Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

谷間に三つの鐘が鳴る

2001年02月20日 | フランス
昨日、フランスの国民的人気シャンソン歌手、シャルル・トルネさんが亡くなりました。もちろんお会いしたことはありませんが、彼の曲はよく聞きました。銀座日航ホテルからほど近かった、日本を代表するシャンソニエ、「銀巴里」も今はありませんが、ここで「詩人の魂」を聞いた遠い青春の日々が懐かしいです。

また、パリへ旅した時は「カヴォー・ヌブリエット」や「ラパン・アジル」に時間の許す限り足を運んだものでした。そこで聞いた彼の名曲、「ラ・メール」「私は歌う」はまさしく旅の疲れを癒してくれるものでした。エディット・ピアフ亡きあとのフランス・シャンソン界を支えてきたのに、残念です。

南仏ナルボンヌに出生の鐘を鳴らした彼は、87年の生涯を全うし、昨日シャンソン界の谷間に三つ目の鐘を鳴らしたのです。合掌。



音へのこだわり

2001年02月12日 | アメリカ
モンテカルロ・リゾート&カジノ

ラスベガスに来ています。昨日は久々に日本航空の機内音楽に酔いしれました。昔のJALは音にはこだわりをもっていました。受験勉強の合間に城達也さんのJetStreamなど聞いたものですが、あの番組もJALの音楽へのこだわりの表れでした。

かつてのJALは、乗客の機内でのくつろぎを科学し、機内放送はもちろん機内音楽の選曲まで実に配慮の行き届いたものでした。ところが近年はその音への期待を裏切られる事が実に多かったのです。音楽の選曲にもセンスがなく、機内放送も時には苦痛にさえ感じられることがありました。

機内放送は聞きたい人には聞こえ聞きたくない人には雑音にならない程度のさりげなさが要求されます。JALにはそのよき伝統を維持するだけのゆとりさえも失っていたのでしょうか?

でも、今回のJL60便には、そのJALの昔に対するこだわりが確実に蘇りました。音の細部まで忠実に再現する最新の「ZEN」のシステムによる全18チャンネルは実に心地よい空の旅を可能にしてくれました。帰りのフライトが今から楽しみです。


青春の光と影

2001年02月05日 | 日記
森茂君とは中学で出会い、共に音楽の道に憧れた仲間でしたが、その夢を実現した彼の生き方を尊敬しています。

同じ高校に進んだ彼は、受験勉強を口実にブラスバンド部を退部した私に、「人生逃げてはいけない」という重要な教訓を身を持って示してくれました。

卒業演奏会のその日、華やかなライトを浴びる彼の晴姿を、辛い練習から逃げた私は暗い観客席から見ていました。私にとって青春の日々の最も痛烈な思い出です。

森君の、ふるさと静岡に錦を飾る演奏会の大成功を心よりお祝い申し上げます。