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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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「中国が読んだ現代思想」王前著…日経新聞8月14日20面より

2011年08月14日 14時25分30秒 | 日記
「自由」得た人々の切実な受容史

1979年4月、中国で創刊された書評誌「読書」は。
「読書無禁区」 (読書に禁止エリアなし)という文章を掲げ、読書の自由をうたい上げた。これが画期的だったのは、76年まで続いた文化大革命の渦中では、西洋の書物ばかりか、自国の古典さえ手に取ることが難しかったからだ。

本書は、それから30年あまり、「自由」を手にした中国の知識人がどのような切実さで外国の思想を受容してきたかを丹念に跡づけている。

80年代初め、まず熱狂的に受け入れられたのはヒューマニズムだ。革命の名の下に人間の尊厳が傷つけられた過酷な10年への反省は、敗戦後の日本の知識人の問題意識と共通する。

サルトルの実存主義が、そしてハイデガーの存在論が貪欲に求められた。

日本の思想が明治以来向きあってきた「近代化」「東洋と西洋」といった問題への関心からは、ウェーバー、レヴィ=ストロースから福沢諭吉や丸山眞男までが参照された。

天安門事件以降の「思想の冬」を経て、急速な経済成長のひずみも見えてきた近年では、シュミットの自申王義批判もブームになったという。

著者はこうした受容を経て生まれた新しい思想が、中国社会を「普遍的な価値観を導入しつつ」「より開かれた世界」にすることを期待する。この言葉は閉塞感漂う今の日本社会にもそのまま当てはまる。

日本にもまた、思想が必要だ。(講談社・1600円)

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