日本は人権意識が低い。
これは昨年行われたG7サミットを前にG6から書簡で指摘されたことだ。
慌てふためいてLGBTに関する法案を作ったけれど、大事なのは”差別を防ぐことは私たちの原理原則である”と言われたことだ。
国会議員に障害者がいる。彼らのためにスロープを設置してほしいと要望を出したら、一部から批判が上がった。
電車や映画の鑑賞に車いすの上り下りを手伝ってもらった。
これを当然のこととして要求したことが騒ぎになった。
これらは、人権の観点から見れば当たり前の要求だ。
障害者は可哀想だから手を差し伸べている。
この感覚がまだまだ根強い。
障害者手当を羨ましいと思う人もいるだろう。
違う。
手当を出さなければ平等になれない社会が出来上がっているのがおかしいのだ。
「お前は、障害者を擁護して何様だ?」と思われるかもしれないけれど、障害者に対するサービスとして「おかしいな?」と思っているところもある。
たとえば、映画館や美術館などの障害者割引。
あれは必要ない。なんで割引されるのかよくわからない。
「割引してあげるから、多少の不便は我慢してね」ってことなんだろうか?
そういえば、映画館の車いす用のスペース。最前列の端っこだったりととんでもなくスクリーンが見えにくい場所にある。
割引しなくてもいいから、障害者用のエレベーターを設置して、上の階に数席で良いから場所を取ってもらって、鑑賞できるようにするべきだ。
電車の乗り降りも、そろそろ標準でホームとの段差をなくすような橋渡しの機構を電車に取り付けてもいいんじゃないか?
大阪府は人権博物館を縮小してしまった。
差別の歴史、何が差別になるのか、どんな差別があるのかを知る貴重な場所だったのに。
何でもかんでも平等にしろ、というわけじゃない。
移民政策には僕も反対だし。
それでも、「可哀想だから助けてあげているんだ」という感覚を捨てない限り、日本は人権に疎い民族から抜けきれない。