逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

何とも恥ずかしい自虐行為

2015年10月13日 | 政治
『世界的な恥さらし』

『日本の漫画家がシリア難民を軽蔑するイラスト掲載』(ハンギョレ新聞社)

「他人のお金で贅沢がしたい...難民しよう」 
支援団体が撮影した6歳の子供の写真をもとにイラスト 
利己的で恥知らず少女に歪曲 
原作の写真家「恥を知れ」と怒り隠せず
日本の女性漫画家が、5年間近く続いた内戦で数百万人の難民が発生したシリアで苦しむ少女の姿をもとに人種差別的なイラストを描いた。在日朝鮮人・韓国人に対する日本の人種主義がいまや無実のシリア難民に攻撃の対象を拡大した模様だ。
 日本の漫画家、はすみとしこ氏は先月初めフェースブックに、寂しい目で正面を見つめるシリアの少女の写真を使って、彼らを蔑視するような内容のイラストを描いた。はすみとしこ氏は元の写真の少女の目つきを利己的で恥知らずな雰囲気に変えた後、「『安全に暮らしたい、清潔な暮らしを送りたい、美味しいものが食べたい、自由に遊びに行きたい、おしゃれがしたい、贅沢がしたい、何の苦労もなく、生きたいように生きていきたい』他人のお金で。そうだ、難民しよう!」というメッセージを添えた。長年の内戦による苦痛と死の脅威と戦いながら、故郷を後にしなければならない難民を外国の税金を使い込む者として描いたのだ。

 イラストの原本は、国際救護団体「セーブ・ザ・チルドレン」の写真家、ジョナサン・ハイアムズ氏がシリア国境近くのレバノン難民キャンプで撮影した6歳の少女の写真だ。ハイアムズ氏は自分のツイッターに「純真無垢な子供の写真が歪んだ偏見を表現するために使われたことについて、衝撃と深い悲しみを感じている。シリア人の苦痛を歪曲して伝えている。恥を知るべきだ」と怒りを隠せなかった。日本の一部のネチズンたちもインターネットを通じて、このイラストの削除を目指す署名運動を展開して、1万人の署名を集めた状態だと毎日新聞が8日報じた。

 シリア難民に対するはすみとしこ氏の歪んだ視線は、最近の日本社会を蝕む人種主義がいたるところに入り込み、自分と関係のない弱者にまで攻撃の範囲を広げていることを示している。はすみとしこ氏のフェイスブックには、しゃがんで座った朴槿恵(パク・クネ)大統領の写真を使って、「日本人のお金で安全に暮らしたい。そうだ、(日本に)密航しよう」というイラストなど、他の嫌韓メッセージも公開している。

 安倍政権はこのような日本社会の病理現象を事実上黙認している。イギリスのBBC放送は、今回のはすみ騒動を取り上げ、「安倍政権が最近、国連総会演説で、シリア難民のための資金支援の意向を示したが、難民を日本に受け入れることは拒否した」と報じた。

 日本政府は在日韓国・朝鮮人に対する「ヘイトスピーチ」(人種嫌悪発言)を規制すべきだとする日本の市民社会の要求に対しても、「表現の自由を侵害する恐れがある」として関連した議論を躊躇している。

東京/キル・ユンヒョン特派員10月9日(金)ハンギョレ新聞



『朝鮮日報コラム【萬物相】ユネスコを脅迫する日本の品格』

日本が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)を批准したのは1992年だ。この条約が発効したのは75年のことだから、かなり遅かった。韓国は88年、中国は85年と、日本より先に批准した。日本は分担金をどれだけ支払うかについても、ユネスコと駆け引きをして決定が遅れた。遅刻してきた日本だが、米国に次ぐ多くの基金をこれまで支払っている。金を出した分だけのことはしてもらおうという腹積もりなのだろうか。その後の日本の欲は並外れていた。

