逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

日本の「終戦」 対義語は「開戦」か「継戦」

2018年08月14日 | 政治
在庫一斉処分のような米軍の空爆『まさに蜂の巣で誰が見ても100%間違いようがない日本の「敗戦」(対義語は戦勝)なのに、・・・なぜか「終戦」と誤魔化した』

渡邉英徳‏ @hwtnv
73年前の今日。1945年8月14日,岩国空襲。100機以上のB-29が,岩国駅周辺を絨毯爆撃。写真では,地面に無数の爆発孔がみえる。死者517人,行方不明30人,負傷者859人,罹災者5,911人。ニューラルネットワークによる自動色付け。


札幌市豊平区に置かれていた旧陸軍の北部軍司令部で、作戦室に勤務していたという大坪稱(ただい)さん(故人)が、終戦直後に広場で書類が焼却された様子を描いた絵(「札幌郷土を掘る会」代表の小松豊さん提供)

『公文書廃棄、73年前も 敗戦の霞が関に何日も炎と煙が』2018年8月13日 朝日新聞

73年前の敗戦時、陸海軍や内務、外務、大蔵各省など日本のあらゆる組織が、機密性のある公文書焼却に血眼になった。
敗戦時の公文書焼却について、当時の蔵相は「閣議で決めた」と戦後語っている。内務省職員だった奥野誠亮元法相は生前、「戦犯にされる恐れのあるような公文書を焼却しろという指令を書いた」と証言した。
戦友の生きた証し、私は焼いた 91歳が告白する「罪」
東京裁判に出された証言では、陸相により焼却が命じられたのは8月14日。防衛庁の防衛研修所30年史は「陸海軍は、秘密文書が連合国軍の手に落ちるのを防ぐため、重要文書を焼却した。陸軍省や参謀本部のあった市ケ谷台、海軍省や軍令部のあった霞が関などでは、何日間も炎と煙が立ち上った」と記す。
赤紙配った、みんな死んでしもうた 軍に背き守った秘密
日本軍の暗号電報を解読した米英の文書には、インドネシアやシンガポールに展開する軍に焼却が命じられた様子も記録されている。
歴史を伝える資料の多くがこうして失われたが、偶然にも残されたケースもある。国文学研究資料館(東京)の加藤聖文准教授(51)は、各地の自治体で貴重な資料を確認してきた。ただ、公文書への意識の低さや自治体の財政難などから、散逸や腐食の恐れがあるものもあるという。
今夏に訪ねた鳥取県境港市では、本土決戦時の動員の流れを示す「(秘)」と書かれた資料などが段ボール箱に詰め込まれ、旧幼稚園舎に山積みされていた。図書館建て替えに伴う一時的な保管場所だが、担当する市史編纂(へんさん)室は嘱託職員1人のみで、「人員や予算の確保も難しい」状態という。
加藤准教授は、焦りを募らせる。「私たちの両親や祖父母ら当時を生きた人たちの生死に関わる記録です。『公文書=国民のもの』と自覚しないまま、私たちは今後も歴史を消し去っていくのでしょうか」(木村司)
8月13日 朝日新聞



