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車鋼材競う世界最強  「ハイテン」 硬くて伸びる…朝日新聞10月18日9面より

2011年10月18日 18時04分00秒 | 日記
鉄鋼大手が「ハイテン」と呼ばれる鋼材の開発で火花を散らしている。省エネで軽量化が求められる自動車向け素材の分野で、改めて「鉄」の存在感をアピールするねらいもある。

新日本製鉄と神戸製鋼所は今月5日、新しいハイテンが2013年に日産自動車が売り出す新車の骨格に使われると発表した。強度は「1180メガパスカル」で、車の骨格に使う鋼材としては世界最強度という。

鉄の強さは圧力の単位パスカルで表す。業界では1180メガパスカルのハイテンを「イチイチハチマル」と呼ぶ。一般鋼材は300メガパスカル前後で、約4倍の強さだ。これまで骨格に採用されていた最強度の鋼材は「980」だった。

鋼材の強度が上がれば使用量を減らし、車体を軽くできる。日産はまだ採用車種を明らかにしていないが、今回の採用で1台あたり約15キロ軽くなるという。神戸製鋼薄板商品技術部の玉田基氏は「強度の追求だけなら難しくない」と言う。鉄素材は一般的に、強度を上げれば上げるほど硬くなり、加工しにくくなる。

新日鉄と神戸製鋼は今回、金属の成分や構成を工夫して従来の2倍伸びるようにし、複雑な形の部品にも採用できるようにした。JFEスチールも5日、いすゞ自動車の新型ピックアップトラック「D-MAX」のボンネット板に新ハイテンが使われると発表した。強度は「440」だが、外板は見栄えが大切で、特に加工性が重んじられる。

住友金属工業の新ハイテンは、マツダが来年出す新型スポーツ用多目的車(SUV)「CX-5」のバンパー部品に採用された。「1800」で「世界最高強度」。衝突のショックを和らげるため、強さを追求した。5キロ弱の軽量化になるという。

自動車向け素材は、「強さは鉄の4倍、重さは10分の1」という炭素繊維をつくる東レや帝人などの繊維メーカーも、参入をねらっている。迎えうつ鉄鋼業界は、日本がハイテン開発で世界の先端を走る。

新日鉄自動車鋼板営業部の小島康治氏は「1トンあたり10万円が相場の鉄と比べ、炭素繊維はケタが違うほど高い。しばらくは置き換わらない」と自信をみせる。(志村亮)

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