「色々な顔」でも紹介したが、様々なスポーツ現場へのサポート活動を行っている。その中で異色?とも言えるのが(本人はごく自然に行っているが)「障害者スポーツ」のサポートである。知的障害を持つ高校生の部活動や卒業後の社会人ソフトボールチームのトレーナー兼コーチ(たまに監督)をやらせてもらっているが、毎回本当に彼らからパワーをもらっている。コーチを務める障害者の社会人の東京都代表チームのエースSさんのボールは、下から100キロは出ている速球である。毎回打撃練習をさせてもらうが、バットに当てるのがやっとである。運よく毎回ヒットを打てていて、「まだまだだな!」とえらそうに言っているが内心は「今日も打ててよかった!」とホッとしている。
普段は皆社会人として働いている。一般企業で働く選手もいれば、福祉作業所などで働く選手もいる。中には車の免許も持っていて、練習や試合も車で来る選手もいる。彼らと一緒にボールを追っていると、いつも障害のことを忘れて本気で付き合っている自分に気づく。スポーツは、障害者と健常者の見えない壁(バリア)を簡単にも取り去ってくれる。そこには「ボランティアしてあげよう」などと偉そうな想いは一切なく、むしろどっちがサポートされているかわからないほど熱中してしまう。そんな体験をしたくて、貴重な休日を使って、障害者スポーツのお手伝いをしている。
バリアフリー実現のためには、スポーツの秘めた可能性は計り知れないものがあると毎週思わされている。