『いわゆる「保守派」は、「現実派」ではなく「幼児派」である』2016年12月26日 京都新聞夕刊

2016年文部大臣や法務大臣を歴任した奥野誠亮(1913年生まれ享年103歳)が世を去った。東京帝国大学法学部卒業、内務省官僚となり、事務次官から自民党衆議院議員に13回連続当選のいわゆる保守派である。
憲法改正を積極的に唱え、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の初代会長。国土庁長官だった88年に日中戦争は「あの当時日本に侵略の意図はなかった」との舌禍事件で辞任に追い込まれた。いわゆる従軍慰安婦問題も『商行為だ』と言い切り、夫婦別姓も反対した。「満州国は五族協和の国だった」、「靖国神社参拝が政治問題化されるのは理解できない」等々と不変である。
日本のトップエリート
大戦末期には東京大空襲の現場で避難誘導にあたるなど、大変な修羅場をくぐった奥野誠亮の言動の「幼さ」に驚きを禁じ得ない。
今日、奥野誠亮ら保守派は、戦後希薄化した日本人の国家意識を適切なレベルまで再建する「現実的」かつ「大人の」思考であると考えられている。
馬鹿げた勘違い
どのような証拠を突きつけられても「我が国は決して悪くなかった」と言い募ることとは、幼児的全能感に固執することにほかならない。
子供じみた態度は終戦時に内務官僚として大量の公文書の焼却に関わり、そのことを恥じる気配もなかった という事実によって証明されている。
戦争犯罪の証拠を占領軍から隠す
この行為は、現在も歴史論争を混乱させる要因となっているという意味で禍根を残しているが、「奥野的」な保守派的は、のっけからの破綻している。
「我が国に正義はあった」と確信するなら、証拠を焼く必要はなかった。
「勝者が敗者の言い分を認めるわけがない」という言い訳は、到底成立し得ない。
義を確信するなら、「不当な罰」を引き受け、いつの日か義が認められるよう証拠を残すのが当然の行為だった。
ところが、このトップエリートは、悪さを咎められた時の子供のような態度を、1世紀以上生きてなお、取り続けた。
「お別れ会」の実行委員長は、「議事録改竄」の安倍晋三首相で、けだし適任である。歴史の審判にさらされる勇気の欠如において奥野誠亮はまさに大先輩であり、現政権は嫡流なのである。
白井聡 京都精華大学人文学部専任講師(政治学・社会思想)
(抜粋)
2016年12月26日 京都新聞

★注、
寝小便した布団を隠す出来の悪い幼稚園児のような我が日本国のトップエリートの幼児性を指摘した白井聡の発想は素晴らしいが、少しだけ重大な見落としがある。
『いわゆる保守派』(ネットウヨ)ですが『日本は悪くなかった』とはいうが、『日本が正しかった』とは決して言わないのである。(『日本が正しい』なら自動的に『アメリカが悪い』になるので対米従属の国是と完璧に矛盾する)
『日本が正しい』なら、白井聡のいうように『義を確信するなら、「不当な罰」を引き受けいつの日か義が認められるよう証拠を残すのが当然の行為』になるが、一字違いでお大違い。
悲しいかな日本の場合には『正しい』では無くて、『悪くない』だった。
この場合、『悪さを咎められた時の子供』では無くて、『愛人との情事の現場を押さられた時』の不実な男の態度と同じで、今後も夫婦関係を円満に続ける心算なら『知らぬ存ぜぬ』(二人が裸なのはプロレスの練習だ)との白々しい嘘八百で押し通すしかない。悪事の証拠となるメールの削除などは、まさに『大人の知恵』だったのである。(トップエリートは日本の敗戦で、即座にアメリカに乗り換えた)



【朗報】灘・筑駒・麻布など進学校40校が、日本で唯一「慰安婦」を扱う「学び舎」歴史教科書を採用!2016年03月19日Everyone says I love you !

