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最大のテロ防止策は「共謀罪」ではなく安倍総理を辞めさせること  (抄)  Plus

2017-06-23 | いろいろ

ジャーナリスト田中良紹氏のヤフーニュースのコラムより

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最大のテロ防止策は「共謀罪」ではなく安倍総理を辞めさせること

 安倍総理は幕末の「テロリスト」を尊敬している。長州藩士高杉晋作は尊王攘夷を唱え品川に建設中の英国公使館に火をつけた首謀者であり、また町人や農民からなる「奇兵隊」を組織して藩にクーデターを起こした張本人である。牢獄につながれ逃亡生活を余儀なくされたこともある。安倍晋三の「晋」はその高杉晋作の名にあやかっている。

 2014年7月1日、米国の強い要求を受け入れ集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更を閣議決定した安倍総理は、直後の19日に高杉晋作の墓に詣で「志が固まった」と述べた。米国に従属することが高杉晋作とどう関わるのかフーテンには理解できなかったが、おそらく重大な決断をした心情を幕末のテロリストに重ねたのだろう。

 その安倍総理が「テロを防止するため」と称してテロ防止とは筋の異なる「共謀罪」を今国会に提出、議会制度を無視する異常なやり方で成立させたのは「加計問題」で前川前文科省事務次官の告発に追い詰められ、都議会議員選挙への影響を懸念せざるを得なくなったためである。

 文科省にあって上からの命令に唯々諾々と従うだけでない前川氏は部下に人望があり、文科省内に「奇兵隊」と呼ばれる人脈を持っていたという。小泉政権時代には「三位一体改革」に抵抗し「奇兵隊、前へ」というブログで反対論を展開した。

 前川喜平(まえかわきへい)の名前から「奇兵隊、前へ」のブログ名になったようだが、藩の命令に唯々諾々と従わず、身分制度を超えた武装集団を組織して旧体制に挑んだ高杉晋作に通ずるものを前川氏の「奇兵隊」は意識しているはずである。

 その前川「奇兵隊」が「加計問題」で安倍政権に真っ向から戦いを挑み、隠蔽体質と権力内部の歪みを国民の前に明らかにした。挑戦に慌てた安倍政権は前川氏の人格を貶めて鎮静させようとしたが、むしろそれは攻撃した菅官房長官の人格に疑問を抱かせ、それに加担した読売新聞もフェイクニュースを流すイエロー新聞に過ぎないことを天下にさらした。

 面白いことに安倍総理も前川前事務次官も高杉晋作という幕末のテロリストと自身を重ね合わせている。どちらの生き様が本物の高杉晋作にふさわしいかはこれからの歴史が証明することになる。

 ところで安倍政権が我が国の議会制度を歪めるやり方で強行成立させた「共謀罪」について、その可否を国民に問うと賛成と反対が拮抗すると聞き、フーテンは暗澹たる思いになった。報道で見る限り賛成者はこの法律を本気で「テロ対策」と思い込み、これによって国民の安全が守られると信じている。

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別Webより  Plus

 その背景にあるのは世界各地で起こるテロ事件を毎日のように報道で見ているためだと思われる。2020年の東京オリンピックに大勢の外国人が訪れればテロの危険性が高まると考えてしまうのだろう。

 しかし現在世界に頻発するテロはイスラム過激派によるものでキリスト教原理主義対イスラム原理主義の「宗教戦争」が根底にある。そもそもテロとは政治目的の暗殺や破壊活動のことを言うが、テロリストを極悪人と考えるのは誤りである。

 日本の近代を創った明治の元勲には高杉晋作と同じテロリストが多く、植民地支配と闘ったマハトマ・ガンジーも人種差別と闘ったネルソン・マンデラもかつてはテロリストと呼ばれた。

 しかし現在のイスラム過激派によるテロは冷戦後に米国が「唯一の超大国」となり世界の「一極支配」に乗り出したところから始まる。共産主義に勝利したと考える米国は世界を自らの価値観で統一しようとした。

 それは民主主義や資本主義による世界統一を意味するが、その価値観の根底にはキリスト教の思想がある。それが多様な価値観を持つ世界各地で摩擦を引き起す。特に中東の一部に存在するイスラム原理主義勢力の反発は、9・11同時多発テロとなって米国の中枢を襲った。

