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平和より戦争の道へ

2014-02-11 | いろいろ



賀茂川耕助の「耕助のブログ」より

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No. 1062 平和より戦争の道へ
投稿日: 2014年2月2日 投稿者: 耕助

昨年12月、日本政府は防衛計画を含む中長期の安全保障の基本方針を閣議決定した。それは戦争を前提とした政策であり、平和憲法を捨てようとしている安倍首相の心意気の表明にも見える。


尖閣諸島の問題では新たに部隊を創設して配備し、また陸上自衛隊の増員やイージス艦、大型護衛艦、無人偵察機などの購入、オスプレイは2018年までに17機も購入するなど大規模な軍拡を予定している。今後5年間の防衛予算の上限を24兆6700億円とし、14年度の防衛予算は4兆8870億円にも上るという。

さらに盛り込まれたのは、「武器輸出三原則」を見直すという方針だ。佐藤内閣時代に共産圏などへの禁輸、三木内閣ではすべての国への武器輸出が禁じられた。しかし小泉内閣の頃から日本経団連はその見直しを求めてきた。安倍首相は軍需産業界が企業の利益を自由に追求できるよう、武器輸出を再開させるつもりであろう。

この防衛計画で強調されていることは、アメリカとの同盟を強めるという点だ。「国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点」という言葉は、私には「アメリカと協調し、積極的に戦争をしていこう」ととれる。なぜならこれまでの、そして今のアメリカの行動をみれば、平和主義は相いれないことは明白だからだ。そんな同盟を基軸にして日本が世界の平和と安定および繁栄の確保に寄与することなどありえない。

第2次大戦でアメリカは、日本に対して核兵器を使用し、それ以降も戦争または他の国を攻撃し続けてきた。朝鮮半島、グアテマラ、キューバ、ラオス、ベトナム、カンボジア、グレナダ、リビア、エルサルバドル、ニカラグア、パナマ、イラク、ソマリア、スーダン、セルビア・モンテネグロ、アフガニスタン、パキスタン、そしてイエメンなどだ。昨年12月には、アルカイダの拠点だとしてアメリカが数十回にわたり攻撃をしているイエメンで、結婚式に向かっていた15人の民間人が米軍無人機によって殺された。イエメンと戦争をしているわけではないアメリカがイエメンの国民を無人機で誤爆することを正当化できるはずはない。もしできるのなら、その逆、例えばニューヨークで、他国の軍隊がその国がテロリストだとする人物を無人機で殺すためにアメリカ市民を巻き添えにしたら、アメリカの政府や国民はどう反応するかを考えればよいだろう。

今、アメリカは中国を敵とみなし、中国の勢力圏に米軍艦隊を再配置し始めた。そのアメリカに歩調を合わせて中国を刺激するかのように、昨年末、安倍首相は第2次大戦のA級戦犯を合祀(ごうし)している靖国神社を参拝した。日本政府はメディアを使って中国への敵視や恐れをあおり、国内世論を軍拡そして戦争へと突き進ませようとするかもしれない。

1941年、日本は人口で日本の2倍、GDPは5倍、国土は26倍のアメリカと戦い、敗戦した。2014年の相手は、人口11倍、GDP2倍、国土26倍の中国である。そして1945年に日本に核兵器を投下したアメリカと同じく、中国も核兵器を保有していることを忘れてはならない。それでも、日本の指導者たちは平和よりも戦争の道を選ぼうというのであろうか。

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