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中国 欧州支援は見返り要求も/インフレ警戒示すドラギ総裁…日経新聞11月5日6面より

2011年11月05日 15時11分35秒 | 日記
緩やかな上昇継続

…前略。胡錦濤国家主席は3日のG20討議で「国際通貨基金(IMF)特別引き出し権(SDR)の使用を拡大し、通貨バスケットを改革すべきだ」とし、人民元活用を求めた。国内では、欧州支援で国際社会へ「恩」を売れば、投資に見合う見返りが必要との意見が相次ぐ。…後略。

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インフレ警戒示すドラギ総裁
過度な金融規律に懸念

欧州中央銀行(ECB)の総裁候補にマリオ・ドラギ氏の名が最初に挙がったとき、同氏がイタリア人であるが故に金融引き締めをかなぐり捨て、紙幣の増刷に走るのではとの懸念の声が一部から上がった。

なんと大きな勘違いだったことか。ギリシヤのユーロ離脱が取りざたされ、イタリア国債の利回りが最高値を更新するなか、真に心配なのは新総裁が行き過ぎた金融規律に固執する事態だ。

総裁として初の記者会見でドラギ氏は、インフレを警戒する金融政策のタカ派の側面を証明してみせた。O・25%の利下げはECBの過度に慎重な金融政策の変更を示すものではない。

引き下げがO・25%では足りない理由は2つ。まずユーロ圏の経済成長見通しが憂慮すべきペースで悪化していることだ。成長が鈍化し資金供給量が不足している今、悪性インフレよりデフレのリスクの方が大きい。もっと断固たるデフレ対策こそ必要だ。

また、小刻みな金利引き下げは刺激に乏しく、金融当局は危機克服に向けて必要なあらゆることを行うという市場の信頼をよみがえらせることはできない。

もちろん、大幅な利下げをすれば直ちに市場が好転するわけでは断じてない。イタリアの国債利回り上昇を止めるには、政策当局はこれまで動員しようとしたあらゆる手段よりも大きな武器を振りかざす必要がある。ユーロ圏首脳が十分な資金をプールし加盟国の国債が次々と狙い撃ちされる事態に終止符を打つまではECBの国債買い入れだけが市場の完全崩壊を阻止する唯一の方策だ。

ギリシヤ、ポルトガル、イタリアの国債利回りの現状を見れば中途半端な手段では市場の空気を変えられないのは明白だ。ドラギ氏は少なくともECBが可能な手段を総動員することを示唆すべきだが、実際には記者会見で正反対のことをした。

国債購入を通じECBが加盟国の「最後の貸し手」になるとの見方を否定したばかりか、イタリア問題が理事会で議題になったことも否定した。

トリシェ前総裁の持ち味であった「建設的な曖昧さ」がドラギ新総裁の「破壊的な明瞭さ」に取って代わられてはならない。ドラギ氏の職務はECBの独立性、何よりもドイツ政府からの、を示すことだ。
(4日付、社説)=英フィナンシャル・タイムズ特約

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