逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

核兵器級ウラン原潜を豪州に売るAUKUS

2022年09月15日 | 軍事、外交

豪シドニーで、豪海軍の潜水艦「ウォーラー」を視察するマルコム・ターンブル首相(当時、中央)とエマニュエル・マクロン仏大統領(左から2人目、2018年5月2日撮影、資料写真) AFP 2021年09月20日 | 軍事、外交 クーデターの真っ最中らしいアメリカ (^_^;) 

 

アングロサクソン三国(核)同盟AUKUS(オーキャス)

1年前の今日、2021年9月15日に世界帝国アメリカ、EUを離脱したイギリスおよびオーストラリアの(アングロサクソン)三国間の軍事同盟であるAUKUS(オーキャス)発足が唐突に発表された。それに伴い、ディーゼルエンジン推進の通常潜水艦の建造をオーストラリアと契約していたフランスは「寝耳に水」の契約破棄に追い込まれた。フランスのマクロン大統領が激怒したのは当然で、NATO諸国の中に大きな不信感が生まれる。

4兆円超の大型契約「豪の潜水艦建造 日本受注できず」

2016年4月26日  NHK

オーストラリアのターンブル首相は、2030年代以降に導入する新しい潜水艦をフランスと共同で開発すると発表した。日本は長時間の潜航が可能な電池など世界最新鋭の技術を強調したほか、アメリカを含めた3か国の安全保障上の連携強化にもつながると訴えていた。
日本は、新たな防衛装備移転三原則に基づき他国との共同開発で中核を担う初のケースとなることを目指して、政府と民間企業が合同チームを組んで、オーストラリア側への働きかけを強めてきましたが、選ばれませんでした。(抜粋)

「因果は巡る糸車」(6年前のフランス)トンビに油揚げをさらわれた日本

通常型潜水艦では日本の三菱重工が開発した世界で唯一スターリングエンジンを搭載した日本の海上自衛隊潜水艦「そうりゅう」が性能的に一番優れているので一旦はオーストラリアと契約合意まで行っていた。ところが、オーストラリア与党内での内紛で首相がターンブルに代わった途端に破棄された経緯がある。

またまたオーストラリア政府が心変わりしたが今回で2回目。

もしフランスのマクロン大統領が言うように新しい米英豪による新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の創設の通告がメディアの報道の後だったとすればNATO諸国に対する同盟国アメリカの裏切りである。トランプのアメリカンファーストどころか露骨なアングロサクソンファーストであり批判する言葉もない。

白人で西方キリスト教文化を共有するフランスでも駄目なら、モンゴル人種で異教徒で文化が違う日本を「もしもの時」にアメリカが助けるなど夢のまた夢。

240年前に覇権国家イギリスからアメリカが独立した時に支援したのがフランスで、その後一貫して米仏両国は親密な関係を維持している大事な同盟国だった。ところが、日本人では全員が忘れて「無かったことに」にしているが、1941年にアメリカに奇襲攻撃した元敵国が我が日本国である(★注、過去の悪いことを「すべてを水に流す」日本人は忘れているが、グローバルスタンダードのアメリカ人は決して忘れない)

常に一体構造の軍事と政治と経済(アメリカの場合は+マスコミと宗教)

戦争とは政治や経済の延長線上の行為だとはドイツの社会学者マックス・ヴェーバー(Max Weber、1864年4月21日 - 1920年6月14日)の有名な指摘なのですが、…今回もまさにその通りの展開になったようです。
オーストラリアの潜水艦の受注競争では日本の三菱重工とドイツのクルップ社、フランスのDCNS社の3社の競争だったが、この中で通常エンジンでの4000トン潜水艦を建造している実績があるのは日本の三菱重工だけ
ドイツのクルップ社は1000トンクラスの小型潜水艦には実績があるが大型潜水艦は未知数。
フランスのDCNS社の4000トン級バラクーダ型潜水艦は原子力推進。これをディーゼルエンジンに置き換えると燃料タンクなどの容量が3倍以上。基本的に根本的な設計変更が必要で、当初オーストラリアが日本製(三菱重工)に決定したのは当然な成り行き。ところが、土壇場で引っくり返る。多分オバマ(アメリカ)の横槍が入ったのです。(★注、5年前の前回はオバマのごり押しで日本を切ったアメリカの露骨なえこひいき。そのアメリカが今回はフランスまで切り捨てる。9・11から20年、今年8月15日のアフガニスタンからのアメリカ軍の逃亡からなら1カ月目。「貧すれば鈍す」でとうとう世界貿易センタービルのように最後の崩壊局面を迎えたのでしょうか?)

