文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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宍戸さんたちのAirQ(エアキュー)構想。

2010年11月05日 08時17分30秒 | 日記

九州⇔中韓台 無料で飛ばせ

宍戸 昌憲さん
九州交通ネットワーク
高度化協議会事務局
 
58年生まれ。 82年、三菱商事入社。本社の民間航空関連俳業部門の部長。協議会の一員としてAirQ構想の取りまとめに参加。

最初に言っておきますが、これはまだ構想段階、いや妄想にすぎないかもしれません。しかし九州が直面する 「人口減」「地域経済の活性化」「地方空港の活用」という根本的な問題を一気に解決するための大胆な提言だと思って聞いでください。

九州にある八つの空港と中国、韓国、台湾の主要都市間に90人乗り小型ジェット10機を飛ばしまくり、無料で送迎する。その代わり九州だけの地城通貨(バウチャー)10万円分を買ってもらい、九州滞在中に買い物に観光にと使い切っていただく。1日35往復、年86万人を運ぶ構想です。福岡に来て鹿児島から帰る、佐賀に入ってて大分からといった多彩なルートで、九州全土に年7500億円の経済効果を及ぼそうともくろんでいます。
 
仮称ですが、「AirQ」(エアキュー)構想。アジアから人とお金を呼び込み、先に挙げた三つの課題を解決する。地元の有力企業に大学、自治体が参加する「九州交通ネットワーク高度化協議会」が練った構想です。
 
九州各県は、豊かな自然や温泉、買い物、おいしい食べ物、うまい酒と多くの観光資源を持っています。しかも地理的にアジアと近い。なのに昨年、九州を訪れた外国人観光客は45万人で、日本全体の7%にすぎません。交通ネットワークが貧弱で、観光資源や地理的優位性を生かし切れていない。そこで直接、来てもらう作戦を考えたのです。
 
さて、10月21日、東京・羽田空港で新国際線ターミナルの供用が始まりました。アジアの国際拠点としてハブ空港化か期待されているそうです。羽田で迎えた外国人観光客が全国へ、となれば大いに結構です。でも本当にそうなるのでしょうか。首都圏には、買い物も観光も魅力的な場所がたくさんある。多くの観光客が、首都圏にとどまるでしょう。
 
羽田のハブ化は、国際戦略として、ぜひ推進していただきたい。だが地方空港、地方経済の活性化という国内的な問題とどう絡めるのでしょうか。そのへんの議論がなされていない。そうした発想自体がないことが問題なのです。
 
今年1月、福岡市でシンポジウムを開き、AirQ構想を発表した時、参加者が声を上げました。「九州の交通ネットワークは、東京といかに速く結ぶかを考えてきた。今後は上海へのアクセスを考えねばならない時代だ」と。
 
AirQ構想は「日本の空をどうする」という問題で考えていません。羽田のハブ化を意識しすぎると、またぞろ、もっと速く東京と結ぼうという話になる。東京への利便性を高めて地域の発展を、という考え方だけでは、問題を解決できないと思います。
 
実現への大きな障害は、費用です。200億円程度のコストを見込んでいますが、地方には負担が重い。国の支援が不可欠です。主に外国人を運ぶ飛行機を税金で飛ばすことに異論はあるでしょうが、公共事業で航空ネットワークをつくる、道路建設と同様に予算を地域の空に投入すると考えてください。
 
空路という新しい公共財で地域を活性化する。地方のグローバル化を航空ネットワークで実現する。素晴らしい妄想、いや構想だと思いませんか。(聞き手 秋山惣一郎)


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