以下は、今なぜ|女系天皇」なのか、と題して「新聞に喝!」に掲載された作家・ジャーナリスト門田隆将の論文からである。
文中強調は私。
皇室打倒を掲げていた共産党と、自身の著書でかつて皇室を「生理的にいやだと思わない?ああいう人達というか、ああいうシステム、ああいう一族がいる近くで空気を吸いたくない」と語った辻元清美氏が国対委員長を務める立憲民主党が相次いで女系天皇容認を打ち出した。
皇嗣である秋篠宮文仁親王と悠仁親王という皇位継承者がいるのに皇室典範を改正してまで「女系天皇を誕生させよう」というのである。
両党の背中を押しているのは朝日と毎日だ。
朝日が女性・女系天皇容認を提言した小泉政権下の有識者会議メンバーの「あの時、議論を止めるべきではなかった」という言葉を紹介してこれを推進すれば(4月23日付)、
毎日は「前近代までは確固とした皇位継承原則がなかった」という確定した学説でもない研究者の言葉を引用した上で。〈「男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重み‥」。3月の参院予算委での安倍晉三首相の答弁の一部である。ぜひ、正確な歴史認識の共有の下、議論を進めたいものだ〉と男系継承を批判した(5月16日付夕刊)。
これに違和感を持った人は多いだろう。
2000年にわたる皇統の唯一のルール「男系」を否定するものだからだ。
先人は男系で皇統を維持するために涙ぐましい努力を続けてきた。
第25代武烈天皇が後嗣を残さず崩御した際、越の国(現在の福井県)から応神天皇の実に5世孫を招聘し、継体天皇として即位させた。
また江戸時代には皇統断絶を憂えた新井白石の進言で閑院宮家が創設され、実際に白石の死の70年後、後嗣がないまま崩御した後桃園天皇のあとに閑院宮家から光格天皇が即位して現在の天皇家へと引き継がれている。
一部の政治勢力は、そうまでして維持してきた男系の継承者を廃嫡にしても女系天皇を実現しようというのだ。
その理由と背景を指摘したのが8日付の産経抄である。
〈天皇制のそもそもの正当性根拠であるところの『萬世一系』イデオロギーを内において浸蝕する〉-これは共産党の理論的支柱であり、皇室と民主主義は両立しないと主張した憲法学者・故奥平康弘氏の月刊『世界』(平成16年8月号)における文章だ。
萬世一系の皇統が途絶すれば、皇室そのものの正当性の根拠は消え、内側から解体されていくという意味である。
いま日本は“内なる敵”のために大きな岐路に立っている。
そのことに警鐘を鳴らすことのできる新聞を国民は待ち望んでいる。
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