このタイトルを見て、クラシックの曲名だと解った方はかなりの音楽通ですね!昨年に続き、練馬稲門会の主催する「早稲田交響楽団、新春コンサート」を聴いてきました。ベートーヴェンの「田園」とメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」が同じプログラムに並ぶという、何とも豪華なコンサートでした。
「田園」は言わずと知れたベートーヴェンの交響曲第六番です。「英雄」や「運命」など標題が付けられたベートーヴェンの交響曲の中で、この「田園」だけが作曲者自身がタイトルを付けたものだそうです。シンフォニア・パストラーレ・・・「パストラル」とは、英語で田園詩や田園画、牧歌劇を意味する言葉です。第一楽章=「田園に到着したときの朗らかな感情の目覚め」・・・ウィーン郊外のハイリゲンシュタットの初夏の情景を描いた曲と言われていますが、かのカラヤンも高く評価したというワセオケの明るく軽妙なハーモニーは、まさに新春コンサートにピッタリの名演奏! 心までぽっこり春の日差しが差し込んで、今年も頑張ろうと前向きの気分になりました。
プログラム2曲目は「メンコン」です。ヴァイオリン協奏曲といえばメンデルスゾーンと言われるほど、いわばヴァイオリン協奏曲の代名詞のような曲です。メンデルスゾーンのコンチェルトだから略して「メンコン」。今日はこの名曲にコンサートマスターの藤沢麻梨子さんが挑みました。第一楽章・・・哀調を帯びた優雅な旋律が流れ出してからおよそ8分後、オーケストラの音が止みます。一瞬の静寂の中、一人藤沢さんがカデンツァを奏でます。練馬文化会館を埋めた満員の聴衆は彼女の弓使いに釘付けです。永遠よりも長い緊張の独奏が終り、再びオーケストラの伴奏が流れ出したときの安堵感と安らぎ・・・素晴らしい演奏でした。
第二部は「亡き王女のためのパヴァーヌ」などの美しい小品に続き、新春コンサートの定番、J.シュトラウスのポルカやワルツが会場を揺らせます。そして、最後はもちろん「都の西北」 ブラボーの声と拍手の嵐が鳴り止みません。2011年兎年・・・新しい年を今年もまた素晴らしい感動でスタートできる幸せを噛み締めました。
2010年のワセオケ・新春コンサート
庄司紗矢香さんの名演「メンコン」