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5月3日の社説は・・・

2016-05-03 05:46:35 | 社説を読む
憲法記念日に関する記述が並ぶでしょう。
内容は大きく分かれるでしょう。

今朝の社説を見てみましょう。

朝日新聞
・ 個人と国家と憲法と 歴史の後戻りはさせない

読売新聞
・ 憲法記念日 改正へ立憲主義を体現しよう(2016年05月03日)

毎日新聞
・ 公布70年の節目に まっとうな憲法感覚を

日本経済新聞
・ 憲法と現実のずれ埋める「改正」を
 
産経新聞
・ 憲法施行69年 9条改正こそ平和の道だ 国民守れない欺瞞を排そう
   
中日新聞
・ 汝、平和を欲すれば… 憲法記念日に考える

※ 全社、憲法についての1本ものです。

これほど読み比べのしやすいテーマはありません。

中日です。
「「在任中に成し遂げたい」と首相が憲法改正に意欲的です。国防軍創設など九条改憲案を自民党は掲げています。平和主義の未来が心配でなりません。

 ラテン語で表題が書かれた文章があります。訳せば「『汝(なんじ)、平和を欲すれば、戦争を準備せよ』と『汝、平和を欲すれば、平和を準備せよ』」です。一九三三年に書かれた論文で、筆者は東大法学部教授の横田喜三郎でした。」

「 横田の論文は東大法学部の学生向けの雑誌に寄せたものでしたが、中には「横田先生万才(歳)! 横田教授頑張れ!!」と書き込みをした人もいました=写真。感激したのでしょう。三一年の満州事変を批判した学者としても横田は有名な存在でした。

 一八九六年に現在の愛知県江南市に生まれ、旧制八高から東大に進み、国際法学者となりました。名古屋新聞(中日新聞)の配達をした経験もあった人です。

 満州事変とは中国・奉天(現在の瀋陽)で鉄道爆破をきっかけに、関東軍が中国の東北部を占領した出来事です。横田は帝国大学新聞に「はたして軍部のいっさいの行動が自衛権として説明されるであろうか」と書きました。

 鉄道破壊が事実であったとしても、それから六時間のうちに北方四百キロ、南方二百キロもの都市を占領したことまで、自衛のためにやむをえない行為であったと言い得るか。鋭い疑問を呈したのです。」

横田喜三郎を取り上げました。


産経です。
「日本国憲法は、施行から69年を迎えた。

 現憲法は、一度も改正されていない。それは内容が完全だからというわけでは、決してない。憲法と現実世界の乖離(かいり)は、年々、大きくなるばかりだ。その最たる分野が安全保障である。

 戦後日本の平和を守ってきたものは何か。これを「9条」だとみなすのは大間違いだ。突き詰めれば、自衛隊と、日米同盟に基づく米軍の抑止力に行き着く。」

中日とは真逆です。


日経です。
「そのわりに「憲法」と聞くと、いまだに身構える人が多い。戦後長く護憲派と改憲派が一般大衆と無縁の観念論争をしてきた弊害だ。もっと身近なところから憲法を眺め直してはどうだろうか。」

「日ごろから法律づくりに努めても、常に「想定外」はある。緊急事態の際、内閣が法律に準じる効力も持つ命令を発することができるようにする仕組みをつくっておくことは検討に値する。」

「ただ、憲法解釈を見直して集団的自衛権の行使を限定解除したことで、現在の国際情勢に即した安保体制はそれなりにできた。9条を抜本的に書き直す必要性はかなり薄らいだ。あとは自衛隊をどう法的に位置付けるかだけだ。9条にばかりこだわる不毛な憲法論争からはそろそろ卒業したい。」

このあたりがノーマルなところでしょうか。

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