*ご注意*
*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*
一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。
眩暈 (26)
眩暈 (27)
コーヒーサーバーにぽつぽつりと音がしながら珈琲が落ち珈琲の匂いが満ちていく。コーヒーサーバーに珈琲カップ一杯分が溜るぐらいになると近衛はドリッパーにはまだお湯が若干残っているがドリッパーを皿に置いた。
近衛はコーヒーサーバーから珈琲カップに注ぎ煎れる。
「最後まで落としてしまうと余分な雑味がしてしまうので完全に珈琲を落とす必要はありません。」
「えっ、そうなんですか??僕は全部落とすと思ってました。」
二人が会話をしていると三島が準備室に皿を戻しにやって来て片桐の傍に近寄った。
「もしかして、片桐さんがは煎れた珈琲??飲んでも良い??戴きます~」
片桐が返事をする間もなく三島は珈琲カップを手に持ち珈琲カップに口をつけて飲んでしまう珈琲を一口飲んだ。
「片桐さん美味しいよ。」
「あの…その、珈琲は僕が煎れたんではありません。近衛様が煎れた珈琲です。」
「君、飲む前に珈琲の香りを楽しむぐらいしてはどうです??」
「片桐さんじゃないの??てっきり片桐さんが煎れた珈琲かっと思ったよ。あぁ、ご馳走様です。珈琲カップは片付けておきます。」
そう言うと三島はまだ珈琲カップに珈琲が残っているが厨房へ持って行ってしまった。
「飲む前に珈琲の匂いを嗅がず最後まで飲まないで珈琲の味わいなど分かるものか‥」
近衛は不機嫌にブツブツと言う。
「あの‥近衛様。」
「すみませんね。つい言い過ぎてしまいました。大まかに説明した通りで珈琲が一人分の煎れられます。この大きさの道具一式は1~2人分用ですね。」
「そういえば食器棚の中に色々とありました。」
「えぇ、人数分によって使用する器具も大きくなります。そして、珈琲豆もまた量を調整する必要もありますね。明日に片桐さんに珈琲を煎れて頂き今日は道具を持ち慣れてみましょうか。」
「僕は美味しく珈琲を煎れられる自信がありません。」
「慣れてしまえば簡単です。珈琲豆を珈琲豆専用の冷蔵庫にしまいましょうか。毎日飲むなら冷蔵庫で保存します。暫く飲まないで長期保存をするなら冷凍庫へ保存が基本的です。保存温度の気配りと容器も密封製の高い物で保存をして鮮度もよく美味しくいつもでも飲めるはず。」
「今日は珈琲について色々とご指導戴きありがとうございます。美味しく煎れられる様にがんばりますね。」
「自分が煎れた珈琲を美味しく飲んで貰いたいと思う気持ちがより珈琲を美味しく煎れられる大事なコツですよ。早速、片桐さん、早速ドリップポットを持ってみてください。」
「はい、持ってみます。」
片桐はシルバードリップポットを持ってみる思った質感もあり重たく感じた。近衛がドリップしてた様に螺旋を描く様にシルバードリップポットを動かしてみる。
シルバードリップポットにまだお湯を入れてないのでまだ重たくはないが、お湯を入れたらもう少し重くなり動かしずらくなると思った。
「片桐さん、なかなか良い感じですよ。いきなり煎れるとなるとまた難しいのでまずは手にシルバードリップポットを持ち慣れてください。」
近衛は片桐の傍へ行き背後に回り込み片桐を包み込む様にすっぽりと片桐の手に沿えてシルバードリップポットを一緒に動かす。
「あの‥」
「もう少しこう動かしてみてください。これで、上手に煎れらるはずですよ。」
片桐のうなじがほんのりと赤く染まる。近衛は片桐から身体を離し横で動作を見た。片桐はシルバードリップポットを準備台の上に置いた。
「動かし方が難しいです。螺旋を描く様に動かそうと思ってもなかなか思う様に動かないです。」
「えぇ、誰でも始めは慣れずに手間取り何度も失敗をして上手に煎れられる様になるんです。あぁ、そうです。手前みそですが僕が珈琲について纏めた考察資料をお渡し致します。片桐さんのお約束に立てれば光栄です。」
「ありがとうございます。読んでみますね。」
準備台の近くに置いてあり椅子の上に近衛の鞄がのせられている。近衛は鞄を開けてファイルケースを取り出し片桐に手渡した。
「ファイルケースごとぞうぞ、お受け取りください。明日は片桐さんに珈琲を入れて頂きますね。明日は練習用の珈琲豆を準備して来ます。」
「こんなに色々とお世話になってすみません。どう、お礼をしたら良いのか…」
「片桐さん、僕に美味しい珈琲を煎れて飲ませてください。」
そう言うと近衛は片桐の両手をギュッと両手で握りしめた。片桐は真剣な眼差しで見つめる近衛に驚きながらも笑顔で「はい。頑張ってみます。」と答えた。
眩暈 (28)