2018年6月12日、歴史上初めての北朝鮮の金正恩との米朝首脳会談をシンガポールセントーサ島(旧日本軍の英軍捕虜収容所跡で「背後の死者の島」)で開いた第45代アメリカ大統領ドナルド・トランプがインチキ郵便投票で無理やり失脚させても71年続いている朝鮮戦争を終わらせる流れは止められない。アフガニスタンでテロを繰り返していたアメリカ軍が8月30日に夜逃げしたが、すべては別々の出来事ではなく連動していると見るべきであろう。2021年09月18日 | 9・11事件と情報操作 満州事変から90年、9・11事件から20年

イギリス(BBC)の神をも恐れぬ真っ赤な噓

2016年契約のオーストラリア潜水艦は決して原潜ではないが、イギリスBBCは、「フランスは2016年、オーストラリアから原潜12隻の製造契約を獲得していた。」と平気で真っ赤な嘘を垂れ流していたのである、(★注、なぜBBCは子供だましの嘘八百を繰り返すのだろうか?「攻撃型原子力潜水艦」とはWW3の核戦争を想定した潜水艦の意味であるトンデモナク恐ろしい事実を、善良だが愚かなBBC視聴者を隠しているのである。これはニュースなどと呼べる代物ではなく悪質極まる詐欺かペテン)2021年09月20日 | 軍事、外交 クーデターの真っ最中らしいアメリカ (^_^;) 

ボーン・上田記念国際記者賞受賞、核や国際問題への取材が豊富な会川晴之・専門編集委員のコラム

木語

豪原潜計画、波高し=会川晴之


コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NEVER FORGET | トップ | 日朝平壌宣言から20年目の... »

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アメリカ製の使い捨て原子力潜水艦押し売り! (ローレライ)
2022-09-15 19:08:19
アメリカ製の使い捨て原子力潜水艦を押し売りされたオーストラリア!
使い捨てだから技術移転の必要も無い,というアメリカのエゴイズム!オーストラリアは土人扱いのカモ。
返信する
制空権の無いまま勝ったと言い出したアメリカ! (ローレライ)
2022-09-15 19:35:35
制空権も取れて無いのにウクライナでロシアに勝ったと言い出したアメリカは不思議だけどクリミア戦争でも戦場で負けていたイギリスが勝った事にして終わらせている!
返信する
ミサイル打てる安上がりなキロ級で良かった! (ローレライ)
2022-09-16 12:27:30
オーストラリアの注文に合う商品は,ミサイルが使える安上がりなキロ級潜水艦、だけどロシアか中國だからダメだろう。
返信する
ギュレン (セコイアの娘)
2022-09-17 08:35:33
バチカン、ユダヤ、CIAとつながるギュレン。
政権、メディア、経済界に影響力を持つとか。
トルコ版統一協会?
返信する
コウモリの大義 (セコイアの娘)
2022-09-17 12:45:23
イソップのコウモリは、鳥と獣から裏切り者と蔑まれたが、それは両者が和睦するまで生き残れたからであって、もしどちらかに忠誠を誓っていたどうなっていただろう。和睦するまで生き残れただろうか。
米露を天秤にかけるトルコ。トルコにできて、なぜ日本にできない?忠誠を誓ったところで、何一つ良いことないじゃない。コウモリで何が悪い。
返信する

コメントを投稿

軍事、外交」カテゴリの最新記事