世間知ラズノ孤独

享楽日記。

5月に読んだ本

2010-06-01 | 
*映画の原作を読もう月間*

P・ハイスミス 『太陽がいっぱい』

映画と原作の結末が違うということは知っていたのですが、作者が女性だったのは初めて知った。なんというか、女性の小説、男性の映画、という感じはしましたね。
また、今日では絶対ありえない結末でもありますよね。
しかしこの主人公の心理状態というか人間像は、現代にも通じるものがあると思った。
ちなみにより原作に忠実らしい(?)『リプリー』は見ていない。


R・マシスン 『運命のボタン』

『アイ・アム・レジェンド』の作者によるSF&ホラーな短編集。
映画になった表題作は超短編、というかほとんどショートショートである。「そんなのあり!?」な結末である。
このボタンが本当に存在するとして、自分の所にまわってくる確率がどれくらいかはわからないけれど、知らない誰かが押したせいで自分が死ぬはめになるのは絶対にごめんだから、こんなボタンはなくていいと思う(笑)
ちなみに映画は見ていない。


S・キング 『スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編』

子供というのは理不尽な目にあうイキモノだよね。
こういう本を読んでいつも思うんですけど、母親の悪口を言われるのがいちばんの侮辱になるというのが不思議というか興味深いですよね。
日本にも「おまえのかあちゃんデベソ」という慣用句(?)があるけど、普通、口げんかで相手の母親を、特に性的に侮辱するっていうのはありえないですもんね。
これも文化の違いと言っていいのでしょうか。
それにしてもキングというのはいい作家ですよね。この「いい」というのを説明するのは難しいですけど。
どんなに下手な訳でも、その「良さ」はちゃんと伝わってくる。
・・・前にも書いたけど、翻訳をする人は、美しい日本語を書ける人でもあるべきだと思うんですけどいかがなものか。