 ブッシュ(父)のような米国の保守本流は中庸な政治を志向し、宗教勢力が前面に出ることを嫌ったが、ブッシュ(子)の時代になるとキリスト教原理主義の影響力が強まりそれが米国政治を動かすようになった。

 聖書に厳格な原理主義はかつての十字軍のように聖地奪還を目指しイスラム世界との徹底抗戦を主張する。そうした原理主義勢力の後押しを受けたブッシュ(子)は9・11への報復として「テロとの戦い」を叫んだのである。

 もちろん現在の「テロとの戦い」が十字軍とまるで同じではないが、宗教の教えに厳格な原理主義者は「正義」を信じて戦う。そこには妥協の余地がない。その意味で「テロとの戦い」は十字軍時代と変わらない。

 十字軍の戦いは終わるまでに200年を要した。そう考えればイスラム過激派とキリスト教原理主義の戦いも簡単に終わるとは思えない。

 一方で唯一の神を信じ神の命ずるままに「正義」を行う一神教の信仰を持たなかった日本人はそうした世界とは無縁である。古来から自然を敬い自然と共に生きてきた日本人は多くの神々を信じ、また日本に渡来した仏教は人間が欲望から脱却する道を教え諭す宗教であり、唯一の神の命令に人間が従う宗教ではない。

 第二次大戦に敗れた日本をマッカーサーはキリスト教国に変えようとした。各地に教会を建設し、天皇をカソリックに改宗させようとしたが思い通りにならなかった。お隣の韓国は国民の30%、中国は10%がキリスト教徒である。

 しかし日本のキリスト教徒は今でも人口の1%、イスラム教徒はさらに少ない0.1%だ。従って世界を脅かすイスラム過激派のテロが日本を襲う理由など考えられないのだが、ただ一つ考えられる理由は安倍総理の存在である。

 安倍総理は2015年1月に中東諸国を歴訪し、過激派組織ISと戦う資金として2億ドルの資金提供を約束した。またイスラエルとの連携強化を目に見える形で示したことからISが反発し、ISに人質となっていた二人の日本人が殺害された。

 安倍総理は「これから日本人には指一本触れさせない」と強がりを言ったが、その後に安倍政権が人質解放に積極的でなかったことや、2014年7月の集団的自衛権行使容認閣議決定後の10月に「テロとの戦い」の米国主導の有志連合のメンバーとして日本の名前が入れられたことも分かった。

 そもそも米国は朝鮮戦争に日本の軍隊を派遣しようと再軍備を要求した。アジアの戦争に白人の血を流させないと考えたからである。しかし吉田茂は平和憲法を盾にこれを拒否、その後の日本はベトナム戦争に参戦することもせず経済だけに力を入れて米国経済に肉薄した。

 米国はこれを「安保ただ乗り」と批判したが、冷戦構造の中では日本を突き放すこともできず、日本は世界一の金貸し国となった。

 冷戦が終わると米国は日本を最大の仮想敵とみて様々な反撃を仕掛ける。その一つが泥沼に陥った「テロとの戦い」を他国に肩代わりさせる中に日本を巻き込むことであった。

 それが集団的自衛権の行使を日本政府に認めさせ「テロとの戦い」に自衛隊を駆り出すことである。

 2014年7月閣議決定、10月には「テロとの戦い」有志連合国入り、そして15年1月の中東歴訪でイスラム過激派への敵対姿勢を鮮明にする。こうして石油危機以来イスラム世界と友好関係を築いてきた日本は、キリスト教原理主義とイスラム原理主義の争いに巻き込まれることになった。

 2020年の東京オリンピックをイスラム過激派のテロの対象にさせないためには、かつての日本に戻るのが一番である。イスラム過激派を挑発し敵対姿勢をあからさまにした安倍総理を辞めさせるのが最大のテロ防止策になる。

 問題は政権交代ほど難しくない。これから行われる国政選挙で自民党の議席が減れば、安倍総理は退陣を迫られることになる。

 野党第一党の民進党の体たらくを見て「他に選択肢はない」と安倍政権を支持する態度を改め、テロから国民を守るため自民党の議席を減らし安倍総理を辞任させる。

 そうすれば総理になりたくてうずうずしている政治家が必ず立ち上がる。そこから始めなければ本当にテロがこの国を襲うことになりかねない。
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