車輪を再発見する人のブログ

反左翼系リベラルのブログ

不思議な民主党

2009年04月18日 | 政治

いつも思うことなのだが民主党の自民党に対する論戦や追及は揚げ足取りばかりで、ちゃんとした政策論争がほとんどない。だから、民主党の本来の政策を国民に知ってもらって支持を集めることが出来ず、ただなんとなく自民党は駄目だというイメージで選挙に勝とうとしているように思う。そんな印象を裏付けるかのような記事があった。

民主党の小沢一郎代表がまた党首討論を拒んでいる。今国会で党首討論は一度も開かれておらず、4月に入ってからの与党の呼びかけを3週連続で断っているのだ。

西松建設の違法献金事件で公設第1秘書が逮捕・起訴されたことから、首相と真っ向から勝負しにくいためではないか。そういう見方も少なくない。本当だとしたら情けない話である。

一方で、小沢氏は週明けから地方遊説を再開するという。党首討論より遊説が優先だと判断しているなら、議会軽視との批判は免れないだろう。

政府の新経済対策をどう評価するか。ミサイル発射を強行した北朝鮮にどう対処すべきか。首相にただし、自ら見解を示すのは政権を担おうという政党党首の責務だ。堂々と出席して説明責任を果たすべきだ。

麻生太郎首相と小沢氏による党首討論は昨年11月の1回だけだ。与党は4月8日、15日に続き、22日の開催を呼びかけたが、22日を逃せば5月の大型連休後まで開かれそうにない。

民主党が拒む理由に挙げているのが「首相が衆参本会議や委員会に出席した週は、原則として党首討論を開かない」という与野党の申し合わせだ。

政府側が持ち出すならまだしも、首相に討論を迫る野党から言い出すことだろうか。公明党への牽制(けんせい)を狙い、「政治と宗教」に関する参院予算委員会での集中審議が先決だと主張したこともあった。どちらも確たる根拠とはいえまい。

英国議会を参考にした党首討論の導入に熱心だった小沢氏は、どこへ行ってしまったのだろう。

有権者の大多数が、違法献金事件に関する小沢氏の説明は不十分だと今も考えており、民主党内も同様だ。事件やマスコミ報道などを検証する「第三者委員会」の報告書は1カ月も先になる。

小沢氏は再開する地方遊説について「国民に直接おわびしながら(支援を)お願いしに行きたい」と説明し、鳩山由紀夫幹事長は説明責任を果たす一環だと位置付けている。続投を前提としたおわび行脚なのだろうか。

小沢氏は一心同体といえる秘書が、政治資金規正法違反罪で起訴された政治責任や道義的責任をどう考えているのだろうか。知らん顔を続けていては国民の信頼を取り戻すことはできない。

政権交代を狙っている野党の民主党の代表であるにも関わらず、雲隠れしてしまったり、党首討論を拒んだりと直接的な政策論争をする気が有るのか疑問に思う行動である。自民党は多くの問題を抱えており、旧来の建設業や農業との深い関係を引きずっている。そこの点で自民党と違いを出すことも出来ると思うのだが、前回の選挙の公約を見ているとむしろ既得権を侵害しないことによって組織票を引き付けようとしていた面がある。民主党の主要な支持母体の一つは自治労であり、最大の既得権集団である公務員を守る政党であるから、既得権に切り込むような政策は難しいのかも知れない。

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