長い海外経験から導いた教訓
日本人が持つ謙虚さや奥ゆかしさは、外国人と渡り合う上ではしばしば「弱み」として作用する。
しかし自分の立場を声高に主張し、相手を論破する欧米スタイルが常に有利だとも限らない。
著者は長い外交官生活を経て、1999年から国連教育科学文化機関(ユネスコ)の事務局長を約10年間務めた。
ユネスコは約190力国が参加し、パリの本部に2千人、在外事務所や研究所に1千人の職員を抱える大所帯だ。
就任当時は主要国から非効率な運営への批判を浴び、深刻な財政難に直面していた。
肥大化した組織のリストラ、公正な人事制度の導入、財政規律の確保-ー。
本書は山積する課題に、国際機関のトップとしてどう対処したかを詳述する。
改革は内部からも反発を招くが、自由な討議などを通じて幹部間の認識は徐々に共有されていく。
2003年の米国のユネスコ復帰に至る周到な根回しや各国の深刻な利害対立を調整していく経過は、一般の企業活動にも通じる多くの教訓を含んでいる。
著者は記憶力や決断力、数カ国語を操る語学力の重要性を強調し、語られる多くの成功体験は自画自賛の色彩を帯びる部分もある。
ただ全体の記述からは貴重な外交経験を伝え、内向き思考に警鐘を鳴らし、日本の国際社会での地位低下に歯止めをかけたいとの思いが伝わってくる。
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