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Tabi-taroの言葉の旅

何かいい物語があって、語る相手がいる限り、人生捨てたもんじゃない

マチュピチュ・・・天空に続く道

2007年07月15日 | ペルー
NHK「失われた文明・・・マチュピチュの天空に続く道」を観ました。マチュピチュは、数ある世界遺産の中でも最も美しいと言われています。山々で分断されたアンデスをインカはなぜ統一することができたのか?なぜ比類なき天空の文明を築くことができたのか?番組では17世紀初めに残された年代記を基に、この謎を解き明かしてくれました。

インカは文明の条件といわれる鉄も文字も持ちませんでした。しかし、当時のヨーロッパを凌ぐ豊かさを手にしていたのです。年代記には「インカは食料や衣服を公平に分け、病人や老人も安心して暮らせる福祉国家だ」と記録されています。第九代インカ皇帝パチャクティは自分の息子にこう語りました。「奪って豊かになるのではなく、与えて豊かになるのだ!」 この卓越した哲学こそがインカ帝国繁栄の理由だったのです。

彼は各地に段々畑(アンデネス)を築き、作物の生産を伸ばしました。険しくそそり立つ山肌に延々と続く段々畑・・・・上の段と下の段では温度が違います。海抜ゼロか6千㍍まで、インカの民は様々な種類の作物を手にすることが出来ました。アンデネスで収穫された豊富な作物は、帝国内に巡らされたインカ道を通って運ばれ、更にコルカと呼ばれる貯蔵庫に備蓄されました。インカ帝国は、国中に食べ物が満ち溢れる豊かな社会でした。一千万の国民が飢えの無い暮らしを送っていたといいます。パチャクティと息子と孫・・・三代のわずか50年ほどの間にインカは繁栄し巨大帝国を築きあげました。

番組の最後に、マチュピチュの調査隊の一人が語った言葉が印象的でした。「ここを作ったインカの力に感動します。ここは神々の場所です。自然を理解し自然と対話しなければ町を築くことなど不可能な、神の場所なのです」 山々が聳えるアンデスに広大な帝国を築いたインカ・・・断崖絶壁に道を通し、作物を育て、飢え無き社会を築いた・・・五百年前、「与えて豊かになること」を目指した、天空の文明がここにありました。

古代アンデス文明の奇跡に迫る

2007年02月11日 | ペルー
空中都市、マチュピチュ

感動のアンデスの旅より帰国いたしました。
マチュピチュへ着いた日は大雨でした。遺跡の入口で昼食をとる間も、雨は止む気配がありません。僅か目の前に聳える筈のワイナピチュの山も、濃い霧に包まれてその姿が見えません。傘のない人はポンチョをまとって・・・不安そうな面持ちで遺跡まで登りました。これまで数々の奇跡を起こしてくれた私の指輪の神通力もついにここまでか?と思った時でした。

風が舞い、雨が上がり、霧が晴れ、薄日が差し始めたと思ったら、世界遺産人気NO1のマチュピチュの遺跡が見る見るその全貌を明らかにしたのです。圧倒的な迫力です! 「おおっ!!」全員から感嘆のため息が漏れます。感動の締めくくりは、雨上がりの遺跡に大きな虹まで掛かる特別パノラマショー!マチュピチュ、クスコ、葦の浮島、ナスカの地上絵・・・・ペルーの魅力を味わい尽くしての帰国でした。

そのマチュピチュでのことです。
お客様の一人がオカリナを練習しています。習いたての彼女は、今回の旅に合わせて、「コンドルは飛んでゆく」をマスターしたのです。彼女の夢は・・・憧れの世界遺産「マチュピチュ」を見下ろしながら、アンデスの空に自分のオカリナを響かせることでした。そのお客様が見事にご自身の夢を実現されました。奥様の夢を支えようと、ご主人が譜面を風に飛ばされないように持つ姿に胸が熱くなりました。

「テーマを持って生きること、夢を持って生きること」お客様からまた大切なことを学ばせていただきました。