逝きし世の面影

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「三度目の正直」か!米副大統領ナチ擁護の麻生副首相との会談キャンセル

2017年09月01日 | 政治
『ヒトラーに似ていたやかんの屋外広告、話題沸騰で品切れに』

20013年5月米小売大手JCペニーがカリフォルニア州の道路沿に出したヒトラー似の『やかん』の看板が話題沸騰。やかん(40ドル)は飛ぶように売れ在庫切れの状態に。ネットオークションサイトで200ドルの値段が付くほどの騒ぎになるが、最後はJCペニー側は謝罪して看板を撤去している。
欧米世界では、たとえ「やかん」の看板でも 『ヒトラーに似ている』は駄目、絶対に『やってはいけない』ご法度なのである。
このJCペニーの『ヒトラー似のやかん』騒動から二カ月後の7月29日、日本国の副総理である麻生太郎は都内で開かれた憲法改正の講演会で、『ナチスの手口を学んだらどうか。』と言っちゃった。(2013年07月30日 読売新聞)

『4年前のDeja vu』過去に学ばない麻生太郎
★注、
この到底言い逃れできない超お馬鹿な麻生太郎の『ナチスの手口に学ぶ』を報じたのは自民党政府に近い読売新聞一社だけだったことは実に興味深い。(朝日デジタルは講演当日の29日に報じたが何故か肝心要の部分を『わざと抜く』気遣いをしていた)
読売だけが、発言翌日に『ナチスの手口学んだら…麻生氏』との驚きの見出しを付けて第二面で報じていた。(ナベツネは麻生太郎が嫌いだったのだろう)
読売が報じたので多数の海外メディアが報じ、韓国や中国の政府が抗議声明を出す世界的な騒動が勃発。3日遅れで朝日や毎日、赤旗など他のメディアが報じていた。
『ヒトラー似のやかん』でも駄目なら、日本国で№2の発言が国際的な大問題になることは報道するまでも無く最初から分かっていた。当初『ナチス似』麻生太郎発言を報道しなかった朝日、毎日、赤旗などは報道機関としては最低だが、えらく愛国的ではある。『日本の恥である』(国益に背く)として報道したく無かった。
時系列的に見れば、麻生太郎の東京都内での講演を遠いアメリカや中国韓国ドイツなど外国が大騒ぎをしている有様を見て、これ以上隠し通せないと判断してから日本国内で報道した。愛国的ではあるが報道機関としては最低最悪で末期症状、情けない有様である。



『AFPなど欧米主要メディアは、麻生太郎、高須克弥、欅坂46など日本で続発するナチス擁護の風潮を報じる』

Japanese deputy PM apologizes for latest controversial Nazi comments(August 31, 2017 )と題して麻生太郎副総理のナチス擁護発言を大々的に取り上げた米三大ネットワークの一つCNNニュースのエゲツナイ記事。日本のメディアはそれほど大きく取り上げていないが海外メディアでは大騒動になっていた。
麻生太郎ですが、失言の常習犯でありその意味では少しも驚きではない。『ナチスの手口に学ぶ』発言の5年ほど前の自民党幹事長時代に同じようなナチス発言で叩かれているので今回で3回目である。
激怒した欧米世界の世論(主要メディアの論調)に押されて、とうとうペンス副大統領との会談がキャンセルになったらしい。(アメリカのトランプ政権としたら、今日本の麻生太郎副首相と会談することは『マイナスになる』と判断したことは間違いない)

『「ヒトラー発言」影響か? 麻生副総理の訪米が突然中止に』2017年9月1日 日刊ゲンダイ

 “ヒトラー称賛”発言でアウトか――。「日米経済対話」の事前協議として来週4日に、麻生副総理が訪米し、ペンス副大統領と会談する予定だったが、急に中止となった。
1日午前の記者会見で麻生副総理が明らかにした。
安倍首相の判断としたうえで「北朝鮮情勢もあり緊迫しているため、日本で危機対応に万全を期すよう指示があった」と理由を説明した。
ただ、本当にそれだけか? 
麻生副総理は先月29日、派閥の研修会で、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺の「動機は正しい」とヒトラーを擁護したとも受け取れる発言をした。翌日、撤回したが、米ユダヤ人権団体は「不快であり失望した」と声明を出していた。
米国はトランプの白人至上主義発言など、人権問題に敏感になっている時期。麻生副総理の訪米はトランプ政権批判の火に油を注ぎかねないと、ペンスが嫌がったか。
9月1日 日刊ゲンダイ


