MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『杉原千畝』。

2015-12-13 20:45:07 | 映画日記
『杉原千畝』を観てきた。

彼のことは、名前ぐらいだけれど知っていた。沢山のヴィザを発券した人、というぐらいしか知らなかった。間諜活動をしていたとか、ペルソナ・ノン・グラータ(Persona non grata)を受けていたとかは全く知らなかった。
日本のために悪役を引き受ける。そんな人だったんだろう。
だが、その日本を彼は信じられなくなっていく。
日本とドイツやソ連との関係。日独が手を結べば、世界を巻き込む対戦に日本は巻き込まれていく。
そして、日本はアメリカに負ける。
そこまで彼は読んでいた。でも、それを日本政府は受け入れることは無かった。
日本政府は自分自身で日本を潰そうとしているんじゃないか。彼はそう思ったのかもしれない。
そして、日本から反骨する行動に出る。
それが、リトアニアにいるユダヤ難民への日本国内を通過するためのヴィザの大量発行だ。
2139枚。記録に残る彼が発行したヴィザの枚数。
沢山のユダヤ人を助けた。
彼は、後世に語り継がれる偉大なことをなした人物。

そうなんだろうか。
ヴィザで助かった人数は6,000人いるらしい。
現在、その子孫たちは40,000人いるとも言われている。
ホロコーストでは6,000,000人が犠牲になった。あくまで通説としてだけれど。
彼の行動は、人道的だと思うけれど、どこかエゴイズムを感じる。
彼の行動は、どこまで意味があったんだろうか?
彼は、常に安全なところにいて、上手く立ち回っていただけなのではないだろうか?
彼は、賢きたる愚者だったのではないか?
彼は、日本人を助けられなかったのだから。

戦渦に塗れる日本国土。
焦土と化した都市。
杉原千畝が守りたかった日本。
愚かたる愚者たちが招いた当然の帰結。
あの時代、日本は愚者しかいなかったんだろう。
でも、それも当然の帰結だったんだろう。

杉原千畝は、愚者の中で“自分が愚者であると知っていた”数少ない日本人なんだと思う。



『紅殻のパンドラ GHOST URN』。

2015-12-13 20:07:09 | 映画日記
『紅殻のパンドラ GHOST URN』を観てきた。
原作 士郎正宗、漫画 六道神士というタッグのアニメーション化作品。
タイトルからして、世界観がなんとなく分かるけれど、確かにそういう世界観、というわけでもなく、ずいぶんポップに描かれている。『攻殻機動隊』シリーズの重たい感じは全く無い。
全身義体
電脳
といった文言が出てこなければ、良く似ているけれど違う、という作品になっただろう。
それとも『攻殻機動隊』の前日譚に当たるんかな。。。全身義体もマリオネットみたいな関節やし、未完成のようにも見えるな。。。マンガ読んでないからな。。。

特製パンフレット中で士郎正宗が言っているけれど、確かに彼の絵ではこの世界は創れなかっただろうなと思う。六道神士に任せたのはナイスジャッジだ。

いずれにしても、『攻殻機動隊』の血脈にあるのは間違いない作品。
アニメ化とか映画化とかで色々なテーマを持たせた作品に仕上げられた攻殻機動隊。
それだけ攻殻機動隊は柔軟でありながら堅牢であり、変化することで作品の核が残る、ということを体現している作品なのだ。

さて、紅殻のパンドラ。
その函は、今開かれた。
彼女は、彼女に出会うまでの旅に出る。



2015年12月12日のつぶやき

2015-12-13 00:00:00 | twitter