*ご注意*
*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*
一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。
眩暈 (11)
給湯室に入り辺りを見渡すと食器棚らしき物が設置されてその中を見るとガラス越しにティーカップとソーサーが収納されている。
見た事がないティーカップのコレクションと共に湯呑み茶碗があり片桐はその湯呑み茶碗を手に取り日本茶を煎れる事にした。
食器棚の棚の上の扉を開くと紅茶の匂いがしたので扉を閉めた。食器棚の小さな引き出しを出すと日本茶の匂いがしたので片桐は安心する。
きちんと整理整頓されていて一目見るだけでなんの日本茶があるか良く分かりどの日本茶を煎れるか悩む玉露の緑茶に決めた。
テキパキと玉露の緑茶を煎れる準備をする手慣れた物で緊張する事なくミスもなく作業を進める。久しぶりに自分以外に飲んで貰うお茶を煎れる…キクチマーケティングを退職したあの日から誰にもお茶は煎れてない。
お茶を煎れには自信があるたぶん自分の特技で誰よりもお茶を美味しく煎れられる。前の会社では役に立ててかは自分でも時たま考えると疑問で答えは出ないが
お茶を煎れると自分の心が静まり落ち着くだから会社に誰よりも早くオフィスに出社し掃除をしてオフィスに出社して来た皆にお茶を煎れて出迎えて‥ 小さな自己満足だった。
あまり熱くないお湯で急須を軽く温めておく別にした玉露用のお湯を冷ます。熱いお湯で繊細な玉露の茶葉を煮えさせない様にだからと言っても鈍るいお湯では色も味も愕然と悪くなる。
美味しいと飲んで貰える自信はある自分の特技だから良く理解し自覚している。お茶を煎れる準備が整うと不安な気持ちが自然と納まってゆく。
民谷の他にこの屋敷の経営者である旦那様も面接に来るのかも知れないと思い片桐は二人分の湯呑み茶碗は用意した。
湯呑み茶碗は男性用の湯呑み茶碗ではなく女性用の湯呑み茶碗が同じ柄が二組づづある。これも経営者である旦那様の趣味のコレクション??それとも民谷のコレクション??かは不明である。
どれもこれも名器なのであろう手に持つだけで安い湯呑み茶碗と異なる手触りである湯呑み茶碗もお湯でさっと温める。給湯室に置いてあるテーブルに用意した急須に二人分のお茶葉を煎れた。
急須にお湯を注ぐ軽くふんわり茶葉を蒸す様にしてトレーにのせた湯呑み茶碗にお湯を煎れたこれで美味しく玉露が煎れられたと思う。
トレーを持ち給湯室の執務室に続く扉をノックし執務室に入り民谷が座るソファーに近付き民谷の横からテーブルに湯呑み茶碗用の受け皿を置きその上に湯呑み茶碗を置く。
「遅くなりお待たせしました。横から失礼させてお茶を置かせて頂きます。」
テーブルの置かれた湯呑み茶碗を満足げに民谷は見つめたすると民谷は片桐に話しかけてきた。
「そのちらのお茶は旦那様の分ですね??そちらのデスクに置いて頂けますかな??」
「はい。」
デスクに湯呑み茶碗用の受け皿を置き湯呑み茶碗を置いてデスク中央に移動させた。匂いも色も申し分ない程の良く煎れられたと思う片桐は民谷に一礼してソファーに戻り座った。
民谷は眼を細めてゆっくりとお茶を飲んでいるお茶を飲み終わると眼を閉じて湯呑み茶碗を持ち何か思い巡らしている表情。
民谷は眼をあけると片桐に微笑んだその表情はお茶に満足した証拠だろうと思い片桐は安心する。
「片桐様のお茶は想像以上でしたよ。」
「民谷様に満足して頂けて僕も嬉しいです。ありがとうございます。」
「私はこの場で片桐様を正社員として採用をしたいのですが、旦那様にお茶を飲んで戴いてから採用を決めさせて頂きます。」
「はい。」
「正社員の採用が決まりましたら、片桐様にご連絡を差し上げます。その時にお給料や福利厚生の詳しい事をお話ししまょう。」
「正社員で良いんですか??」
「はい、正社員としてお屋敷に勤めて頂きます。」
「宜しくお願いします。」
「それでは、片桐様の面接は終了しました。」
そう言うと執務室の扉がノックされると民谷は「お入りなさい」と返答をした。扉が開き先程の函南と言う青年がワゴンをおして執務室に入って来た。
「お疲れ様です。片桐様どうぞ紅茶を召し上がってください。」
函南はテーブルにティーカップとソーサーを置きティーポットから紅茶を注ぎティーカップに紅茶を煎れた。
「ご用意した紅茶はファーストダージリンティーとスイーツはガドーフレーズです。お好みでお砂糖とミルクをお入れください。」
ガドーフレーズは土台はココアスポンジで、大粒の苺が生クリームとサンドされ生クリームが段々にデコレーションされている。
函南は片桐と民谷に一礼をするとワゴンをおして執務室から退室して行った。
「どうぞ、召し上がってください。」
「はい、戴きます。」
片桐はテーブルからティーカップとソーサーを取り手前に置きティーカップを右手の指で持ち左手でティーカップを添えて持つ。
紅茶を飲むとホッとした気持ちになり緊張が適度に解れて心が和んだ。
眩暈 (12)