灘中など日本有数の進学校では、今、歴史教科書に「学び舎」さんが採択されている、と産経新聞が悔しそうに記事を書いています。
なにしろ、フジサンケイグループの一員である扶桑社系列の育鵬社から、歴史修正主義で悪名高い歴史教科書が出されていて、極右団体日本会議と結託して、日本中の学校で採択させようと運動を続けていますからね。
この学び舎の中学歴史教科書『ともに学ぶ人間の歴史』執筆者約30人は全員が現職・元職の教員です。
子どもの視点で教科書をつくろうと、2010年から5年間、毎月学習会を重ね、議論を経て執筆してきました。資本金を集め、ゼロから会社を創業。経理を担当するため、歴史の先生なのに資格専門学校に通って簿記の資格を取った会員もいるということです。
この歴史教科書も受験受験ではなく、他の教科書会社だと必ず見る重要語句の太字がありません。歴史を暗記科目にしないための配慮からです。
この教科書では、「問い直される戦後」の項目を設け、なんとか資料として慰安婦問題での「河野談話」の要点を掲載しています。
その中には、韓国人の元「慰安婦」、金学順(キムハクスン)さんの名前も出ています。
1997年度版の中学歴史教科書で7社全てに記述された「慰安婦」の用語が皆無になっていた事実を思えば、負の歴史も含めて生徒たちに伝えようという歴史の先生たちの教科書が、比較的自由な進学校で使われることは偶然ではないのではないでしょうか。
学び舎教科書に400か所も意見を付けて何とか排除しようとする文科省が、育鵬社の教科書は通してしまっているのですから、もはや教科書検定は国定教科書選定化していて、教育の自由、表現の自由を侵害していることは明白だと思います。
「慰安婦」制度がなかったという人はだれもいないのですから、10年も教科書に載せられない、ほかの教科書には全部載っていないという事実に恐怖しました。
(抜粋、以下省略)
★注、
日本国のエスタブリッシュメントであるキャリア官僚の養成所である東大なとの旧帝国大学等の進学予備校(エリート養成所)だけは、国際問題となっている日本軍従軍慰安婦問題を教えて、それ以外の一般庶民向けの学校では教えないとの疑似アパルトヘイトがとうとう日本で起きていたとの笑えないブラックジョーク。



『「国体の150年」としての近代日本史』5月16日 京都新聞夕刊

「国体」とは?
明治時代に形成された「国体」の概念は、「万世一系の天皇が永久に統治する世界に類を見ない日本国家の在り方」を意味し、昭和ファシズム期の「国体明徴声明」、「国体の本義」のように、戦争に対する異論を禁圧し、国民を動員する装置として猛威を振るった。ファシズムを支えた治安維持法は、「国体の変革」を目指す組織(共産党)への参加罪だった。(国体の変革は極刑)
なぜ「国体」なのか?
敗戦後の民主化は、旧「国体」の破壊を意図したので「国体」は死語となった。
しかし日本の対米従属の特殊性という形で「国体」は再編され、戦後社会を強く規定している。
アメリカに対し、あまりにも卑屈で恥知らずな姿勢をとっている事実を否定する日本人の意識の上にのぼらない『不思議な現実』を説明しうる概念が「国体」である。
すなわち、戦後日本の対米従属の構造が、戦前の天皇制による「国体」の後継者となっているために、「従属の現実を否認する従属」という奇怪な形の従属が成立した。
「戦前の国体」は、日本国は天皇を大いなる父とし、国民をその「赤子」とする永遠の家族であると自己規定していた。それは、国家の権力性、支配の事実を否認する権力であった。
この国民と天皇の関係性を、戦後の日本とアメリカの関係に投影したとき、「戦後の国体」が立ち現れる。
日本が慈悲深きアメリカの懐に抱かれる「赤子」であるとすれば、そこには従属・支配の関係など存在しない。「菊と星条旗」は、それぞれ戦前と戦後の「国体」の頂点を占めるシンボルを言い表している。
一度目は悲劇、二度目は茶番
戦前、天皇制が民主主義の限界を成した。今日も事情は同である。支配の事実を否認している限り、われわれの社会は自由を希求し得ない。
かくして、戦後日本の特殊な対米従属は、単に国益に関する判断を歪ませているだけでなく、社会の中身を腐らせた。無能・不正・腐敗の極みに達した安倍晋三政権の継続をわれわれが許しているという事実はこのような社会の有り様の反映であり、われわれがいま経験しているのは、「国体」の二度目の崩壊過程なのだ。
(抜粋)
白井聡 京都精華大学人文学部専任講師(政治学・社会思想)
5月16日 京都新聞

