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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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リベラルが「自由」とは真逆の、「全体主義的で息苦しい社会」をつくり出してしまった…残念ながらアメリカは日本よりもずっと先に行って

2024年05月10日 21時45分20秒 | 全般

「身勝手で利己的だから、自分の自由のためなら他人の自由を平気で侵害する」「現実を無視してキレイごとばかりいう」
2018年05月09日
4/10に発売された月刊誌Voice5月号には読むべし論文が満載されていると友人に話したはいいが、多くの論文を読み残していた事に気が着いた。
以下は、官僚の毒に侵された日米の憂鬱、自分の行動を客観視して修正できない高学歴エリートの罪と題したケント・ギルバート氏の論文からである。
これらの論文が満載されていながら月刊誌Voiceは780円なのである。
活字が読める日本国民全員が5/10には最寄りの書店にダッシュして購読しなければならない。
そうしなければ貴方が物事の真相を知る事は決してないからである。
本日2024/5/10現在、日本が、周回遅れで、米国の駄目な所を、ほぼ完ぺきにコピーしていると、私と同様に読者の大半は慨嘆するはずである。
見出し以外の文中強調は私。

共産党がリベラル!?
先月半ばに上梓した『リベラルの毒に侵された日米の憂鬱』(PHP新書)にも詳しく書きましたが、日本での「リベラル」という言葉の使われ方は、どうにも、おかしく感じられて仕方がありません。
たとえば、2017年10月の衆議院選挙の折、枝野幸男氏が立憲民主党を立ち上げようとしていることを報じる『朝日新聞』の記事(2017年10月2日付夕刊)には、次のような言葉が並びました。 
《枝野氏らが新党を結成することで、10日公示の衆院選は「自民・公明」、「民進合流組を含む希望」、「枝野氏らの新党とそれに連携する共産などリベラル勢力」―という三つどもえの構図となる》  
この報道に代表されるように、このときの総選挙で日本のメディアは、「立憲民主党、社民党、共産党」をまとめて「リベラル勢力」と色分けしていました。 

「え-っ!?共産党がリベラルだって?」―共産党の活動が、1954年に連邦法で非合法化されたアメリカで育った私には、この分類はあまりにも違和感があります。
そもそも共産主義や社会主義という制度は、かつてのソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)や、現在の中華人民共和国(以後、便宜的に中国と表記する場合があります)を見ればわかるように、その実態として自由な言論や報道は許されず、検閲や言論弾圧が当たり前に行なわれるなど、閉鎖的で全体主義的な傾向を強くもつものです。 
それなのに日本で、コミンテルン(共産主義インターナショナル)日本支部がルーツである日本共産党や、政党名を何度変えてもつねに政権与党への「反対のための反対」しか唱えない複数の左派政党を「リベラル=自由主義的」と呼ぶのは、どういう意味なのでしょうか。
そんな疑問をもっていたら、テレビ東京が2017年10月の衆院選挙の開票の折に放送した番組「TXN衆院選SP池上彰の総選挙ライブ」のなかの企画で、次のような言葉の定義を行なっていたと聞き、とても興味深く思いました(2018年1月現在、番組のウェブページでも紹介されています。http ://www. tv-tokyo. co. jp/ikegamisenkyo/devil/)
《[リベラル]左翼と呼ばれたくない人たちの自称》 
なんとも率直というか、皮肉が効いているというか……。
しかし、これぞまさに日本における「リベラル」という言葉の正しい定義であり、一般的な用法なのでしょう。
なるほどそれならば、たとえば民進党から立憲民主党に移った辻元清美衆院議員が、同じ総選挙の折に、「私はリベラルの力と重要性を信じています」と、声高らかにおっしやった理由もよくわかります。 
「左翼と呼ばれたくない人たちが自称として使う」ということは、つまり「リベラル」という言葉は、日本ではもっぱら素晴らしいイメージとして理解されているということでしょう。 
しかし、そのことにも私は違和感を覚えざるをえません。
ヨーロッパの状況は詳しくわかりませんが、じつは、少なくともアメリカの保守的な州では、「リベラル」という言葉について、二十世紀はいざ知らず、最近では次のような認識をもっている人が多いからです。 
「腹黒くて、胡散臭い」「抑圧的で、批判ばかりで、うっとうしい」「自分たちだけが絶対的正義と考えていて傲慢」「囗だけ達者な無責任な連中で自分の非を認めない」「身勝手で利己的だから、自分の自由のためなら他人の自由を平気で侵害する」「現実を無視してキレイごとばかりいう」 

言葉は生き物です。
このような認識は、アメリカでは、すべての人とはいわないまでも、ある程度のレベルの人たちのあいだでは「常識」にすらなっていると私は感じています。

