「土屋正忠さんの勝利に寄せて」
日本国が再生に向けて動き始めました。
民主党の大敗は歴史の必然であったのかもしれません。
しかしながら、今回の選挙結果をうんぬんする前に、私は、今世紀に入って以来、日本国民が余りにも無責任であり、何事も人任せであった事実を思わずにいられません。
ブラック・スワンはそんな今の日本人の心の中に降臨したのです。
よりによって日本国政史上初めての政権交代の中で発生した3.11の不運は、永い歴史の中でみれば、「日本人よ!目覚めよ!」という天の声としてこそ記憶されるべきなのかも知れません。
国民は自民党一党支配の長いマンネリの中で、政治家のみにその責任を押し付け、自らがなすべき努力を忘れ、新しい体制なら何かを変えてくれるだろうという甘い幻想に囚われたのです。
でも、新政権発足と当時にその幻想は破られました。
官僚も一般国民も揃って自ら提案すること、自主的に努力することを放棄し、ただただ無責任な評論家やコメンテーターたちによる政治批判に踊らされ、自らが果たすべき役割を忘れていったのです。
このまさに自民党の一党支配から抜け出た3年数ヶ月こそが、日本人が日本人であることを忘れ去った時期であったということです。
人々からやる気を失わせ、それぞれの役割を放棄せしめたリーダーたちの責任は余りにも重いものと言えるでしょう。
国の舵取りをすべき政治家を、会社の経営者に置き換えれば話が分かり易いでしょう。
社員は決断力と行動力を兼ね備えた上司に魅力を感じ、やりがいを覚え、自分の能力の100%を発揮してゆく。
そんな仲間同士がお互いに刺激し合えば、それぞれが持つ潜在能力を遥かに超えて、人は120%でも頑張れてしまう。
ところが今回は、出足からこれがまったく反対でした。
官僚は自主的に「より良い提案」をすることを止めてしまいました。
多くの公務員は、誰よりもその恐ろしいほどの変化を目の当たりにしたに違いありません。
「言っても分かってくれない」「言うだけ無駄だ」「人のことより、自分のこと」・・・
自主的に開催されていた「提案委員会」は閉鎖されました。
官僚は自分の提案書に夢と希望のための一行を付け加えることをやめ、言われたことだけを最低限の表現で書く、いわばロボットになってしまったのです。
あれほどのスピードで神戸を復興させた日本人が、東北を見捨てた瞬間でした。
しかしながら、今回の選挙結果には二つの希望があります。
ひとつは日本人自身が長く続くデフレスパイラルと経済の閉塞感の中で、誰をリーダーにすべきかに目覚めたこと。
そしてもうひとつは、それでもまだ選挙に行かない他人任せが多数いるということです。
その他人任せの人たちが、少しずつ自分の国のことを、自分の子供たちが元気で暮らすこの国のことを真剣に考え始めたとき、そのときこそが日本がもう一度再生するときです。
今こそ、かの第35代アメリカ大統領 ジョン・F・ケネディが就任演説で語った有名な言葉を思い出すときです。
国家があなたに何をしてくれるのかを問うのではなく、
あなたがこの国の為に何ができるかを問いなさい。
権力も財力もない我々一般国民が国のためにできること・・・
それは、隣の人の助けになること、今日出会った人に感謝を忘れないこと。
そんな小さな一歩一歩から、本当の日本の再生が始まることを祈っております。