にゃんこと黒ラブ

猫達と黒ラブラドール、チワックスとの生活、ラーメン探索、日常について語ります

「なれるもんになる」〜夢と目的〜

2020-07-16 19:16:00 | 日常

 もう5、6年前のTV番組で、NHK「SWITCHインタビュー達人達」は出色であった。あまりに面白かったので原稿にしてまとめた程だ。その原稿を見つけた。

 ロボット工学者の石黒浩とものまね女王清水ミチコの組み合わせで、石黒はマツコデラックスのアンドロイドを作製した大阪大学教授である。

『清水が
「はじめから研究者を目指そうと思ったのですか」と聞くと
 石黒は「いや、目的なんかないです。夢なんかないです。僕は夢持ってるっていう人は嘘ついてると思っている」とけんもほろろ。
 清水が閉口しながら「そんなことないです。理想とかいつかモデルになるとか‥‥」と反駁を試みると
 石黒は「そういうことはいえるかもしれないけれど、大抵の人は「なれるもんになる」というのが正しいんです」とズバリ。
 清水は思わずカメラに向かって「子供たちはテレビ消して」と苦笑い。
 すると石黒は冷静に「夢ってのは将来を狭めると思ってるんです」と不意を衝く。
 清水が「はあ、逆に?」と関心を見せると、
 石黒が「うん。それしかできないとか、それしかなりたくないと思ったら、他にもある可能性を全部潰すかもしれない。だから、小さい時の夢なんて適当でいいんです。なんとなく何々になりたいぐらいは思ってもいいかもしれないけど、あまり強く思わない方がいい。で、勉強すればするほど、新しい夢がいくらでも出てくるので、沢山あった方がいいわけです!」と石黒節炸裂。
 清水があまりの逆転発想にあきれ狼狽しながらも「まあね‥。子どもは無限大みたいにいうけれどか、限られてますね」と辛うじて口を挟むと
 また「いや、子どもの持っている情報は限られていますよ。子どもの持っている情報が無限大だったら、最初っから天才ですよ!」とばっさり。
 とうとう清水は「子ども番組にはとにかく向いてないですね」と言い放つ。
 すると意外にも石黒は「高校生は喜んでくれますよ」とぽつり。
 一瞬清水の表情が軟化する。石黒は続ける。「高校生ぐらいになると悩み出すわけですよ。それまではずっと『命には価値がある』と言われてきたんだけれど、ほんとに自分にどれだけの価値があるのか。たとえば、隣の奴と比べると、何一つ勝てるところがないのに、自分の生きている価値ってほんとにあるのかないのかって、思い出すじゃないですか。その時に、人の絶対的な価値は‥‥、冷静に考えたらないんですよ。だけど唯一言えることは『自分の命の価値を探すために生きることはできるわけで、僕だって自分の命に生きる価値があるかどうかを探している。だからあんた(高校生)もそうしなさいっ!て言うんですよ」
 清水は口をとがらせながらうなずく。石黒はさらに勢いを増し続ける。「命に絶対的価値があると言ったら、後は寝て暮らせばいいだけでしょ。仕事なんかしなくていいんでしょ。なんにもやる気なくなっちゃうじゃないですか!」とまくし立てる。
 清水はとうとう「いいこと言いますね」と相槌を打つ。がとうとう石黒はエネルギーを使い果たしたのか、ふと我に返ったように「でもね、小学生や中学生の子どもには、まだ希望を持って勉強してもらわなきゃならないので、嘘でもそういった方がいいわけですけれども‥‥」と呟くのであった。』

 最後は、尻すぼみになってしまったけれど、「なれるもんになる」というメッセージは強烈であった。夢や目的をつかみ切れていない生徒たちにとっては光明になるのではないか。

 確かに現実的な夢や消極的な目的には、その人の可能性を限定し、狭める側面がある。それならいっそ、無目的のまま、勉強や練習などによって自分のスキルを磨き、可能性を押し広げ、自分の命の価値を見つければいい。













 藤井聡太棋聖!
おめでとう㊗️将棋界の歴史が動いた!
いま終局、今日も凄い終盤力で逆転した!!
詳しいことはまた後日触れます。