 批准の翌年、一度に4件の世界遺産を登録したのを皮切りに、これまで19件の登録に成功している。アジアでは「人類文明の発祥の地」中国・インドに次いで3番目に多い。日本ほどユネスコ世界遺産をPR用に利用している国も珍しいだろう。閉山して人けのない「石見銀山」を世界遺産に登録し、屈指の観光地にしたのが8年前のことだ。その時に自信が付いたのか、韓国人にとっては強制労働の恨(ハン=晴らせない無念の思い)が宿る廃鉱まで、今年登録リストに追加した。おかげで観光客は数倍に増えたという。

 政治的利用度で言うと、1996年に登録された世界遺産「原爆ドーム」をしのぐ遺産はない。米国の原爆投下で骨組みだけ残った広島の中心地にある象徴的な建物だ。登録当時、米国は「被害だけを強調し、加害は忘れようとしている」と批判した。日本は「平和の象徴」と言って押し通し、米国は積極的には反対しなかった。平和と共存を重視する国連の精神を尊重したからだ。

 世界遺産による日本の「被害国アピール」はこれで終わりではない。今月8日にユネスコ世界記憶遺産になった「舞鶴への生還」記録は第二次世界大戦時にシベリアに連行された日本人の抑留手記570点を指す。この中には民間人もいたが、主に中国を侵略してソ連軍に捕虜として連行された日本軍兵士たちだ。登録に成功した日本は万歳と叫んだが、ロシアは不愉快だっただろう。それでもロシアはおくびにも出さなかった。国連の精神がそうだからだ。

 同じ日、中国の「南京虐殺」の資料も世界記憶遺産になった。日中戦争当時、旧日本軍が南京で犯した蛮行とその惨状を記録した中国側の資料だ。すると、日本政府は顔色を変えた。資料に含まれている犠牲者数を問題視し、「極めて遺憾」と過敏に反応した。さらに、菅義偉官房長官は「(ユネスコの)今の制度そのものを変える必要がある」として、ユネスコに対する日本の拠出金の削減や停止を検討する考えを示した。自民党からは「ユネスコ分担金を白紙化する」という発言まで出たという。カネをちょっと出しているばかりに、世界を下に見ているようだ。安倍政権の傍若無人ぶりは感じていたが、これほどまでに品格がなくなっていたとは思いも寄らなかった。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
2015/10/13朝鮮日報

『世界規模の究極の恥さらし』

中国が申請していた『南京大虐殺文書』がユネスコの記憶遺産に登録されたことで日本政府は『断固たる措置を取る』として、ユネスコの分担金拠出の停止や削減、一時凍結などで脅かして『登録見直し』を強要すると発表した。
日本政府ですが、『近代文化遺産だ』として最も危険なテロリズムや極端な排外主義、軍国主義、征韓論のルーツである吉田松陰の『松下村塾』を世界文化遺産に180度コペルニクス的に変身させている。
その日本政府が今回、ユネスコ世界記録遺産に南京大虐殺記録が登録されたことでユネスコの中立性を非難した。
非難されるべき安倍晋三(日本政府)の歴史修正主義が、あろうことかユネスコを非難するということに呆れるやら驚くやら。
『松下村塾』の塾生の中では一番慎重で理知的、もっともリベラルで国際感覚に秀でていた初代日本国総理大臣の伊藤博文でも過去には残虐なテロ行為を行っている。
伊藤博文は英国公使館焼き討ちに参加しただけでは無く、老中の依頼で『過去の幕府が行った外国人の待遇や式典』を調査していた国学者の塙次郎忠宝(はなわ じろう ただとみ)を『廃帝の典故』だと勘違いして仲間と二人で切り殺した正真正銘のテロリストだった。
(伊藤博文自身が晩年ベルリンでシーボルトの長男アレクサンダー・フォン・シーボルトに過去の罪を告白していた。この夜の伊藤博文の余りにも衝撃的な告白を聞いたシーボルトは、伊藤博文の本心からの懺悔だと思えたのでこれを綴った日記の最後に『美しき魂の告白!』と結んでいる)

歴史修正主義の権化的な、『日本の「負の歴史」にいたずらに焦点を当てるべきでない』??

