インザビルディング / In the Building

音楽(HIPHOP etc),小説(ミステリ etc),漫画,落語…
Who'z in da building?

100% RAP

2009-09-23 | 6F: 音楽室
『100% RAP / 鎮座DOPENESS』


鎮座DOPENESS in the building!!!!!

KOCHITORA HAGURETIC EMCEE'Sのひとり、
また環ROYとのユニット「踵」でも知られる鎮座ドープネス氏の
初ソロアルバム。

谷川俊太郎氏から詩をお借りして、「ごあいさつ」
最高にくだらない自己紹介ラップ「オラハラッパー」
どんどんくだらなさを増しながらも
スキルフルで多彩なフロウが満遍なく。

特に好きなのは、Juicy☆Mama from HIFANA pro.「乾杯」
とそれに続く鎮座&桜井響 pro.「もう一杯」

聴いて驚け 悪ふざけと高次元スキルの最高の作品です。
HIPHOP好き以外が反応するかはわかりませんが
good music好きなら、聴いて損しない、聴かなきゃ損する
そんな作品。

マイクレイティング 890本!

Gunfire in Antwerp

2009-09-23 | 2F: 書庫
『追想五断章 / 米澤穂信』

**************************************************************************
真実は沈黙のうちに眠る。
若き実力派が精緻の限りを尽くした
本格ミステリ長編。

古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある
依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前
に書いた、結末の伏せられた五つの小説(リドルストーリー)
を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった
事件”アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜
何があったのか?幾重にも隠された真相は?
**************************************************************************

米澤さんの最新長編ハードカバー。

装丁の雰囲気といい、主人公が勤めているのが古書店、といい
どこかノスタルジックな雰囲気を大事にしていると感じました。
この雰囲気が楽しめるひと、好きなひとには
ハマる作品だと思いました。僕はハマりましたが。

内容は、当然のように本格ミステリ。
鍵となるのは、依頼人の父が遺した5つのリドルストーリー。
今回はその最後の一行のみを敢えて記さないことで
読者にその結末を委ねる小説となっています。
しかし、その最後の一行を依頼人となる北里嬢が見つけたことで
物語が始まります。

謎解きは、過去に起こった”アントワープの銃声”の真相。

五つのリドルストーリー自体も雰囲気があってそれだけで
充分興味を引くものになっています。


雰囲気が明るいものでもなく、派手さもないので
万人にはお勧めしませんが、ミステリ好きなら楽しめる作品
だと思います。


米澤さん この調子で定期的に執筆していってほしいです。