大きなリボンが特徴のきゃりーぱみゅぱみゅ似のコスプレ右翼稲田朋美防衛大臣の政治家として場違いなファッション

『日米2プラス2会談キャンセルから稲田朋美防衛大臣の解任までは一直線だった』

7月14日にワシントンで開催されるトランプ政権発足後、初めての日米2プラス2(外務・防衛担当閣僚協議)が突如、会談予定の2週間前に延期になっている。(都議選で歴史的大敗直後なので踏んだり蹴ったり)
米側のキャンセル理由とはティラーソン国務長官の日程調整が無理だと言うものだが、明らかにこじつけ。(国務長官の日程など、最初から分かっている話で、アメリカ側が防衛大臣の稲田朋美との会談を嫌がったことは明らか)
今年2月に米国のトランプ政権の閣僚として初めて外遊した戦う修道士とか狂犬との異名を持つ生粋の軍人であるマティス国防長官が初来日している。ところが、歴戦の軍人であるマティスはアニメキャラの『きゃりーぱみゅぱみゅ』を真似て大きなリボンを付けて出迎えた稲田大臣が防衛大臣としての資質がないことを即座に見抜いていたのである。(アメリカがキャンセルした直接の理由は稲田大臣が辺野古基地建設での大失言『機密漏洩』だとの説が有力)
唐突にアメリカ側からキャンセルされた日米2プラス2会談予定日から稲田朋美の防衛大臣解任までの時間的余裕は、たったの2週間であった。(稲田朋美のような小物政治家とは違い麻生太郎副首相は、首相経験者の超大物なので、安倍晋三としても簡単には首にできないが、解任しないと首相の方が危なくなる。阿呆太郎の放言で突如として進退窮まった絶体絶命の危機に突入した)

孫崎 享‏ @magosaki_ukeru  
「5日に米国・ワシントンで予定されていた麻生副総理兼財務相とペンス米副大統領との非公式会談が中止されることがわかった。北朝鮮情勢の対応のためだという。」(朝日)よくわからない動き。北朝鮮問題があるから日米で会談を、なら解るが、北朝鮮問題があるから会談中止ってどういうこと?
18:51 - 2017年8月31日

元外交官の天木直人氏『ヒトラー発言に米怒り 麻生副総理は経済対話で大幅譲歩も

「もし、アメリカの副大統領が『ミスター麻生とは会いたくない』と会談を拒否したら、麻生発言は世界中で大きなニュースとなり、アメリカの副大統領と会えないとなったら、麻生副総理は辞職せざるを得なくなるでしょう。安倍政権を支えている麻生副総理が引責辞任となれば、安倍内閣も総辞職に追い込まれる可能性が高い。つまり、アメリカは安倍内閣を倒す生殺与奪の権を握ったということです。
あのアメリカが、このカードを利用しないはずがない。公式の会談の場では一切触れなくても、非公式の1対1の場面では、ペンス副大統領は<こちらは発言を問題にしてもいいですよ>と恫喝してくるはず。麻生副総理は、日米経済問題で大きな譲歩をせざるを得なくなる可能性が高いと思う」
2017年8月31日 日刊ゲンダイ

志位和夫‏ @shiikazuo · 8月31日
「手口を学んだら」に続く「動機は正しかった」。撤回ですむ問題ではない。2回も続いた。こうなると麻生太郎氏が、ヒトラーに対するあるシンパシーを抱いていることは、否定しようもない。
日独伊の軍国主義・ファシズムに対する断罪は戦後国際秩序の原点だ。それを否定する者に閣僚の資格はない。