アメリカと同じ道を辿るな
もともとアメリカでは、宗教的な戒律を重んじる生き方を「保守的(コンサーバティブ)」と呼んだのに対して、「わがまま」を主張したい人たちの発言や行動が「リベラル」とされていた側面があります。
しかし現在では、少数者の権利を声高に主張し、彼らへの福祉政策を重視する立場を指すことが多くなっています。 
そのような人たちの活動が行きすぎて、かつては「リベラル=自由主義的」という意味合いだったのが、いまではともすれば「リベラル=全体主義的」なニュアンスを連想せざるをえない、とても息苦しい状況を招いているのです。 

前掲の『リベラルの毒に侵された日米の憂鬱』という意味が示すとおり、アメリカでは、「リベラル」という言葉が、本来の「自由な」「寛大な」「開放的な」「度量の大きい」「偏見のない」といった意味から大きく離れて、いまでは真逆の「社会に毒をまき散らす存在」として認識されていることを、日本人はよく理解しておいたほうがいいと思います。 
とくに、リベラルが「自由」とは真逆の、「全体主義的で息苦しい社会」をつくり出してしまったことについては、残念ながらアメリカは日本よりもずっと先に行っています。
日本人は「リベラルの功罪」について、自分の頭でよく考え、アメリカの失敗の現状と、その原因や対応策について学んでおくべきでしょう。
絶対に、アメリカと同じ道を辿ってはいけません。 
端的にいえば、「日本人は本当に、日本を現在のアメリカみたいな息苦しい社会にしたいですか?」「リベラルの危険性に気付いていますか?」と、私はいいたいのです。

ヒラリーの「黒い影」
アメリカの2016年の大統領選挙で、ヒラリー・クリントン候補がドナルド・トランプ候補に敗北したとき、多くの日本人が「リベラルに熱烈に支援されている、あんなに知的で政治経験も豊富な本命候補のヒラリー・クリントン元国務長官が、どうしてまったく政治経験のないトランプに負けたのだろうか?」と疑問に思ったようです。 
一方、アメリカでは、この選挙を契機に多くの人が、大手メディアの報道をまったく信用しなくなりました。
それもそのはず、FOXニュースなどのごく一部を除けば、大手メディアの大半はリベラル派であり、しかも選挙戦の最初から最後まで、ヒラリー陣営に過剰なまでの肩入れをしていました。
ヒラリーが勝つことは絶対に間違いがないと報じ、また、繰り返し行なわれた世論調査の結果においても、ヒラリーがずっとリードしているかのような印象操作を行ない続けていたのです。 
ちなみに私は、日本時間の投開票日である2016年11月9日、朝8時から夜11時まで、計4本のネットごアレビ地上波、ラジオ、BSの生番組に出演したのですが、各番組の前日までの事前打ち合わせの際に、「トランプ勝利」を想定していた番組は一つもありませんでした。 
予想外の展開に、台本をとくに重視するNHKラジオは大慌てでした。
私自身もトランプ候補に不在者投票を行ない、さらにアメリカに住む妻や息子たちからは「絶対にトランプが勝つよ!」と以前からいわれていたのですが、「本当に勝てるかもしれない」と私自身が感じたのは、じつは投開票日の前日でした。
いまから振り返ってみても、それほど日本メディアの報道は、「アンチ・トランプ」だけに偏っていたと思います。 
結果論かもしれませんが、そんな圧倒的多数の大手メディアによる「フェイクニュース」と、心理的な「印象操作」まで交えた大応援にもかかわらず、なぜ、ヒラリー候補は2016年の大統領選挙で惨敗したのでしょうか。
じつは、その理由にも、現代アメリカでの「リベラル」の正体が見え隠れしています。 
一つ例を挙げるとすれば、ヒラリーが国務長官在任中に、公務で私用メールアドレスを使用していた件は、日本で報じられている以上に大問題なのです。
国家機密漏洩の危険性があっただけでなく、日本でいえば外務大臣にあたる国務長官としての連絡用に、私的メールサーバーを使っていたため、そのやりとりは政府の重要な公文書としての記録が残せず、在任中の彼女の行動の多くが謎に包まれてしまうこととなりました。 
当たり前の話ですが、国務長官はじめ閣僚や政府職員が作成したメールを含む文書は、すべてが公文書扱いとなり、すべての内容が自動的に政府のアーカイブに保存され、一定期間経過すると公開されます。
それを熟知しているヒラリーは、自分が周囲の人間に隠れてやっている悪事を第三者に知られたくないからこそ、わざと公的なメールアドレスを使わなかったと考えられているのです。
事実、彼女は私的サーバーから発した、自分の万単位のメールを破棄してしまっているわけです。
情報を削除しただけではなく、ハードディスクドライブのデータを完全破壊させたといわれています。 
そこまでして、彼女はいったい何を隠そうとしていたのでしょうか。
彼女にはいつもこうして「黒い影」が付きまとっているのです。
この稿続く。


20245/10 in Kyoto


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