「僕はどちらかと言えばベートーヴェンは好きじゃないなぁ・・・」
その方の口癖でした
元気いっぱいのその方と久元祐子さんのリサイタルにご一緒し、
「モーツァルトが愛したピアノ」の音色に感動したのは・・・
先月の30日、本当についこの間のことでした
訃報を聞いて遠路はるばる駆けつけてくださった久元さんが
心を込めてその方に捧げるピアノ曲を献奏してくださいました
なんと、名器ベーゼンドルファから流れてきたのは・・・
♪月光♪
久元さんがそっとつぶやきました
「笠原さん、本当はベートーヴェンが大好きだったのよ」と
クラシック音楽を愛し、そしてまた仲間を大切にする方でした
ご自宅の隣に、わざわざ囲炉裏付きの音楽サロン「青藍」を建て増しし、
多くの音楽家を招いてはサロンコンサート=夢塾(MUSICA)を主宰してくださいました
青監に集うたくさんの音楽ファンを迎える笠原翁
その笠原尚夫さんが永眠なさいました
久元さんの指先が紡ぎ出すモーツァルトの協奏曲23番~アダージョの哀愁の旋律は
笠原さんを慕って集まった皆さんに
今は無き音楽サロン=青監で流れた多くの名演奏と
屈託のない笠原さんの明るい笑顔を思い起こさせたに違いありません
笠原翁のご冥福をお祈りし、これまでいただいた多くのご厚情に心より感謝申し上げます
有難うございました