世間知ラズノ孤独

享楽日記。

アガサ・クリスティー祭り

2007-04-14 | 
ひとりで絶賛開催中(笑)
たまーに行く他区の図書館にたまたま行ったら、ハヤカワのクリスティー文庫が全巻そろっていたので、ひとつ全部読みなおしてみるかと思ったのだった。
実家にも何冊もあるし、こちらに来てからはなるべく買わずに図書館で借りていたし、内容をすっかり忘れているものもあるしで、どれを読んだか読んでないか自分でもわからなくなっているのだった。
でも1冊だけ未読なのはわかっている。それは『カーテン』。これは絶対最後の最後に読みます(笑)
最近はどこの文庫本も文字が大きくなっていますが、私はなんとなく紙面がだらしない感じがして好きじゃない。
昔の、文字が詰まってまわりの余白部分が大きいのが読みやすくて好きだったんだがな。
クリスティほどの多作だと、翻訳者も多数にのぼり、個性もさまざまだが、私は田村隆一や清水俊二など、ちょっと古い堅苦しい感じの訳が好きだ。
書名も訳者も忘れてしまったが、ポアロの会話で「僕は~なんだよ」と言っているのがあって、最高にムカついて本を破り捨てそうになったことがあった(笑)
これを最後まで読んだのかどうかさえ覚えていない。クリスティー文庫に移行して、新訳になったものもいくつかあるようだが、これがこのままだったらどうしよう?(笑)
クリスティは、私をミステリ好きだけでなく、本当に本好きにしてくれた作家のひとりである。
初めて読んだのは中学の時で、たぶん『そして誰もいなくなった』、そのあとテレビで映画『オリエント急行』を見て原作を読んで、という感じだったと思う。
何冊も読んで思ったのは、人間の心はどんな謎よりもミステリーだということ。
その頃の私は、太宰と芥川を愛読していたのだが、だからこそそのことがしっくりきたんじゃないかと思う。・・・なんかイヤな中学生だな(笑)
実はその頃の私は、今にして思えば、軽いイジメのようなものにあっていた気がするのだが(笑)、本という世界に夢中で、ひとりでいることが全く苦でなかったので、イジメを受けている自覚がまったくなかったのだった。
また、そうしてひとりの世界に閉じこもって、誰も近寄るなオーラを発していたことが、イジメを誘発していたのではないかと今更ながらに思うのだった。
ま、イジメの質も現在とはまったく違う時代のお話ですが。
そしてクリスティのいちばんの魅力は、そこに愛があるところだと思う。
それはミステリに限らないことだけれど、というよりミステリだからこそ、愛があってほしい。
少なくとも私は、作者の人間に対する大きな愛情が見えるミステリが好きだ。
面白いミステリの条件のひとつは、犯人がわかっていても何度でも読みたくなることだと思う。そんな本は何度読んでも面白いんだよね。
クリスティの本の中にも、定期的に何度も読み返しているものが何冊かあって、それらは読む度に初めて読んだ時と同じ感動を与え続けてくれるのだった。
感想は、気が向いた時に。





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