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哲学入門90 夏目漱石

2019-04-22 05:38:03 | 哲学の窓
白坂慎太郎先生の哲学入門

第90回、夏目漱石です。


 ここから https://www.youtube.com/watch?v=w-qyAHevGOw 

デジタル大辞泉の解説を見てみましょう。

【夏目漱石】

[1867~1916]小説家・英文学者。江戸の生まれ。本名、金之助。英国留学後、教職を辞して朝日新聞の専属作家となった。自然主義に対立し、心理的手法で近代人の孤独やエゴイズムを追求、晩年は「則天去私」の境地を求めた。日本近代文学の代表的作家。小説「吾輩(わがはい)は猫である」「坊っちゃん」「三四郎」「それから」「行人」「こころ」「道草」「明暗」など。


自由民権運動は、形だけのものになり、国家主義が伸びていきます。


個人の内面で自我を確立しようとしたのです。

夏目漱石も、日本近代化へ大きな関心をもち、個人の新しい生き方を模索した人物の一人でした。

社会の仕組みを変えるのではなく、一人一人の生き方を考えようとしたのです。

夏目漱石


こうしてみてくると、新しい思想を生み出した人は、だれもが一度は海外に出ていることが分かります。

夏目漱石は、


外からの改革であるので上辺だけ。日本人自身による、内的な改革が必要であると行っているのです。

そこで


一人一人が主体的に生きるのです。

彼の個人主義は


利己主義を乗り越える倫理を求めたのです。

そして


利己主義を越えるために、晩年は、東洋的・宗教的な境地に至りました。
全身全霊で作品を書いていたのです。
49才で亡くなるまで、生死をさまよう経験もしています。

則天去私
小さな私にとらわれずに、身を天地自然にゆだねて生きていくということなのです。

東大で学び東大で教えながら、個人の主体性の発揮とエゴの関係を追求した結果、天地自然の法則に従って生きていく、老荘思想のような境地に達しています。

作家でありながら、宗教家の境地に立っています。

次の3段階があります。

 1 自我を見つめる。

 2 自分が目にしてる天地宇宙を見つめる

 3 自我を抜く。

漱石は、3の境地に達したのです。

当時の日本では、先端を走った思想家でもあったのです。


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