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に日本の申請したシベリア抑留が登録されたが、同じ時期に中国が申請した南京事件の資料も登録されていた。
なんと、日本政府は10月10日、『中立・公平であるべき国際機関として問題であり、極めて遺憾だ』と厳しく非難したと言うから驚きだ。
日本政府は、記憶遺産事業が中国に『政治利用された』とみており、今後、事業の見直しを求めていく方針だという。
日本も南京大虐殺が一切無かったと言っているわけでは決して無い。
南京大虐殺の事実関係の有無では無くて、中国側の30万人との数字に『20万人以下だ』と異議を唱えているだけの些細な話である。
本来なら揉めることは少しも無い。犠牲者の精細な人数など、それこそ研究者や専門家の判断にすべて任しておけば良いのです。政治家があれこれ口出しすべきではない。
(日本は『諸説あり、正しい数を認定するのは困難』(外務省)との立場)
日本政府ですが、9月3日の対日戦勝70周年記念式典への潘基文国連事務総長の出席と同じ根本的な勘違いである。(政府は今回と同じ言葉で事務総長の出席を非難した)
日本語では『国連』と『連合国』とはまったく別々の意味の言葉だが、英語表記なら United Nations(UN)で、この二つは同一組織なのです。

『国連機関(UN、連合国)を敵に回す日本の不見識』

70年前に日本が無条件降服した連合国(United Nations、UN)が『中立で公平な国際機関』とはまったく違う事実は子供でも知っている。(国連憲章には今でも日本やドイツに対する敵国条項がある)
時事通信によると、『外務省幹部は「日中関係を改善しようとしているときに日本の『負の歴史』にいたずらに焦点を当てるべきでない」と不快感を示した』とある。
呆れ果てた歴史修正主義の権化なのか。それとも小役人的な『事なかれ主義』(臭いものに蓋)なのか。
何れであるかは不明だが、もしも外務省幹部の主張が事実であるなら日本も『いたずらに過去の負の歴史に焦点を当てる』シベリヤ抑留を取り下げるべきであろう。
しかし、それ以外では目から鱗。『なるほど。』♪!『そうだったのか。』なのである。
挙国一致の大本営発表でフクシマの危機を隠している日本ですが、今その『謎』が完璧に解けた。
今までの数々の摩訶不思議な日本政府やマスコミの意味不明の行動や発言ですが、すべては『日本の「負の歴史」にいたずらに焦点を当てるべきでない』で終始一貫していたのである。
未曾有のフクシマの3・11核事故後に、いみじくも枝野幸男が何遍も強調していたように『放射能は直ぐには影響しない』ので一定期間は(負の歴史を)『無かった事にする』ことは可能だが、時間が経過した後では確実に影響してくる。
現在は挙国一致で『いたずらに過去の負の歴史に焦点を当てるべきではない』と、日本のカタルシスを先延ばししているが、それでも 『2020年を過ぎると、見たくない現実がすべて見えてくる。』
過去の歴史は隠せても、(時間が経てば余計に)目の前のフクシマの現実は隠せなくなる。

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8 コメント

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犯罪 (ましま)
2015-10-13 10:08:05
「恥知らず」というより犯罪ですね。

拉致家族を救う会は、安倍首相一派を含め右翼や宗教団体に牛耳られているようですが、「死亡者のデータやその証拠物件の提供」を受け取り拒否しろという意見に支配され、反対する会員の脱退騒ぎになっているようですが、それと同根ですね。被害者家族の中には、もしなくなっていれば、生きているうちに供養してあげたいという願いまで断ち切ろうという暴挙で、まさに犯罪です。

公共の福祉に反する明らかな犯罪です。
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恥知らずは犯罪よりも悪いと思ってしまったり・・ (パンダ)
2015-10-13 21:27:38
ましま様の

