あまくさ人のひとりごち

あまくさ人のひとりごち、つまり独り言です。
撮りだめした写真も併せて載せます。

第2094回 尾崎紀世彦死去

2012-06-01 21:03:28 | くまもと
「また逢う日まで」歌手の尾崎紀世彦さん死去

2012年6月1日(金)18:58(読売新聞)

 「また逢う日まで」のヒットで知られる歌手尾崎紀世彦さんが、5月31日に亡くなった。
 69歳。がんで闘病中だった。葬儀は近親者で済ませた。
 コーラスグループのワンダースを経て、ソロに転じ、1971年に「また逢う日まで」を発表。約100万枚を売り上げ、同年の日本レコード大賞に輝いた。阿久悠さん作詞、筒美京平さん作曲のこの曲は、カラオケで盛んに歌われ、今も親しまれている。
 このほかの代表曲に「さよならをもう一度」「愛する人はひとり」「ゴッドファーザー~愛のテーマ」など。長いもみあげがトレードマークで、高らかに歌い上げる独特の唱法で人気があった。俳優としても映画「釣りバカ日誌16」などに出演した。


「また逢う日まで」でおなじみの尾崎紀世彦が亡くなった。享年69歳。
ワタクシもこの曲が大好きで、カラオケなどではよく歌っている。
この曲は1971年のレコード大賞を受賞した曲であるが、そもそもはエアコンのCMソングだったことをご存じか。
それが諸般の事情でお蔵入りになった。
のちに阿久悠が詞をつけて、「ひとりの悲しみ」というタイトルでズー・ニー・ヴーに提供した。
この曲、まったくヒットしなかった。
そして、尾崎紀世彦が歌うことになったため、阿久悠が詞を作り直したのが「また逢う日まで」だ。
曲のリサイクルもここに極まれり、である。

いずれも阿久悠が亡くなったときに出されたCD全集「人間万葉歌」に納められているので、ぜひ聞いてほしい。

合掌。



第2093回 仁和寺にある法師 すき焼きは殺生のこととて

2012-06-01 20:07:53 | 関西
「殺生なので茶店拒否」実は後付け 仁和寺に賠償命令

2012年6月1日(金)14:23 朝日新聞

 世界遺産・仁和寺(にんなじ、京都市右京区)で、花見客にすき焼きや酒などを提供していた茶店が「境内で肉を食べるのは宗教の戒律に反する」などと不当に出店を拒まれたとして、寺を相手取り、営業権の確認などを求めた訴訟の判決が30日、京都地裁であった。松本清隆裁判官(冨田一彦裁判官代読)は、営業権は退けたが、予約客への謝罪に追われた店側へ120万円を賠償するよう寺に命じた。
 判決によると、茶店は毎年3~4月、御室桜(おむろざくら)の周辺に床几(しょうぎ)席を置き、昼は弁当、夜はすき焼きや酒を販売。出店は約90年前にさかのぼり、近年では寺に毎年60万円を納めていた。寺は、境内で肉を食べるのは不殺生の教えに反するなどとして、昨春から突然、出店を認めなくなった。
 判決は、茶店には寺の職員や僧侶に紹介された客も相当数いたと指摘。その上で、寺の財産を管理する財団を公益財団化することを視野に、花見に関する事業を寺から財団の収益事業に移行すれば、非課税になるという節税対策を検討していたと判断した。こうした点から、店の排除は宗教的な理由からでなく、公益財団法人化に向け、営利性を除く狙いだったと認めた。


兼好法師は、仁和寺の近くにある双ケ丘というところで隠遁生活を送っていたという。
仁和寺は当時、そうとうな権威を持ったお寺だったとか。
そんな仁和寺のエリート法師たちのおバカな言動を自著「徒然草」の中で描いている。

石清水八幡宮が山の上にあることを知らずに帰ってきた法師。
かわいいお稚児さんをびっくりさせようとして、かえって失敗した法師たち。
そして極めつけは、宴席で悲惨なことになった法師の話。

こんな話だ。
仁和寺で修行をしていたお稚児さんが、一人前の法師になったということで、
パーティーを開いた。
そんな中、お調子者の法師が一人、鼎を頭からすっぽりかぶって踊りを踊った。
周囲は大爆笑。
踊り疲れて、鼎を抜こうとしたら、抜けない。
耳や鼻がつっかえてしまったのだ。
宴はすっかり興ざめしてしまうし、
無理矢理抜こうとすると首のあたりの皮が破れて、血は出るわ腫れ上がるわ。
鼎をたたき壊そうとするけれど、とても硬いところへもってきて
ぐわんぐわん鳴り響くもんだから、当の本人がたまったもんじゃない。
医者のところへ連れて行ったが、医者だってこんな患者、どうしようもない。
家族の者を呼んで大騒ぎしていたところ、一人の法師が、
「こうなったら、たとえ耳や鼻がちぎれてしまっても、命には替えられない。
ただひたすら引き抜こう」

ということで、無理矢理引き抜いた。
その法師は耳や鼻がちぎれてしまったものの、何とか命は助かった。
でも、長いこと病の床にふせってしまった。

さて、くだんの裁判である。
「殺生なので茶店拒否」という宗教的理由が、実は後付けだったと裁判所から判断されて、
仁和寺が茶店への賠償命令を受けたという。
兼好法師がこんな話を聞いたら、「徒然草」にどんなことを書くだろう。

これも仁和寺にある法師、
境内ですき焼きを出すのは殺生のこととて、
茶店の営業を拒みけり。
茶店、年ごろ営みたること、今にして拒みたるは心得ぬこととて、
訴へにけり・・・