車輪を再発見する人のブログ

反左翼系リベラルのブログ

若者のやる気をなくさせる企業社会

2009年04月28日 | 経済一般

松本さんが若者のやる気をなくさせる企業社会という記事を書いているだが、現在の日本の抱える問題をよく表していると思う。このような問題が起こってきた非常に大きな要因は左翼の支持母体である労働組合がこのような状態を黙認し、改善しようとしてこなかったからである。大企業の正社員達によって組織されている労働組合にとっては、公正な労働法規が実施されれば下請けなどに過酷なコスト削減や理不尽な関係を押し付けるのが難しくなる。

実際、欧米においては日本の企業別労働組合とは違って産業別に労働組合が組織されていることが多く、それが企業規模や下請けと元請けの違いに基づく賃金格差の拡大を抑制している。と同時に、大企業の従業員であっても普通に低賃金の職員がおり、日本のように大企業の正社員だとアルバイトがやるような仕事でも一千万貰っていたりすることはない。このことが、同一労働同一賃金をもたらしているし、また格差を抑制すると同時に、人的資源の効率的な分配を可能にし無能な公務員が異常な高給を貰っているという日本のような状況を避けることに繋がっている。日本の公務員の収入は他の国の二倍である。

つまり、結局のところ労働組合が自分のことだけを考えて社会全体のことを全然考えなかった結果が現在の状況であると言える。他の国においても労働組合は組合を守りすぎであると非難されるが、自分達の利益のために弱者の権利を否定するようなことをしてきたのが日本の労働組合の特徴である。長年にわたり、中国や北朝鮮のような独裁国家と身分制を支持し、特権階級を守るために弱いものから搾取することに邁進してきた日本の左翼達の異常性が際立っていると言えるだろう。

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正論は一つ

2009年04月28日 | 論理

城繁幸氏が「ラーメン特集やるならともかく、政策については正論は一つのみ」と書いてたのを読んで思わず笑ってしまったのだが、はっきり言ってまさにその通りだ。色々な価値観があるだとか、効率だけでなく他のことも考える必要があるとか言う人がいるが、効率とか平等とかを達成する方法として生産的な方法とそうでない方法があるという点で正論は一つだ。

弱者を保護しろ、平等が大事だ、だから高給取りの既得権者を保護しましょうというのは意味不明だ。弱者を保護したいんだったら、弱者に対する保護を充実させる必要があるし、平等を希望するなら賃金等の待遇をまず均等化する必要がある。何百倍も非生産的な方法でやっていて、他のところから資源を持ってくれば生産的な方法も出来るはずだというのは非論理的な屁理屈でしかない。貧困や不平等をうわべでは語りつつ、八代氏が正社員の既得権の撤廃を主張すると発狂したように非難するのは、結局は差別主義者でしかない。

資源は有限なんだから、その資源を如何に効率的に使えるかどうかで結果が変わってくる。これは何でも同じだ。だから、本来低所得層の生活改善に使える資源を、高所得の既得権者の雇用保護に使ってしまえば、貧困が深刻化し、道にホームレスが溢れることになる。そして、同時に効率を出来るかぎり損なわない方法でそれを行う必要がある。だから、競争を妨げ全体の効率性を損ないながら、不平等の温床にもなっている既得権をまず解消しようとするのは当然だ。それを新自由主義として非難するのは結局は身分制を支持しているだけだ。平等を本当に信奉するならちゃんと平等を達成できる政策を支持すべきだ。

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