> 「恥知らず」というより犯罪ですね。

同感です。でも私、ましま様のコメントを読む前に『もう、犯罪を通り越して恥知らずですね』と書こうとしていました。

犯罪は些少であれ同情の余地があったりする場合もあります。しかし、記事の件に読み取れる「恥知らず」は心根に関係するので修正とか学習とかに無縁です。死ななきゃ治りません。多分、死んでも治りません。
ましま様に異議を唱えてるのじゃありません。私も同じくらい怒ってしまいました。
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恥さえも感じ得無い (農婦)
2015-10-14 04:47:04
なんとも知性のない、政治家ばかりとなってしまいましたね。菅官房長官の顔をみるたびムシズガハシリマス。
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そもそも総研の (農婦)
2015-10-14 05:14:45
玉川さんは、しっかりと見てます。ただ、庶民、大衆は理解できないのでしょう。でも玉川さんは庶民にもわかりやすく教えてくれてます。あの方が夜の番組で言えたら、もっと大衆も気付くはずなんですがね。8/30日の国会議事堂前は40万人はいたと、感じました。安保法案に反対の集会ですが、安倍晋三政権に抗議する集会デモが起きる事を祈ります。
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貧すれば鈍す (ちくわ)
2015-10-15 12:56:50
これを描いた人間と同じような人間が2割、無自覚に同じ行為を行っている人間なら5割近くいるでしょう。
確かに難民は援助を受けていますが、一日数百円程度。それを妬み羨み憤りほどに日本人は劣化してしまった。哀しいことです。
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3手の読みが出来ない不幸 (宗純)
2015-10-16 12:21:06
皆さん、コメント有難うございます。

どこか外国の反日工作員とか敵国のスパイの仕業(世論誘導とか印象操作の悪質なプロパガンダ)だとすれば素晴らしい出来上がりですよ。
ただ、今回は日本を貶める目的の外国のスパイの反日宣伝では無くて、熱烈愛国者による自爆攻撃。
この連中ですが脳みそが単細胞。
『相手が何を指すか』との3手先の読みが出来ないので、目の前に餌に飛びつくダボハゼ並みの1手先しか考えていない。
頭が悪すぎて、自分が悪質極まる反日行為をしている自覚が無いのですから救いようが無い。
哀れでは有るが何とも腹立たしい話である。
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報道しない自由 (和泉)
2015-10-24 11:48:00
2014年に日本はオーストラリアとの捕鯨におけるICJの訴訟で敗北しましたがこれをなんと今月10月のはじめに「国際司法裁判所の強制管轄権を除外する」と通告しました。

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/japan-rejects-international-court-jurisidiction-over-whaling-20151018-gkc7rm.html

https://treaties.un.org/Pages/Declarations.aspx?index=Japan&chapter=1&treaty=311

このような「愛国者」が吹き上がるのを見るとこの満州事変後の逆ギレ行為を21世紀になってまた見ることになるのも当然でしょう。そしてこの恥ずべき行為を報じる国内マスコミが共同ですらしないという薄ら寒い事態になったというべきでしょう。もはや紙やテレビ媒体では真実どころか事実すら知ることができないようです。
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日本の南極海の調査捕鯨について (宗純)
2015-10-25 10:30:59
和泉さん、コメント有難うございます。

日本の南極海のいわゆる「調査捕鯨」についてですが、これ、捕鯨技術の伝承目的とか、科学的な調査とは別の理由ですね。現在は鯨肉は高すぎて在庫が積みあがるばかり。商業的になりたたないのが現状です。
2014年に日本がオーストラリアとの捕鯨におけるICJの訴訟で敗北した最大原因とは、まさにこの日本側の弱点を突かれたことに尽きるでしょう。
科学調査との名目で、小規模な商業捕鯨を日本が細々と続けていた。これでは敗訴しても当然なのですが、
日本国内では通用しても、この日本的なインチキが世界で通るはずがない。
10月6日付けで、日本がICJの強制管轄権から「海洋生物資源の調査、保全、管理、ないし開発に関わるいかなる紛争」を除外するが、本来なら敗訴する2014年の前に行うべきでしょう。順番が不味すぎる。
ただし、捕鯨禁止は科学とは無縁です。
鯨保護はベトナム戦争のオレンジ作戦隠蔽工作
2008年04月21日 | 社会・歴史
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/f78ac11c595bd180e315e90e026fec29

策士中の策士だったアメリカのニクソン大統領の戦争プロパガンダの副作用が、今に続く捕鯨反対だと知る人は今ではずいぶん少なくなってしまいましたが、実は日本の言い分のほうが捕鯨については正しいのです。
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