毎日新聞‏ @mainichi · 8月30日
社説:麻生副総理の「ヒトラー発言」 撤回して済む話ではない
麻生太郎副総理兼財務相が、ナチス・ドイツの独裁者、ヒトラーの動機は正しかったと受け止められる発言をし、きのう、慌てて「あしき政治家の例としてヒトラーをあげた」と釈明、撤回した。
しかし、発言の真意をそう受け取れというのは無理がある。
日本国内にはナチス肯定の言説がある。麻生氏らがこうした傾向を助長しているとすれば責任は重大だ。(抜粋)

金子勝‏ @masaru_kaneko · 8月30日
【外から日本を冷静に見る】
麻生のヒトラー礼賛をガーディアン、タイムズ、AFP,ブルームバーグなど海外メディアが次々報じ、Jアラート「空襲警報」の空騒ぎもNYTなどにからかわれる中、NHKが朝から(白人至上主義の)トランプと2度の首脳電話会談は異例と「戦時報道」。そういう国です。

『いまの民主主義の最も基本的な共通の価値観とは、「反ファシズム」である』

麻生大臣の発言取り消し騒動ですが、これは『ヒトラーの動機は正しい』『ナチスの理念自体は正しかった』(やり方が不味かった)的な一番ヤバい文脈で海外に伝わっていた。
これは安倍晋三(日本政府)が、ことあるごとに繰り返す冷戦時代と同じ発想の日米同盟の根幹をなす『価値観の共有』が脅かされている。(本来なら左翼ではなくて、日米同盟に依拠する『右翼』こそが麻生太郎の妄言に怒るべきなのである。)
半世紀も続いた冷戦時代の『反共十字軍』なら日米両国は確かに強固な同盟国である。(ところが冷戦は四半世紀も前に終わったいた)
そもそも日本とドイツ(ナチス)は無関係ではなくて過去には同盟国だったのである。
日独伊三国同盟を忘れて『ナチスの理念は良くても、』とか『ナチスの手口に学ぶ』など麻生太郎がうっかり口走った言葉の意味は重い。
麻生太郎は、『ナチスや日本軍国主義反対』ならアメリカとロシア(ソ連)や中国は同盟国であり、逆に日本が敵国になる明確な事実を失念しているのである。



★注、
ことあるごとに『日本は悪くない』と繰り返す麻生太郎にしろ安倍晋三にしろ同じで、日本軍国主義がナチスのようなファシズムだった事実を絶対に認めたくない。
確かに日本のファシズムの際立った特徴ですが、イタリアのムッソリーニやドイツのヒトラーのような明確な戦争指導者がいなかった。欧米のファシズムとは明確に違っていた(ムラ社会に似た)『馴れ合い』構造なのである。(その意味では敗戦後の一億総懺悔もある意味正しかった)
開戦責任を問われて極東軍事裁判で死刑になった東条英機首相(陸軍大将)も戦争をしたくなかったし唯一の主権者であるヒロヒト天皇も戦争をしたくなかった、ところが誰も彼も同じで(全員が周りの空気を読む日本独特の共同体的な雰囲気で)一人として強く反対する勇気が無かったので勢いに流され『何となく戦争に突入した』のである。(自ら戦争を始めた自覚が無いので責任感も無い)
今年の玉音放送72周年の記念日に放送されたNHKスペッシャル(再放送が8月26日(土) 午前0時50分)では、インド駐留の英軍を攻略するとの『インパール作戦』では、なんと、誰も立案者がいなかったし、その目的も不明だった(誰の責任でも無く、いつの間にか始まっていた)との、なんとも不思議で驚愕的な『怖ろしい事実』を放送していた。
日本国ではどれほどの凶悪事件を起きても、ムッソリーニやヒトラーのような責任者の『極悪人』がいないのである。





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1 コメント

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『ナチス上げは対米政治タブー』 (ローレライ)
2017-09-02 07:05:13
『ナチス上げは対米政治タブー』と気づかない麻生氏らの『ガラパゴス感覚』は失脚の道。
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