑を走り回っている鶏ちゃんたちが生んだ卵は、
ただでさえエネルギッシュな上に、

それらを毎日、ほとんど“踊り食い”しているのですから、
ワンパターンであっても、少量であっても、
これまで都会生活で食べていたものより格段にエネルギーが高く、
味も養分も酵素も濃密で、満足度も高い、
というわけなのでしょう。

●幼いころ東京の新宿で育ち、OL時代は銀座に通っていた私は、
都会も決して嫌いではありません。

札幌に来てからも、
すすきのの下世話でうらぶれた雰囲気に包まれると
何となく落ち着く気がするし(笑)、
人工物の中にドップリ埋没する感覚も、実はけっこう好きなのです。

でも、日々こんなにもダイレクトに、
ストレスフリーな自然エネルギーとの肉体関係
を重ねてしまった今、この快感を離れ、
五感を閉じて生きなくてはならない環境の中に
再び戻れるのだろうか……?と、身もだえしている私です。



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