文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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外国のジャーナリズムは、国益のためなら大きなウソをついてもいいと思っている。ところが、日本の場合は、国益を損なうためにウソをつく(一同爆笑)

2020年08月05日 14時34分38秒 | 全般

国益を損なうためのウソ

髙山 外国のジャーナリズムは、国益のためなら大きなウソをついてもいいと思っている。ところが、日本の場合は、国益を損なうためにウソをつく(一同爆笑)。

大高 どうしてこうも正反対なんでしょう。

髙山 その心理が分からない。大高さんが謝罪男の鳩山由紀夫や丹羽宇一郎を取り上げて、その奇異さを報告しているけれど。

大高 罠(わな)に陥って弱味を握られ、謝罪パフォーマンスせざるを得ないのかとも思います。

髙山 それもあるかもしれない。実は何清漣の言う「宣伝戦」で、相手国をいかに誹謗中傷して貶め、国威を挫き、金にしていく中国流の大外宣を描いているけれど、その大もとは、スペインに行き着く。スペインが中南米を侵略していくとき、同じくスペイン・ドミニコ派の宣教師、ラス・カサスが自国民の非道残虐ぶりを告発した。

大高 『インディアスの破壊についての簡潔な報告』(岩波文庫)としてまとめられています。この報告書は1542年頃、発行されました。

髙山 ラス・カサスとしては自国を貶める意識はなかった。宣教師としての〝良心〟に従って告発したわけだ。でも、ラス・カサス自身も現地民を奴隷として酷使している。自分も同じようなことをしているけれど、自分はちょっと紳士なんだと自己弁護する。もしかして鳩山由紀夫や丹羽宇一郎の心の中にも、そういう偽善性があるのかもしれない。

大高 タチの悪い偽善ですね。大航海時代、スペインは大英帝国に先駆けて「太陽の沈まない国」と言われるほど、無敵艦隊を率いて世界各地を征服し、大帝国を築いていました。

髙山 その当時、あらゆる海を制覇したスペインとポルトガルの間では、1494年にトルデシリャス条約が結ばれている。教皇アレクサンデル6世の承認によってヨーロッパ以外の新領土の分割方式を取り決めたものだ。西アフリカのセネガル沖に浮かぶベルデ岬諸島の西約2000キロの海上において子午線にそった線の東側の新領土がポルトガルに、西側がスペインに属することが定められた。あの時代のG2がそう決めたわけだ。

大高 中国が「第一列島線」「第二列島線」と言い出したのも、その条約の取り決めを真似したのではありませんか(笑)。

髙山 中国は単に思い上がった大国だが、確かにそんな感じがする。トルデシリャスに戻ってポルトガルは東インド諸島などを領有したけど、中南米を中心に大部分はスペインが制圧した。その分割後、イギリスやオランダ、フランスなどが植民地獲得に乗り出したが、そこにスペインが大きな壁として立ちはだかっていた。では、どうしたらスペインを追い落とせるか。それでラス・カサスの告発本が利用された。

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