『8月15日の「玉音放送」が日本の敗戦では無く終戦と呼ばれている意味とは、』

ソ連はヤルタ会談(米英ソ首脳会談)で決定していた『ドイツ降伏から3カ月以内の対日参戦』の約束をギリギリのタイミングで実行する。
1945年8月9日未明のソ連参戦で日本は即座に御前会議を開催してボツダム宣言受諾(無条件降伏)を決定、『玉音放送』以前の8月10日には連合国側に連絡しているし、政府はマスコミ(新聞社など)にも敗戦した事実を説明している。
ソ連参戦で『日本の敗戦』は確定した。(日本が『国体護持』だけが目的なので、ソ連参戦を聞けば即座に降伏するとアメリカは知っていた)
それまで戦争煽りに煽っていた朝日新聞や毎日新聞、読売新聞など新聞社は読者に対して『日本の敗戦を、それとなく察してくれ』との事情をよく知る知識層の専門家が読めば『日本の無条件降伏』が薄々分かる。ところが、事情に疎い一般市民が読めば意味不明な偽装記事を書いていた。同じく肝心のヒロヒト天皇の玉音放送でも『日本の敗戦』の言葉が1行も無かったのである。
一億総『日本の敗戦を、それとなく察してくれ』(敗戦の言葉はタブー中のタブー)だったのですから、日本では(『敗戦』を否定する目的で)同義語として『終戦』の言葉に置きかえて誤魔化し、73年後の今でもその状態が続いている。
『日本の敗戦』なら対義語は戦勝になって、(アメリカの勝利で)第二次世界大戦は1945年に終わっている。
ところが、対米戦争での日本の敗戦を曖昧にする『終戦』なら、その 対義語はなんとも剣呑な『開戦』か『継戦』になる。(アメリカが勝てなかった休戦協定の朝鮮戦争は現在も継続中)
日本の『国体』が73年前の以前の天皇から、『玉音放送』以後はアメリカに中身が入れ替わっただけで絶えることなく延々と150年間も続いているとの白井聡の発想はユニークであるが、真相の一端は間違いなく突いているでしょう。(現人神としてのアメリカが、日本の上に君臨しているとみると色々な不可解な事実の説明が簡単につく利点がある)








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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-08-16 08:20:40
国際的に敗戦日は9月2日
恒久平和のための「終戦」と「9条」は同一の思想。
解放されなかった世界で、
改憲論者が8月15日に拘るのは
滑稽としか言いようが無い。
返信する
暴露万歳 (案山子)
2018-08-15 04:44:04
先ほど見た大摩邇ブログでも、とうとう日航機撃墜事件が事実だった事が暴露されていて幸いなり。日航機事件の遺族は今こそ立ち上がって未だ存命の中曽根康弘以下の背後勢力を叩け。
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孤立する日本 (私は黙らない)
2018-08-15 03:11:01
奥野誠亮的、育鵬社的幼児性は、アジアの中で日本が孤立することを意図している。その背景にあるものは?
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無駄死だった。 (蟹蔵)
2018-08-15 00:26:16
あの先の戦は、イルミナレプによる、日本人撲滅戦争だったと自分はそう思う。昔ならば荒唐無稽だと鼻先から嘲笑していた事柄が総て明らかになった今。先の戦で殺害された幾千万人の佛に、貴男方は日本人だったが故に戦場に刈り出されて無碍にも殺されたのだと改めてそう思うよ。自分は市井の片隅に生きる真正保守を名乗る人間だからこそ、日本国と日本人を分断させ、これにより日本人同士を憎しみに対立させてほくそむ、イルミナ人喰いレプの思惑に乗せられて、日本人同士は対立してはならないとつくづくそう思うね。今日は先の戦で殺害された無駄死にした英霊達を偲ぼうではないかね。
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選挙で天皇が代わる国を天皇扱いする日本 (ローレライ)
2018-08-14 16:06:33
選挙で天皇が代わる国を天皇扱いする日本は、現代のインカ文明だ。ローマや中国は、その様な忠誠心は卒業した。
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